2015年02月28日
糖尿病と不整脈
70歳の主婦。治療に来ているご主人の紹介で来院された。来院される10日ほど前に電話で相談があった。主訴はめまい、歩いていてふらっとするとのこと。糖尿病の投薬治療をしているとのことなので低血糖を疑ったが、毎日血糖測定は欠かさず今まで低血糖になったことはないと言う。
すぐに治療できなかったので血圧を測ってもらうと上80/下50と低いのでしばらく血圧を観察して体調がどうか様子を見ることにした。初診時血圧は110/70と普通に戻りめまいも治まっていた。糖尿病は10年ほど前から治療を始め、今はジャヌビア、アマリール、メトグルコを服用し昨年夏からインスリン注射も使用している。HbA1cは6.5と落ち着いている。
お腹を押さえてみると左季肋部とお臍の左に圧痛がある。脈をみると拍動が一定でなく、簡易心電計でも波形に異常ありと出る。本人は心臓に特に異常は感じていないが深呼吸をして左H3井穴刺絡をすると息が深く入ると言う。H1では変化なし。お腹の圧痛は左F1F6で取れた。
その後週に1回の治療を糖尿病に対してF1F6F2F3、心臓にH3の井穴刺絡を中心に3回行った。その結果、朝の空腹時血糖値が安定して体が軽くなってきたとのこと。血圧は110~120とよくなってきたが心拍数が50~90と差があり不整脈が時々出ている。不整脈のことを担当医に一度相談するようにお話ししてもうしばらく鍼灸治療を続けることにした。
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すぐに治療できなかったので血圧を測ってもらうと上80/下50と低いのでしばらく血圧を観察して体調がどうか様子を見ることにした。初診時血圧は110/70と普通に戻りめまいも治まっていた。糖尿病は10年ほど前から治療を始め、今はジャヌビア、アマリール、メトグルコを服用し昨年夏からインスリン注射も使用している。HbA1cは6.5と落ち着いている。
お腹を押さえてみると左季肋部とお臍の左に圧痛がある。脈をみると拍動が一定でなく、簡易心電計でも波形に異常ありと出る。本人は心臓に特に異常は感じていないが深呼吸をして左H3井穴刺絡をすると息が深く入ると言う。H1では変化なし。お腹の圧痛は左F1F6で取れた。
その後週に1回の治療を糖尿病に対してF1F6F2F3、心臓にH3の井穴刺絡を中心に3回行った。その結果、朝の空腹時血糖値が安定して体が軽くなってきたとのこと。血圧は110~120とよくなってきたが心拍数が50~90と差があり不整脈が時々出ている。不整脈のことを担当医に一度相談するようにお話ししてもうしばらく鍼灸治療を続けることにした。
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2015年02月19日
飛行機に乗っての耳の痛みと耳鳴り
どなたも飛行機に乗って耳が詰まったり痛くなったりした経験はお持ちだと思う。原因は離着陸時の気圧の変化。鼓膜の内側の鼓室は耳管という細い管で鼻の奥の上咽頭とつながっている。この耳管を空気が通ることにより外との気圧を調節している。離陸時は耳管を通し空気を逃がし着陸時は空気を取り込むが、後者の方が耳管が開きにくく痛みを感じる。
耳管は普通閉じているので急激な気圧の変化があると外との調節が上手く行かず耳が詰まったり痛くなったりする。唾を飲んだり飴をなめたりして顎を動かすとその瞬間耳管が開くので楽になるが風邪をひいたりアレルギーで粘膜が張れていたりすると耳抜きがうまくできずひどい時は航空性中耳炎になる。
60歳男性先週九州に出張で飛行機を利用した。復路の着陸時やけに耳がつまり痛みも感じていたが飛行機を降りてしばらくしたら気にならなくなった。ところが翌日からゲップを飲み込もうとしたりあくびをしようとした時に左耳の奥でゴワゴワと音がするようになった。耳閉感も痛みもないがとてもうっとうしい。軽い耳管狭窄症を起こしているのかも知れない。
