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Posted by たまりば運営事務局 at

2010年09月30日

転んで膝を打った膝痛

5日前つまづいて前方に倒れ右膝と左の肘を打った。肘の痛みはそれほどでもなかったが、膝は青黒く内出血をして痛みが引かないので、翌日整形外科を受診した。骨折はなく打撲と診断され、ロキソニン、ダーゼン、湿布が処方された。

だんだん内出血は引いてきたが、薬を飲んでいるのに膝の痛みが取れないので鍼灸受診を思い立ち来院された。痛むところは直接打ったところではなく、膝の内側で体重がかかると痛い。少し足を引きずるようにして治療室に入って来られた。階段の昇降は一段ずつゆっくりとしか出来ない。

平地を歩くだけで痛いので、先ずはこの動きでの痛みが取れることを目標に治療した。痛むところは打撲箇所ではないので、痛みの原因は転んだ時に膝の筋肉や靭帯に不意の力が掛かったこと思われる。このような時は膝周辺に治療点があることが多いが、指先から足首までに2ヶ所圧痛点があったのでここに皮内針を貼る。

歩いてもらうと痛みをほとんど感じなく歩ける。次に踏み台に昇降してもらうと右足からの昇りも降りも痛い。逆の足からでは痛くない。椅子に座った状態から立ち上がる動作でも痛みが出る。痛みの局所を対象に治療する時はツボのとり方に工夫がいる。痛みが出る姿勢での圧痛点が治療点になる。

そのツボだけで効くこともあれば、何回か繰り返しツボを探さなければいけないこともある。痛みには幾つかの種類があり、最初の痛みが取れても次の痛みを感じてくるからだ。一度に全てを解消しようとするとドーゼオーバーになる。この患者さんも半分くらいのところで終了した。初回の治療で変化があれば大抵よくなりますと言える。





  

  • Posted by へんせき at 00:14Comments(0)運動器疾患

    2010年09月27日

    関節痛に対するサプリメントの有効性

    膝関節、股関節、肩関節など関節痛に悩んでいる方は多い。医療を受けても痛みが長期に及ぶとテレビCMで盛んに宣伝しているサプリメント(健康補助食品)を試してみようと思う気持ちも理解できる。サプリに関してはよく患者さんから相談を受ける。

    関節痛でよく利用されているサプリはコンドロイチンとグルコサミンだが、今回大規模研究で患者の疼痛緩和という点で臨床的に意義ある有益性は認められなかったとの報告が出た。

    ただし、使用者が効果があると感じている場合(ブラセボ効果や疾患の自然経過で改善)は有害であるとのエビデンスもないので積極的に止めることもないとしている。ただ費用の面では問題が残る。

    私がもっと気になっているサプリメントは癌に効果があると宣伝されているアガリクス、メシマコブなどのキノコ製品だ。これらに抗がん作用があるとの大規模研究報告はなされていない。これらの製品を効くと信じて使用することは適切な医療の機会を失うことにもつながる。

    ある治療をして一向に効果が出ない時は漫然と治療を続けず見直すことが必要だが、その際症状や治療法をよく検討して出来れば専門家のアドバイスも受けて進めてほしい。

      

  • Posted by へんせき at 23:11Comments(0)医療情報

    2010年09月25日

    目が疲れ、首肩が凝り、頭痛がする

    40歳代の女性会社員の2回目の治療。症状は目が疲れる(眼科で眼圧を下げる点眼薬)首が突っ張り肩が凝る、月に1~2回頭痛がする。さらに問診すると小さな子宮筋腫があり、生理痛として腰が痛くなるとのこと。

    1週間前の初診時、両目が充血していたが今日は普通になっている。治療後の経過をお聞きすると、翌朝目の充血は取れていた。首と肩の凝り感は治療直後は9割改善したが、今は先週の半分くらい。頭痛は起きてないが、目の奥が少し痛い。

