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2011年02月27日

咽喉の異物感(梅核気・ヒステリー球)

咽喉の奥または胸骨の裏付近に、焼肉の一片あるいは梅干のたねのようなものが引っかかったように感じられ、飲み込もうとしても吐き出そうとしてもその異物感がとれずとても苦しい思いをすることがある。咽中炙レンという。人により咽がふさがる、咳払いしてもすっきりしない、何かがくっついているなど感じ方はいろいろだ。

先週29歳男性と70歳女性が咽喉の異物感を訴え来院された。男性は二日前から食事をしようとすると咽喉が詰まったような感じがして食べられないとのこと。ひどい時は呼吸ができなくなるのではないかと不安になったそうだ。

70歳の女性は一ヶ月くらい前から咽喉になにかが引っかかったような感じとれず、内視鏡検査で調べてもらったが異常はなかった。しかしのどの異物感は治らないとのことである。

どちらも器質的な異常は認められない「気鬱」が原因の神経症状と考えられる。男性は治療した日の夕食から食べられるようになり、翌日は普通になった。女性は1回の治療で症状が半減したが、まだ完全でなく二回目の治療をした。ボランティア活動、孫の世話、膝人工関節手術後のリハビリとゆっくりする暇がないのも一因になっている。

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  • Posted by へんせき at 23:53Comments(0)不定愁訴・体調管理

    2011年02月25日

    高齢者の冷え性と高血圧

    約4年毎週1回往診している90歳男性。はり治療のきっかけはリウマチの治療の為来院されていた奥さんが、ご主人の高血圧の相談をされた。数年前健康診断で高血圧と胸部大動脈瘤を指摘されたが、医者嫌いのご主人が積極的に治療を受けないので往診して欲しいとのことだった。

    降圧剤はしぶしぶ飲んでいたが、往診当初は上180~200、下80~100くらいで血圧コントロールが充分なされていなかった。もちろん胸部大動脈瘤の精密検査も受けていない。治療はもっぱら血圧を下げることをメインに心経、腎経と交感神経の抑制行なった。

    私がとても気になったのが、夏は冷房を異常に低く設定され、冬は床暖房にエアコン、ガスストーブと汗が出るくらいの室温でしかも体中に使い捨てカイロを貼っておられた。脈拍も40くらいで相当体が冷えていることが想像された。

    血圧は変動があるものの薬は最初と同じ量で、少しずつ下がり現在は上140~160、下70~90くらいになった。昨年の夏から体調に顕著な変化が出てきた。例年のように冷房を強くかけない。そして毎年11月になると体中にカイロを貼っていたが、昨年は12月になってもカイロは使わず、今年になって小さいカイロを2枚使うだけで過ごしている。部屋の暖房も普通になっている。

    「体調がいいですね」と聞くと今年は体が温かく調子がいいと言う。おそらく血管が拡張して血圧が下がり血流もよくなったのではないかと推察している。ときどき心臓血管の精密検査を受けるよう説得していたが、やっと先月その気になり榊原病院を受診した。結果は経過観察でいいとのことで本人はとても喜んでいる。冷えは「万病の素」時間はかかっても生活習慣の改善と適切な治療でよくなるものだ。

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  • Posted by へんせき at 23:10Comments(0)不定愁訴・体調管理

    2011年02月23日

    半年治らなかった膝痛(変形性膝関節症)

    60歳代の女性が右の膝痛で来院された。この半年整骨院で週に3~4回治療を続けたがよくならないとのこと。どのような治療をしたかと尋ねると、温めてその後電気をかけたそうだ。多分遠赤外線の温熱療法と低周波治療だと思う。

    外観上、膝の大きな変形はない。打撲や捻挫をした覚えもないそうだ。平坦なところを歩くのは痛くないが、階段の昇降で痛く正座が出来ないそうだ。この方は半年間毎週3~4回も膝の治療を続けたが、効果がなかったということは、その治療自体が悪かったのか痛みは膝に出ているが原因は膝以外にあり膝を治療しても効果がなかったかのどちらかだろう。

