2011年09月23日
ストレスによる咽喉のつまりと胃の不快感

胃はいくらかよくなったが咽喉のつまり感に変化はなかった。8月になって咽喉の症状に加え吐き気が起こるようになる。9月に入り症状が治まらないので胃腸科で漢方薬とH2ブロッカー、心療内科で精神安定剤を処方され服用している。
症状が出るのはほぼ勤務日で午後3時から5時がピーク、午前中は起こらない。休日は楽で症状が出ても軽い。仕事は夜9時まで、夕食は10時を過ぎビール1本晩酌する。タバコは吸わず、スギとヒノキの花粉アレルギーがある。おそらくストレスによる交感神経緊張がもたらす症状と思われる。
治療は休日の午前中に来られた。その時症状は出ていない。腹診をすると右季肋部(肝、胆の部)に圧痛がある。症状は主に胃と食道に出て、経絡的には胃経、脾経、任脈、督脈が関係している。治療は右の肝経、胃経の井穴刺絡と左の脾経、胃経の井穴刺絡。胸骨上の圧痛点に円皮針を貼り、百会の刺絡をして勤務日の午後症状がどうなるか様子を見てもらうことにした。この段階で脈拍と呼吸数が減り気分が落ち着いた。
5日後2回目の治療をする。前回からの経過は咽喉のつまり感は80~90%よくなりほとんど気にならない。しかし胃のむかつき感が勤務中精神的なストレスがかかるとひどいとのこと。治療は前回の井穴刺絡で血流が悪かったので10分間熱めの足湯をしてから行なった。今回は充分効いていると思うが治療中にはひどい症状が出ていないのでその場での直後効果を判定できない。もし効いていると実感したら今日の治療点に自宅でお灸をするようにお話しする。
治療のコツは効いているツボが特定できたら集中的に治療することだ。週1回で5回するより毎日連続で5回するほうが効果的で、毎日治療に行けなくても自宅でお灸をすれば充分補完できる。この患者さんのように自律神経が大いに関与している場合はその効果はより大である。

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2011年09月17日
リウマチ患者の後頭部痛、胸部圧迫感、不眠

リウマチは変形、痛みともにある程度落ち着いているが最近後頭部の痛みとつっぱり感がひどく頚椎がリウマチで変形しているのか心配になり脳と頚椎のCT検査をしたが異常なしだった。鍼灸は経験がないが病院で積極的な治療はないので試してみようと思われた。
鎮痛剤、ステロイド剤、鎮けい剤を使っているのでそれとあまり関係ないことで原因になるものはないか問診を続けていると、まだ調整して半年だが眼鏡が合ってないようだとのことなので先ず眼精疲労の頭部刺絡をした。直後周囲が明るくカレンダーの文字がくっきりして頭部の鈍痛が軽くなる。
自律神経的には交感神経、副交感神経どちらも亢進している。頚部の経絡テストに従い大腸経、三焦系、胆経、膀胱経の治療で首から後頭部の症状はかなり緩和した。そこで首を左右に回してもらうと首が右斜め後の位置で左後頚部にズキッとした痛みが出るので百会の刺絡をすると痛みは消失する。
胸の圧迫感は飲んでいる薬と関係しているようだが、腹診をすると心、胃、肝の部に圧迫痛がある。初めての鍼灸治療なので今日は内臓的な治療はせず、首や後頭部の状態がどうなるか2~3日様子を見てもらうことにした。不眠に関しては寝つきが悪いタイプであるが長期間入眠剤を飲んでいるので急に薬を止めると反動が出る可能性がある。長期的に医師と相談して減薬や頓服に変えていければいい。

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2011年09月08日
自律神経失調症・緊張して舌が回らなくなる

既往症として5年前に書痙を患い自律神経失調症と診断され心療内科で半年薬物療法を受けたが効果なく、治療中断した経緯がある。今回も心身症的な症状だと思われるので薬ではなく鍼灸治療を試してみようと来院された。また緊張すると異常に汗が出る。
治療した時間は午後0時30分、お話しする限り特にしゃべりに支障はないようだ。いま症状が出ていないので変化を確認しながらの治療ができないが、おそらく交感神経が異常緊張することにより舌が回らなくなるのだと思われる。血圧を測ってみると155/95mmHgと高く交感神経が緊張している。治療の第一選択は交感神経抑制の鍼。
交感神経抑制の井穴刺絡と頭部刺絡をして血圧測定すると132/86mmHgと低下している。その後気持ちを落ち着かせるため腎経の足と胸のツボに浅い鍼をして10分置鍼した。治療はこれで終了して仕事中に症状が軽くなるかどうか様子をみてもらいいいようだったらしばらく自宅でお灸をしていただくようにした。また緊張する時は呼吸が乱れているので意識して深い呼吸をするようにお話した。

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2011年09月05日
ぎっくり腰と足のむくみ

60歳女性、公務員が二日前にくしゃみをした瞬間に腰痛を起し痛みが少し引いて歩けるようになったのできちんと治したいとのことで来院された。今は腰の前屈、後屈、椅子に座った状態から立つ時、靴下を履いたり洗面時の中腰の姿勢で痛みが出る。
腰の他に気になるところはないか尋ねると午後になると足が浮腫みだるくなるそうだ。一日中立っての仕事が多いためもあるが、10年ほど前に両足首を捻挫予防のため人工靭帯で補強する手術をしたことも関係しているかもしれない。
数年前他で鍼治療をしてかえって悪くなったので出来れば鍼を刺さずに治療して欲しいとの希望であった。どのような鍼治療であったかお聞きすると患部に深めの鍼を多数置鍼する治療のようである。今の病態は鍼灸が適しているので、円皮針と刺絡だけで鍼は刺ささずに治療することにした。
鍼の治療で深く鍼を刺す必要がある場合は稀でほとんどは浅い鍼で充分治療できる。また浅い鍼や円皮針なら鍼による副反応もない。この患者さんも胆経、膀胱経、督脈の刺絡と足の甲、足首周囲の手術痕、ふくらはぎの圧痛点への円皮針で腰を動かしての痛みはほとんど消失した。また浮腫んでだるかった足も軽くなったそうだ。
生活習慣をお聞きするとほとんど運動をしてなく反省して二週間前からジム通いを始めたそうだが、中高年から新しいことを始める時は細心の注意が必要で筋トレの疲れが少し溜まっていたのがぎっくり腰の原因と思われた。

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