    首を前後左右に倒したり、左右を振り向く動作をしてもらうと左に倒すと右首が痛い、首を左右にゆっくり回すと右斜め後ろの位置でひっかかる。腹診をすると右の季肋部に圧痛がある。(ここは肝、胆の反応点)

    治療は最初に目の治療をする。(治療ポイントは後頭部)この治療で首の突っ張り感も変化する。次に手と足のツボを使い首肩の痛みを取り仕上げに頭頂部に鍼をする。これで首はスムーズに回るようになる。後はどのくらい持続するかが問題。自宅でお灸をするとか少し運動するといいが、帰宅が10時過ぎる毎日ではなかなか難しい。

    生理痛は痛みがあるときに治療すると鍼の直後効果がよく分かる。効くツボをはっきりさせそこに自宅でお灸を続け、生理前に皮内鍼治療をしていけばだんだんよくなる。  

  • Posted by へんせき at 23:28Comments(0)不定愁訴・体調管理

    2010年09月23日

    お彼岸法要会

    今日は彼岸の中日、いつも坐禅をしている西調布の源正寺に彼岸法要会のお手伝いに行った。あいにくの雨にもかかわらず、沢山の信壇徒の方々がお集まりになった。

    法要の前に住職と副住職の奥様による御詠歌の披露があり、法要開始となった。般若心経、白隠禅師坐禅和讃、四句誓願の読経の中ご焼香が続き、住職の挨拶で法要は終了した。

    その後、皆さんお楽しみの落語となった。演者は「林家こん平師匠」の直弟子、「林家うん平師」の予定であったが、急遽「月の家円鏡」改め「橘家円蔵師匠」も駆けつけられ二題のお噺を聴くことができた。

    子供のころはお彼岸と言えば、母が必ず「おはぎ」を作り仏様にお供えし、その後みんなで食べるのが楽しみであった。私は「おはぎ」と言うが「ぼたもち」と言う人もいる。どう違うのか以前調べたがどちらも同じもので春の彼岸ころに咲く「牡丹」と秋の彼岸ころに咲く「萩」に由来するらしい。

    お彼岸とお盆の時くらい先祖を思い今の自分を考える時間を持つのもいいと思う。今年は彼岸花の開花が遅れているが源正寺の庭には白い彼岸花が咲いていた。

      

  • Posted by へんせき at 23:33Comments(0)

    2010年09月22日

    腱板断裂の鍼灸治療

    8月26日の「肩の痛み」で紹介した患者さんから電話があった。昨日MRI検査をして、棘上筋の腱板断裂との診断をうけたそうだ。

    医者の説明では肩がある程度動いたいるので痛みや引っ掛かりがあっても、すぐに手術することはなくしばらく保存療法で経過をみていくとのこと。先ずは一週間置きにヒアルロン酸の注射をするそうだ。

    鍼灸治療を尋ねてみたら楽になるならやっていいと言われたそうだ。棘上筋の断裂なら運動療法も効果があるので鍼灸治療と併用して治療プログラムを考えることになる。正常なところの筋力をつけて傷ついた部分を補うための治療だ。

    中高年になると筋肉や腱が硬くなるため些細なきっかけで腱板が損傷することがある。この方も一番最初は猫を抱えあげたとき肩がギクッとしたことがきっかけになっている。悪化したのは3ヶ月前自転車に乗っていて車と衝突しそうになり、急ブレーキをかけ腕や肩に負荷がかかってからだ。

    すぐに完治しないが悪性の痛みではないので、自宅治療をしながら3ヶ月くらいを目処に治療していく予定だ。  続きを読む

  • Posted by へんせき at 00:44Comments(0)運動器疾患

    2010年09月20日

    腰椎椎間板ヘルニアの再発?