    本当に膝が悪いのかチェックしてみた。触診して腫れや熱感はなく、膝蓋骨もひどく固まってなく動く。膝に問題はないようだ。次にベットの上で四つん這いになりゆっくりお尻をおろし正座をしてもらうと踵から5cmくらいのところで右膝に痛みが出る。今度はベットの端から足首から先を出して同じように正座してもらうと、今度は痛くなく正座が出来た。

    この二つの動作は何が違うかというと足首に負荷がかかるか否かということで、足首に負荷がかかると膝に痛みが出ることを示している。要するにこの膝痛は膝は悪くなく問題は足首にあることを示している。だから膝をいくら治療しても治らない。治療は足首や踵、アキレス腱部を細かく触診して圧痛点を探し、円皮針を貼り、1個貼っては正座時の痛みを確認しながら4ヶ所目で痛みなく正座が出来るようになった。

    次にベットの端に手をついてしゃがみ込んでもらうと、痛みはないが少しツッパリ感がある。これは足首が背屈されることの影響だと考えられるので足の甲を調べると2指と3指の間に圧痛がありそこに円皮針を貼ると解消した。痛くなって1年治療を始めて半年の膝痛が一回の治療でよくなったので不思議そうな顔をされていた。どうして足首に問題が起こったのかそれはまだ未解決なのでそれを発見して本当の治療になる。

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  • Posted by へんせき at 09:24Comments(0)運動器疾患

    2011年02月18日

    不妊症治療に鍼灸をどう生かすか

    最近不妊症を主訴に来られる患者さんは、医療機関で先進生殖医療を受けた又は受けながらの方が増えた。以前と比べ年齢もあがり、30歳代後半から40歳代前半の女性が多い。不妊症は女性だけの問題ではないが、女性の社会進出や晩婚化とも無関係ではないと思う。

    不妊症治療でいちばん大切なことは、その原因が何かを見つけることとだが原因を特定できない不妊がとても多い。卵子の質も大切で年齢とともに老化するそうだ。女性側の原因は①排卵 ②卵管 ③着床 ④頸管に問題がある場合に分けられ、男性側の原因は精巣で精子を作る機能に問題がある場合が90%を占める。

    不妊治療はある意味時間との勝負でもあるので、早く最適の治療法を行なうべきだ。「タイミング療法」で自然妊娠を目指すのが基本だが、検査しだいでいきなり「人工授精」や「体外受精」を選択した方がいい場合もある。しかし費用として人工授精は1回1万円から3万円、体外受精は30万円から50万円かかる。また1回で成功するわけではなく、人工授精の妊娠確率は1回5%、数回の治療で約20%、体外受精は女性の年齢によりかなり差が出るが妊娠確率は平均25%、出産確率は15%といわれている。

    さて鍼灸治療をするとどのような効果がでるのか。先ず基礎体温をつけていると高温期への移行が早くなり高温期が長くなる。「手足の冷え」「肩や首のこり」「便秘や下痢」などの不定愁訴の改善や子宮内膜の厚さが改善する。治療をして妊娠に至った人は明らかに不定愁訴が減っている。どの臓器も血流低下は機能不全の原因となる。公的なエビデンスは途上だが不妊症の方は期間を決め鍼灸治療により体調がよくなるか、またホルモン検査や子宮内膜検査がどうなるか試してみられるといい。

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  • Posted by へんせき at 02:15Comments(0)小児・婦人科

    2011年02月14日

    耳介療法(耳鍼)と肥満治療

    「耳鍼で痩せますか」という質問を時々いただく。一般的には耳鍼は「耳ツボエステ」のようなイメージで一般に受け取られているようだ。「耳ツボでやせる」というような単純な発想では満足いく効果を得ることは難しいだろう。

    肥満には稀に症候性の肥満もあるが、食べすぎや運動不足が原因で、過剰なエネルギーが脂肪として体に溜まるタイプの肥満がほとんどである。なかには抗精神薬の副作用による肥満もあるので薬のチェックも必要になる。

    主な肥満の治療法には①食事療法 ②運動療法 ③薬物療法 ④行動療法 ⑤外科的療法 ⑥耳介療法などがあるが、③薬物療法と⑤外科的療法はあまり推奨できず、① ② ④ ⑥を組み合わせて治療にあたるのが一般的だ。脂肪吸引はやってはいけない。