耳管がむくんでいるのか炎症があるのか、着陸時の気圧の変化で耳管の働きが悪くなったようだ。症状が出て4日目に来院された。むくみならH5F5、炎症ならH1かF3。耳管は上咽頭に開口しているのでH1とH5F5の井穴刺絡を試してみた。その場で顕著な改善なし。副交感神経抑制の治療は半日から1日経って変化が出ることも多いので1日様子を見てもらうことにした。
翌日、ゴワゴワと音はするが前日よりも小さくなった。そしてその翌日まったく音がしなくなり今日もその状態が続いていると連絡があった。
私も年に10回以上飛行機を利用するが体調によって耳の痛みが違うように感じている。毎日何回も離着陸を繰り返すパイロットや客室乗務員は何か特別な対策をしているのか今度飛行機に乗ったとき聞いてみたい。
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耳管は普通閉じているので急激な気圧の変化があると外との調節が上手く行かず耳が詰まったり痛くなったりする。唾を飲んだり飴をなめたりして顎を動かすとその瞬間耳管が開くので楽になるが風邪をひいたりアレルギーで粘膜が張れていたりすると耳抜きがうまくできずひどい時は航空性中耳炎になる。
60歳男性先週九州に出張で飛行機を利用した。復路の着陸時やけに耳がつまり痛みも感じていたが飛行機を降りてしばらくしたら気にならなくなった。ところが翌日からゲップを飲み込もうとしたりあくびをしようとした時に左耳の奥でゴワゴワと音がするようになった。耳閉感も痛みもないがとてもうっとうしい。軽い耳管狭窄症を起こしているのかも知れない。
耳管がむくんでいるのか炎症があるのか、着陸時の気圧の変化で耳管の働きが悪くなったようだ。症状が出て4日目に来院された。むくみならH5F5、炎症ならH1かF3。耳管は上咽頭に開口しているのでH1とH5F5の井穴刺絡を試してみた。その場で顕著な改善なし。副交感神経抑制の治療は半日から1日経って変化が出ることも多いので1日様子を見てもらうことにした。
翌日、ゴワゴワと音はするが前日よりも小さくなった。そしてその翌日まったく音がしなくなり今日もその状態が続いていると連絡があった。
私も年に10回以上飛行機を利用するが体調によって耳の痛みが違うように感じている。毎日何回も離着陸を繰り返すパイロットや客室乗務員は何か特別な対策をしているのか今度飛行機に乗ったとき聞いてみたい。
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2015年02月13日
浮指と外反母趾が原因のような足裏の痛みと腫れ
体調管理のために毎月2回ほど来院されている81歳の女性。一週間前の治療の時、前日近くのスーパーに買い物に行ったらその帰りに右足裏指の付け根付近が痛くなり夜には指と中足骨部が赤く腫れたとのこと。一晩経って赤みは少し減ってきたが足を着くと痛く第2,3指はまだ腫れている。
本人曰く「いつも履いている靴だが中敷きを取って履いたためではないか」 治療は足を着いての痛みをチェックしながらF6井穴刺絡、足裏指付け根(2~4指)部の圧痛点に5ヶ所にお灸各2壮。足甲部(2~3、3~4指の股2㎝上)の圧痛点にソマを貼る。痛みは80%よくなる。翌朝には指の腫れも痛みもすべてよくなっていた。
ところが2日前の夕方また同じように痛みと腫れが生じたため本日来院された。これは中敷きの問題ではなく他の原因があるのではないかと考えていたら先日の大阪の研究会で田口先生の発表を思い出し、足親指を背屈させてみたら90度以上に曲がる。2指を背屈させると指の付け根の足裏に痛みが出る。患者さんの指は外反母趾もある。無意識に浮指で歩きその負荷で痛くなっているのかもしれない。
F6井穴刺絡で背屈の痛みはほとんどなくなる。足裏の圧痛点を捜し6ヶ所にお灸。歩いてみると痛みはほとんど感じない。足指(2~4)の浮腫み感は残っているので甲部の圧痛点にパイオネックスを貼って治療終了。明日容態を連絡してもらうことにした。