    日曜日は仕事は休みで午後からお茶の割りげいこと坐禅をしているが、急に坐骨神経痛のような痛みが出て辛いので診て欲しいと30歳代の女性から電話があった。この方を最後に治療したのは3ヶ月前で腰椎椎間板ヘルニアと医者に診断を受けていた。

    痛みと痺れが左臀部と大腿後側に出ていたが数回の治療でほぼよくなったので、治療終了して何かあったら連絡してもらうことにしていた。ずっと調子がよかったが16日急に気温が下がった日から腰部に違和感があり17日は椅子に座っていると辛くなり、18日からは寝返り、起床時、椅子から立ち上がる動作、腰の前屈で左臀部と大腿後側に痛みがでる。普通に歩くことは問題ない。

    家族は医者に行けと言うが、10日ほど前に経過観察のため受診してその時ヘルニアは落ち着いていると言われたので痛みを取るには鍼灸の方がいいと思い電話したそうだ。このようなケースではほとんど筋肉のスパズムが原因と思われる。急に寒くなった、同じ姿勢で長時間仕事をしたことがきっかけで、さらに夏の疲れもあるのだろう。

    治療は腰の前屈とベットに浅く腰掛けての立ち上がり動作での痛みがどう変化するかを指標にした。圧痛が左足の甲と外果の下、膝の後ろにある。左臀部は筋肉の凝りはあるが圧痛はない。治療ポイントは頭と圧痛点のうち痛みに変化がある所に鍼と円皮鍼をした。結果前屈での痛みはほぼ取れたが、立ち上がり時の痛みは半分残った。

    本人は痛みが幾分減り、ヘルニアの再発ではないらしいので安心して帰宅された。もう少し痛みを取れればと思うが治療をやりすぎると却ってよくないことが多い。7割ぐらいよくなると後は自力で回復するものだと昔よく指導された。

      続きを読む

  • Posted by へんせき at 00:11Comments(0)運動器疾患

    2010年09月18日

    子供の夜尿症と鍼灸

    小学校2年生にの母親から子供のおねしょの相談を受けた。もうすぐ学校行事で泊まりも始まるので本人も少し気にしているとのこと。

    どうしておねしょが起こるのか? 通常夜間睡眠中は排尿が減る。その理由は夜は抗利尿ホルモンが増え尿量が減少し、自律神経の作用で膀胱容量が昼間より大きくなるからです。

    子供の場合抗利尿ホルモンの分泌が充分でなかったり自律神経のバランスが不安定であったりして、しかも眠りが深いのでおねしょになるケースがある。タイプ別に分けると「多尿型」「膀胱型」「混合型」「正常型」に分けられる。稀に機能は正常だが、ストレスや欲求不満をおねしょで訴えていることもある。

    病院での治療は ①塩分水分の指導 ②排尿抑制訓練 ③薬物療法(抗利尿ホルモン剤、三環型抗うつ剤、副交感神経遮断剤)での治療が主になる。

    鍼灸ではどのような治療をするかというと ①自律神経の治療 ②体を温める治療をメインに体全体の機能を高める治療をする。お母さんでもかなりのことは出来るので一度治療を見学して家庭でやってあげると治療効果があがる。通常数回から10回ほどでよくなることが多い。  

  • Posted by へんせき at 08:28Comments(1)小児・婦人科

    2010年09月16日

    自律神経失調症とは

    自律神経失調症と診断され医師の治療を受けている方が来院された。症状としては体がだるく、疲れやすいそれに手のしびれ感や不眠があるそうだ。

    自律神経失調症の定義は難しく、1950年頃、沖中重雄教授が「交感神経緊張亢進」「副交感神経緊張亢進」という言葉を提唱し、1970年頃、阿部達夫教授が「不定愁訴症候群」という言葉を提唱された。

    この病気は自律神経系の様々な症状を訴えるが器質的疾患や精神障害は認められなく、通常対処療法が施される。様々な症状を呈するこの病気であるが ①本態性自律神経失調症タイプ ②心身症型自律神経失調症タイプ ③神経症型自律神経失調症タイプに大別できる。