    肥満は薬物依存やアルコール依存などと同様に「食べ物依存」という認識で、肥満患者が多いアメリカでは薬物依存の治療と同様、耳介療法が積極的に取り入れられている。耳介療法には中国式とフランス式があるが、細かく領域が設定され支配神経も調べられている。

    実際の治療は細かく区分された領域から良導点を探し出し、その領域に対応する最適な電気刺激(至適周波数が決まっている)を与えたり、小さな針を置鍼したりする。技術的にはツボをどう探すか、そこにどのような刺激を与えるかがポイントになる。

    もちろん耳介療法は肥満治療のために考案されたものではなく、1950年代にフランスの医師ノジェにより痛みや自律神経症状の治療として始められたもので、肥満治療にも応用できるということである。そこで「耳鍼で痩せますか」という質問には「可能性はあるが簡単ではない」と答えている。肥満の背景には各自複雑な要因が存在するのでそこを考え、各自の個性に合わせた治療法を組み合わせていかなければならない。そのひとつに耳介療法(耳鍼)がある。

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  • Posted by へんせき at 23:26Comments(0)生活習慣病

    2011年02月12日

    慢性疲労症候群の鍼灸治療

    検査をしても異常はないのに、耐え難い異様な疲労感で仕事や生活に支障をきたす疾患が慢性疲労症候群で、働き盛りの若い人に増えている。いま一ヶ月ほど鍼灸治療を続けている30歳代男性がいる。

    異常を感じたのは一年前で最初は単なる疲れと思い、ビタミン剤や栄養ドリンクを飲みごまかしていたがそのうち布団から起きるのも辛くまた体に痛みも出てきたので医療機関を受診して様々な検査の末、慢性疲労症候群と診断された。ビタミン剤、漢方薬、抗不安剤が処方されている。

    慢性疲労症候群とは「病的な疲労」で、まだ20年ほど前に提唱された新しい疾患だ。原因ははっきり分かっていないが、ストレス、睡眠不足、長時間労働、ウィルス感染などが発症にかかわっているといわれている。神経系、内分泌系、免疫系のバランスが崩れ脳がダメージを受け異常な疲労感を感じると共に、痛みや微熱、抑うつなどが出てくる。

    疲労は体だけでなく脳の疲れでもあり充分な睡眠が必要だ。この患者さんも発症の前は仕事のストレスと残業で睡眠不足が続いていた。このような全身症状に対しては先ず腹診をして、背中の膀胱経の兪穴に浅い鍼をする。自律神経のバランスが崩れている場合はその治療を加える。自宅では「せんねん灸」を背中と手足のツボに続けている。鍼灸治療を併用して睡眠状態がよくなり、脱力感や体の痛みは明らかに改善してきた。

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  • Posted by へんせき at 00:18Comments(0)不定愁訴・体調管理

    2011年02月10日

    経過観察中の心臓弁膜症

    心臓弁膜症と診断され経過観察中の患者さんが二名いる。40歳男性と80歳女性で二人の発症の機序は違う。弁膜症といえば、かつては先天性のものか、溶連菌の感染による「リウマチ熱」によるものがほとんどであった。近年は感染症治療が進歩しリウマチ熱による弁膜症は減少したが、その一方高齢化により高血圧や動脈硬化による変化が弁膜に及び「閉鎖不全症」や「狭窄症」を引き起こしている。

    40歳男性は7年前「MRSA感染症」を機に弁膜症を発症し僧帽弁と三尖弁の閉鎖不全を起している。幸い心臓肥大の進行は遅く、血液の逆流はあるものの登山やスキーも続けている。担当医は自分の予想外の経過に驚いている。鍼灸で弁が元に戻るわけではないが全身状態に何らかの効果をもたらしているのかもしれない。

    心臓は栄養状態がいい所なので細菌も繁殖しやすい。溶連菌やMRSAを甘く見てはいけない。少なくなったとはいえ小児で風邪症状に関節の痛みや腫れを伴ったらリウマチ熱を疑ってみるべきだ。早く見つけ適切な治療をしたら心臓に後遺症を残すことは防げる。また稀に歯周病の原因菌が血液に入り弁で増殖することもある。