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本人曰く「いつも履いている靴だが中敷きを取って履いたためではないか」 治療は足を着いての痛みをチェックしながらF6井穴刺絡、足裏指付け根(2~4指)部の圧痛点に5ヶ所にお灸各2壮。足甲部(2~3、3~4指の股2㎝上)の圧痛点にソマを貼る。痛みは80%よくなる。翌朝には指の腫れも痛みもすべてよくなっていた。
ところが2日前の夕方また同じように痛みと腫れが生じたため本日来院された。これは中敷きの問題ではなく他の原因があるのではないかと考えていたら先日の大阪の研究会で田口先生の発表を思い出し、足親指を背屈させてみたら90度以上に曲がる。2指を背屈させると指の付け根の足裏に痛みが出る。患者さんの指は外反母趾もある。無意識に浮指で歩きその負荷で痛くなっているのかもしれない。
F6井穴刺絡で背屈の痛みはほとんどなくなる。足裏の圧痛点を捜し6ヶ所にお灸。歩いてみると痛みはほとんど感じない。足指(2~4)の浮腫み感は残っているので甲部の圧痛点にパイオネックスを貼って治療終了。明日容態を連絡してもらうことにした。
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2015年02月06日
冷え性・悪阻・不眠症・井穴刺絡とお灸
29歳主婦、30歳までに第二子の出産を希望しているが冷え性のせいか子宝に恵まれない。相談を受けたのが昨年の9月。夏でもカイロを腰と背中に貼っていた。
先ず冷え性を治すためにお灸を3ヶ月続けることを提案した。患者さんはまじめに続けられた。だんだん体が温かくなり12月になってもカイロなしでいられるようになった。そして1月初旬妊娠が分かった。
1週間前悪阻がひどく食べられないと治療に来られた。第一子の時もつわりがひどく35週くらいまで続き他のリスクもあり大学病院での出産になった。今日もお粥を食べてみたが全部吐いて気持ちが悪いとのこと。治療はH5F5井穴刺絡とお灸を足三里、裏内庭、中脘、内関に各3壮行う。気分の悪さが半分くらいになる。
本日二回目の治療。前回の治療の翌日から気持ちの悪さはいくらか残るものの食事をしても吐かなくなってよかったが、夜寝つきが悪くなり眠れなくなったとのこと。夢を見ているので全然寝てないというわけではないが熟睡感がない。入眠剤と安定剤をずっと使っていたがそれが効かないようだ。
自律神経の相反作用かも知れないので今日は悪阻はお灸で不眠は交感神経抑制のH6F4井穴刺絡と百会の刺絡。妊娠初期なのでF5を片方のみ刺絡して治療終了。
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先ず冷え性を治すためにお灸を3ヶ月続けることを提案した。患者さんはまじめに続けられた。だんだん体が温かくなり12月になってもカイロなしでいられるようになった。そして1月初旬妊娠が分かった。
1週間前悪阻がひどく食べられないと治療に来られた。第一子の時もつわりがひどく35週くらいまで続き他のリスクもあり大学病院での出産になった。今日もお粥を食べてみたが全部吐いて気持ちが悪いとのこと。治療はH5F5井穴刺絡とお灸を足三里、裏内庭、中脘、内関に各3壮行う。気分の悪さが半分くらいになる。
本日二回目の治療。前回の治療の翌日から気持ちの悪さはいくらか残るものの食事をしても吐かなくなってよかったが、夜寝つきが悪くなり眠れなくなったとのこと。夢を見ているので全然寝てないというわけではないが熟睡感がない。入眠剤と安定剤をずっと使っていたがそれが効かないようだ。
自律神経の相反作用かも知れないので今日は悪阻はお灸で不眠は交感神経抑制のH6F4井穴刺絡と百会の刺絡。妊娠初期なのでF5を片方のみ刺絡して治療終了。
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