    鍼灸治療をする時はその症状が交感神経、副交感神経どちらの亢進かを見分けることから始めるが人の体はそんなに単純でなく両方が混在していることが多い。動悸がするが血圧は低い、体がだるいが眠れない等。また頭痛やめまいはどちらの神経の異常亢進でもおこる。

    鍼灸治療は治療前に症状や反応点の確認を厳密にしておくと1穴治療する度に「効いた」「変わらない」「悪くなった」と判定できる。痛みや痺れは治療効果がすぐに分かる。効果があれば次にそれがどのくらい続くかが問題になる。

    この患者さんは副交感神経亢進で本態性型として治療した。直後の変化としては手の痺れ感が半分になった。なおこのブログで紹介している鍼灸治療はあくまで私個人の治療法であることをお断りしておきます。  

  • Posted by へんせき at 21:10Comments(0)脳・精神・神経

    2010年09月15日

    急性胃腸炎の鍼灸治療

    腹痛と下痢で3日会社を休み昨日出勤し、医者に診てもらいその後来院された30歳代の女性。最初は食あたりと思ったが、同じものを食べた子供に何の症状もないので抵抗力が落ちたための胃腸症状と思ったそうだ。

    医者の見立ても同じようで薬は整腸剤と胃粘膜保護剤が処方された。今日は痛みと下痢はだいぶ落ち着いているが背中と肩の凝り感があり、抵抗力をつけるのに鍼灸を試してみようと思ったそうだ。

    ベットに寝ていただき腹診をすると鳩尾(みぞおち)付近に圧痛がある。まだ胃痛の影響が残っているようだ。左の胃経と脾経に鍼をしてもう一度みぞおちを押してみると8割くらい痛みが減っている。もし下痢が続いているようなら下腹部と陽明経に多壮灸が効く。その後背中に細い鍼で浅く数穴刺鍼し4ヶ所知熱灸をした。

    背中の凝りはよくなったがまだ肩こりを感じるそうだ。目の疲れからきているようなので眼精疲労のはりをして治療を終えた。

    発熱や腹痛で食べられない時、玄米の重湯を水分補給に少しずつ飲むと体力維持に役立つ。作り方は玄米30グラムを水800ccで約20~30分煎じてその上澄み液を飲む。さらっとした重湯を作るのがコツで、玄米は古い米ほど効果がある。また下痢が止まらないときは冷やした冷たいおかゆを食べると一時的に下痢は止まる。そのとき梅肉エキスを少し食べると効果的だ。  

  • Posted by へんせき at 09:20Comments(0)胃腸・消化器

    2010年09月14日

    長引く手指の痛み

    昨年10月に右親指をひねってからずっと痛みが続き、すでに1年ちかく経つのにビンのキャップを開ける、雑巾をしぼる、フライパンを持つなど日常動作に不自由を感じている主婦が来院された。

    今まで整形外科2軒、接骨院3軒、整体院1軒に行っていろいろな治療をしたが効果があったのは整形外科でしたステロイド注射だけだった。それは1ヶ月ほど効いていたが何度もできないのでその後は湿布と固定で過ごしている。

    このままではとても生活に不便なのではり治療でよくなるかとの相談だった。ここまで長引いているのは急性の痛みが慢性痛に移行しているものと思われる。慢性痛は急性の痛みと機序が違うので治療もむずかしくなる。原因は急性痛が長引くことにより脳が痛みを記憶してしまう。痛みの信号を伝える神経にトラブルが起こるなどである。

    脊柱管狭窄症、関節リウマチ、帯状疱疹、三叉神経痛、椎間板ヘルニア、五十肩、頸肩腕症候群、捻挫、骨折、慢性前立腺炎などは初期治療が上手く行かないと慢性痛に移行しやすい。現代医学では慢性痛に対してペインクリニックや心療内科、リハビリなどで対応している。