    80歳女性の弁膜症は高血圧と動脈硬化によるもので、半年前ふらつき感出てそれを機に循環器科で調べたら僧帽弁と大動脈弁が悪いと診断された。何年も血圧の薬を処方されていたのに聴診器を当てることはほとんどなかったそうだ。弁膜症は自覚症状が出る前に胸部レントゲンで心臓肥大が認められ、心音を聞くと心雑音が聞こえる。高血圧や高脂血症で薬物治療を受けている方は時々聴診器を当ててもらって欲しい。そして異常があれば「心臓エコー検査」が必要になる。そうすることにより早期に対処すれば選択肢が多い。

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  • Posted by へんせき at 00:26Comments(0)呼吸・循環器

    2011年02月07日

    股関節の痛み(変形性股関節症)

    股関節に痛みがでる原因はいろいろあるが、その多くは股関節の軟骨がすり減ることによる「変形性股関節症」による。これも性差がある病気で圧倒的に女性に多い。

    変形性股関節症は若い時期から少しずつ進行する病気で、初期では関節軟骨に異常はなくだるさや動き始めに軽い痛みがある程度で休めば治るので病気に気が付かない。また痛む場所が臀部や大腿部のこともあり座骨神経痛と間違われることもある。

    45歳の女性が左股関節とお尻の中央が二日前から痛くなったと来院された。変形性股関節症を疑いながらお話を伺うと乳児期に股関節脱臼をしたことがあり、子供のころは激しい運動は制限されていたとのこと。鎮痛剤を飲みたくないので鍼灸で痛みを緩和したいと希望だ。

    左足に体重が乗ったり捻ったりすると痛みが出るが、股関節の開きは正常である。過去の経緯から股関節に構造上の変形はあるかもしれないが、軟骨は大丈夫だと思われた。胆経と膀胱経から反応点を選び円皮針を貼り、頭部に鎮痛のため3本置鍼した。治療前に比べ痛みの程度は三分の一ほどになった。

    股関節が現状どうなっているか整形外科でエックス線検査をするよう勧めた。ほっておくとやがて強い痛みが頻繁におこり関節の動きが制限され歩けなくなる可能性もあるので、股関節に負担をかけない生活の工夫や運動療法と共に自宅施灸をして長期的にケアしていくようにお話した。

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  • Posted by へんせき at 01:07Comments(0)運動器疾患

    2011年02月02日

    良性発作性頭位めまい症と鍼灸

    昨日の早朝趣味の仲間から、めまいがして気持ちが悪いと電話があった。私も十数年前一度だけめまいの経験があるが、症状よりも突然天井が回り動けなくなり5分ぐらいで治まったがその間これが続いたらどうなるのだろうという不安感が大きかった。

    めまい発作で一番多い病気が生死に全くかかわらない「良性発作性頭位めまい症」だ。メニエール病と違い難聴や耳鳴りはなく、脳の異常からくるめまいと違い次第に治まってくる。原因は耳の奥の内耳にある耳石器の耳石という炭酸カルシウムの石がはがれて三半規管に入り込み、リンパの流れを乱し平衡感覚が不調を起すことによる。

    良性発作性頭位めまい症の多くは後半規管型であるので、通常数日から数週で消失する。診断の為には頭位変換眼振検査が必須で、脳疾患との鑑別にMRI検査をすることもある。お話を聞いていて心配ないめまいと思ったがご本人は脳の異常を心配されるので神経内科か耳鼻科を受診するようお話した。

    良性発作性頭位めまい症のとき気をつけなければならないのは、めまい発作の再発を恐れ安静第一の生活を続けることだ。めまいや吐気が止まったら散歩をしたり、めまいを起した動作を繰り返すなどするとはがれた耳石が溶けたり、元の耳石器に戻ったりしてリンパの流れが正常になる。医療機関では理学療法を行なうところも多い。

    鍼灸治療では肝経、胆経、腎経を主に使い頭部の風池や完骨のお灸、足部の照海、太敦のお灸は自宅でも出来る。治療院では手足の要穴をつなぐ奇経治療や刺絡治療を組み合わせる。まためまいには心因性のめまいもありその鑑別診断も重要だ。

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  • Posted by へんせき at 10:09Comments(3)感覚器疾患