    鍼灸治療では慢性痛に対してはどう痛みの回路を断つか考えて治療する。経験的にいえば痛い所局所よりも遠隔治療の方が効果がでやすい。手探りでポイントを探すことになるが、時として過去の手術痕、やけど痕、などの傷跡が原因のこともある。

    慢性痛はいつよくなるかも分からず気分が落ち込みQOLの低下も著しい。いろいろな治療法があるので自分にあう治療法を見つけて欲しい。  

  • Posted by へんせき at 09:29Comments(0)運動器疾患

    2010年09月12日

    テレビ断食の日

    普段の食べすぎを反省するとともに、疲れた内臓の休息のため週末に一日断食やプチ断食をすることは体のために喜ばしい。

    同時に精神の休息のためにテレビを見ない日を1日作るとテレビによってどれだけ精神の集中が乱され時間が無駄に使われているか実感する。

    先日に鍼の研究会で思いがけなく市川市から参加された堀切博昭先生と面識を得た。堀切先生とは初対面であったが故森信三先生から直接教えを受け、その教えを人生の指針とされている。私は残念ながら森信三先生とお会いする機会を得なかったが先生の著作から多くのものを学んだ。

    森信三先生の著作は膨大で全てを読みきるのは大変だが関心ある方は「修身教授録」「幻の講話」「人生二度なし」などは是非読んで欲しい。また森先生は多くの名言・箴言を残されているが、そのひとつを紹介したい。

    「テレビを見ない日をつくるということは、欲望をどこまで遮断できるかどうかという精神力のものさしの一つになる」 先ずは週1日のテレビ断食を勧められている。そして読書を勧められている。「読書は『精神の食物』であるから、精神の食物が欲しくなくなったとしたら、その人はもはや精神的には瀕死の病人といってよい」

    近年はテレビだけでなくインターネットも諸刃の剣どう利用するかも考えなければいけない。数日前、堀切先生からお葉書をいただいた。そこに「一日は一生の縮図なり」と書き添えられていた。これも森信三先生のお言葉だ。  

  • Posted by へんせき at 19:28Comments(1)医療情報

    2010年09月10日

    運動不足の腰痛

    猛暑も一段落し、これからスポーツにもいい季節になる。スポーツとまでいかなくても健康のためには、年齢、体力に合わせ適度に体を動かすことが必要だ。一番安全で手ごろなのがウォーキングと言われている。

    40歳代の女性が右の腰が痛いと受診された。聴けば最近運動不足で、やや体重もオーバー気味なのを反省して多摩川土手を歩いたそうだ。距離は約8キロ、最初にしては少し距離が長すぎたのか帰宅後右腰が痛くなったそうだ。

    調べてみると運動後の筋肉痛ではなく筋筋膜性の腰痛で特に腰を前屈させると痛みがひどくなる。きちんとしたウォーキングシューズを履いていたそうだが、おそらく足首から下の小さい筋肉や腱に負担がかかり腰に痛みを感じていると判断した。

    足首から指先まで触診して痛い所や硬くなっている所をいくつか探しそこに円皮鍼を貼り、前屈して痛みが減るポイントを選び出した。4個貼ったところで痛みはほとんどなくなった。腰を診ると左右にウズラの卵大の凝りがある。これはすぐには取れないが予防のために小さくする必要がある。ストレッチを指導して治療終了した。

    普段体をあまり動かしていない中高年が一念発起して運動を始めるとかえって逆効果になることもある。特に最初は慎重に物足りないくらいから始めてちょうどいいと思う。運動前のストレッチはもちろんだが運動後のストレッチは疲労回復のためより重要だ。  

  • Posted by へんせき at 20:31Comments(0)運動器疾患

    2010年09月09日

    めまいの鍼灸治療

    「めまい」といっても様々な症状が含まれる。緊急性を要する中枢性のめまいもあるので鑑別診断は大切だ。鍼灸院で診ることが多いめまいは「良性発作性頭位めまい症」でいま三名の方の治療をしている。皆さん耳鼻科で薬の処方を受けているがそれだけですっきりせず来院されている。

    この「良性発作性頭位めまい症」は一番多いめまいで、寝返りや振り向きなど頭を動かした時ぐるっとめまいがする。原因は内耳にある「耳石器」の中の「耳石」がはがれて、三半規管に入り込むことで起こるとされている。メニエール病と違い耳鳴りや聞こえにくさはない。

    さて鍼灸ではどのような治療をするかというと、ベットに寝ることができないので座位で行う。耳に関係する経絡は胆経と三焦経がメインになるが肝経と腎経が効果的なこともある。肝経の別説大敦と胆経の風池のお灸だけで奏効した例もある。また頭のツボが効く場合もあるのでポイントをしっかり探さなければいけない。反応するツボと経絡がはっきりするとこの種のめまいは鍼灸で改善する。

    中枢性めまいの(大脳、小脳、脳幹)の障害や外リンパ瘻、聴神経腫瘍などは専門医の治療が必要だ。まれに不整脈の発作でめまいだけを感じ心臓の症状が自覚されないこともある。1週間ほど前以前治療に来ていた女性と偶然道で出会いご主人が脳梗塞で入院された話をうかがった。

    最初は体がふわふわしてなんだか変、内科に行きめまいの薬をもらったが治らず2日後耳鼻科で脳疾患の可能性を指摘されそのまま慈恵第三病院に移され脳梗塞と診断。幸い後遺症が残らずよくなったそうだが、初期症状をめまいとしてこのようなこともある。

      

  • Posted by へんせき at 10:32Comments(0)感覚器疾患

    2010年09月07日

    手術を提案された足の痛み

    73歳の女性が少し足を引きずりながら入ってこられた。仙骨部と右の下肢外側、特に外くるぶしの上10センチ付近が痛いそうだ。

    整形外科医はMRI画像を見て、手術を提案されたそうだ。しかし高血圧と腎臓の持病がありとても手術は無理と思いかかりつけの腎臓内科の医師に相談の上鍼灸を試してみようと思い来られたそうだ。鎮痛剤は腎臓に負担をかけるので薬を使わない治療を考えられた。

    じっとしていると痛みはないが、歩行時右に重心がかかると痛い。また椅子から立ち上がる時や腰の前屈、後屈で仙骨部と右下腿外側が痛む。麻痺や知覚異常はない。特に痛みがひどくなったのはこの3ヶ月。

    原因ははっきり分からないがおそらく筋肉のスパズムが原因で、痛みが慢性痛に移行していると思われた。外観的に骨の変形は想像されるが、このような場合大事なことは先ず痛みを少しでも軽くすることだ

    1穴鍼をするたびに動作時痛を確認し、三つ目のツボに治療をしたところで仙骨部の痛みが取れた。右下腿の痛みはまだ7割くらい残っているが足が温かくなり、少し眠くなってきたとおっしゃる。最初の治療なのでここで治療終了として、3回くらい1日おきに治療することにした。

    慢性痛は一旦よくなってもまたぶり返したり、別の場所に痛みが出たりすることがあるので、効果が認められたら最初数回はあまり間隔を空けずに治療した方が効果的だ。  

  • Posted by へんせき at 22:44Comments(0)運動器疾患

    2010年09月05日

    オペラ出演と咽喉のトラブル

    今日は調布市グリーンホールで生のオペラを観た。調布市民オペラ振興会が結成されて今年は20年の記念すべき年でヴェルディー作「アイーダ」が昨日と今日公演された。ご存知のようにオペラは音楽、ドラマ、ダンス、歌の総合芸術だがソリストの声量のすごさには圧倒された。

    昨日の早朝、出演予定の女性から朝起きたら咽喉の調子がおかしいと電話があった。本番間近だが声のひっかかりと咽喉の違和感を改善して欲しいとの事。何ヶ月も練習してこの日を迎えたのだから、いい体調で舞台に立って欲しい。

    数時間後の開演までに完全回復できるか分からないが、今よりよくなればとお灸と刺絡中心の治療をした。経絡的には脾経、肺経、胃経、大腸経、督脈。お灸は苦手な方だが非常事態なので少し我慢していただいた。調子が悪いようなら公演が終わってからもう一度治療することにしたが大丈夫だった。

    大事なことの直前ちょっとした肉体的なトラブルに見舞われることがある。そのような時鍼灸治療が適応する症状もあるので頭の片隅に「はり・きゅう」も入れておいていただきたい。  

  • Posted by へんせき at 23:09Comments(0)不定愁訴・体調管理

    2010年09月03日

    片頭痛の鍼灸治療

    片頭痛には鍼灸治療が効く。ズキズキとした痛みがその場で取れるのでアッよくなったと実感できる疾患のひとつだと思う。(私の症例が多い頭痛のタイプは眼精疲労からの筋緊張型頭痛と片頭痛。)

    頭痛には大きく筋緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛に分類できる。その他鑑別すべきものとして頭部神経痛、低髄液性頭痛、労作性頭痛、症候性頭痛などあり中には鍼灸治療不適応で、すぐ脳神経外科や神経内科を受診しなければいけないものもある。しかし筋緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛は鍼灸単独でも医師の治療と併用でもいい。

    今日来院された女性は5月と8月上旬に片頭痛の発作を起こしたが、二度とも1回の治療で痛みと吐き気が治まり、鍼灸の効果を実感されたそうだ。今回3回目だが朝から急に左コメカミ付近に拍動性の痛みを感じ、嘔吐して今も吐き気が止まらない状態でお見えになった。

    使うツボは手足1穴づつだが、この2穴をワンセットにして効果が出るまで少し時間を置き繰り返した。2回まで効果なし。3回目で吐き気が楽になり4回目で痛みが減った。痛みが取れたら左の首筋に凝り感を訴えられた。しかし、今日はここで治療を終えた。この凝りを取ろうとすると痛みが再現する可能性があるからだ。

    実際5月の治療では、同時に首のコリをとる治療を加えたら痛みが再現した。そこで今回は1日おいて首の治療をすることにした。片頭痛は単独よりも緊張型頭痛と混合していることが多く、普段から首や肩のコリを溜めないことも大切だ。

      

  • Posted by へんせき at 22:31Comments(2)脳・精神・神経

    2010年09月02日

    痛みがとれない腰痛

    病気の早期発見治療のために健康診断や人間ドックの受診が勧められている。特に癌に関してはもう少し早く発見できたら体に負担の少ない治療ができたのではないか、さらに命を落とすこともなかったのではないかと残念な思いをすることがある。

    1年に1~2人くらいどうしても鍼灸治療に反応しない腰痛の患者さんを診る。腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症であっても治療の後には何らかの効果が認められる。しかし初回の治療でも、もしまったく痛みの軽減がなく過去に癌の既往歴があれば癌の骨転移を疑うことも必要だ。

    先週お一人そのような患者さんが来院された。3月に子宮体癌の手術をされて鼠径リンパ節にも転移があったそうだ。腰の痛みのため待合室で椅子に座って待っていられない。予備のベットに寝て待ってもらった。診察すると片足がむくんでいる。たぶんリンパ浮腫と思われる。さらに浮腫んでいる側の鼠径部リンパ節がピンポン玉くらいに腫れている。

    治療を始めたがどうしても痛みが楽になるポイントを発見できない。最終的に1割程度軽減したかどうかである。鼠径部のリンパ腫は転移と言われているが、骨の詳しい検査はしていないとのこと。幸い治療翌日が病院通院日だったので、医者に尋ねることを書面にして渡した。骨転移でないことを願い帰りを見送った。  

  • Posted by へんせき at 01:36Comments(0)