2012年04月26日
再燃した五十肩の鍼灸治療

昨年の夏はだいぶよくなっていたが寒くなりはじめた11月頃から何となく肩の調子が悪く今年の2月から痛みのため安眠できず、車やバイクの運転も辛くなった。この数日痛みがひどくなり会社を4日休んでいるとのことである。
肩関節の屈曲と外転は40度、30度くらい。右手を左肩へ乗せる動作、お尻のポケットから財布を取り出す動作は痛みが出る。H2の井穴刺絡で右手を左肩へ乗せることが楽になる。H5の刺絡で腕を外へ開く動作が少し楽になる。本当の五十肩のピーク時は何をやっても効果がないときもあるがこの方は治療に反応する。
さらにH6、H4を刺絡した後、肩甲骨の周りと上腕の筋肉が硬くなっている所に糸状灸を行い治療終了。自宅で井穴と右上腕部にお灸をしていただくことにした。
五十肩は片方が治った後、しばらくしてもう片方が発症することは割と多いが、同側に再発することはあまりない。この方は仕事で重い物を運ぶことが多く回復期に無理して完治しないまま寒さの影響もあり再発したものと考えられる。幸い治療に反応するので鍼灸で痛みを抑え、肩関節が固まらないようの運動療法を進めていく予定だ。

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2012年04月17日
自律神経由来の胃痛と胃の圧迫感

この方はとても神経が過敏で今度も自律神経の過剰反応と思われた。ベットに横になり腹診をすると脾、胃の部より肝、胆の部に圧痛がある。右F2F6で圧痛は鳩尾に移る。締め付け感は変化なし。左F1F6で締めつけ感はなくなるが胃の自発痛が出てくる。左右のF4で痛みが半分に減る。
背部兪穴を触診していくと木と土の部4ヶ所に胃の痛みが楽になるツボがある。そこに黄色のパイオを貼り、交感神経抑制の為に百会の刺絡をして治療を終了した。生活習慣として仕事の関係で夕食が遅くなる、性格的に細かいことが気になることなどが関係していると思う。
胃の症状をよくする方法としてひとつ挙げれば食事をするとき口の中には一品しか入れずそれが自然に胃に流れ込むまでよく噛む事。そのためには一口ごとに箸を置く事。これを行なうと食事時間が今までの3倍も4倍もかかるが、胃弱を治すにはこれしかない。

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2012年04月11日
不妊治療中の体調管理に鍼灸

この患者さんは2個採卵したそうだ。今日の採卵後の体調は下腹部と仙骨部に鈍痛があるくらいで移動は可能で、受精分割が上手く行ったらすぐに体内に戻す治療が控えているので早めに治療しておこうと来院された。
鈍痛は採卵による刺激で軽い炎症と関連痛によるものだろう。F3、F2、F4と順に井穴刺絡を行なう。ここで60%改善する。次に下腹部3穴に知熱灸をしてさらに20%改善。次に腰部2穴に知熱灸をするとほとんど痛みは消失した。最後に背部兪穴の反応点に浅い鍼をして終了した。
この方は過去5回体外受精を試みていて4回失敗した後、鍼灸治療を始められた。10日に1回の治療と自宅でのお灸をして4ヶ月になるが治療開始時と比べ体が暖かくなり、お腹が柔らかくなってきた。経済的、身体的負担が少しでも減るように鍼灸治療が手助けできればと思う。

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2012年04月01日
生活環境の変化で再燃した自律神経症状

上京して一週間経ったころから夕方から上記の「めまい、頭痛、肩こり、気分の低下」の症状が出て寝るまで続くようになった。朝はすっきり起きられ体調も普通になっているが、毎日夕方から体調悪化に悩んでいるとのこと。こちらで薬を1週間飲んだがよくならないと言う。母親に相談して当院を受診した。
予約時間は16時で今は頭痛と肩こり、気分が落ち込んでいるという。話をしているうちに気持ちが昂ぶったのか泣き出してしまった。話を聞いていると新生活でのストレスが大きいようだ。(集合住宅で自由に楽器の練習ができないことや体調不良のまま一人で生活できるのかの不安など精神的な要素)
頭痛と肩こりを指標に症状の改善を確認しながら治療を進めた。井穴刺絡、背部兪穴の浅い鍼、知熱灸、円皮針を使用した。患者は鍼灸治療は初めてであったが、頭痛は100%肩こりは90%気分の落ち込みは70%良くなった。本人も治療で症状はよくなると実感して少し安心したようだ。楽器の練習場も悩みの種のようなので知人の音楽家に相談して教えていただいた。
治療の翌日は夕方少し肩が凝ったが普通に過ごせた、翌々日は何も症状は出ず安心したと連絡があった。明日から学校が始まるそうだが早く新生活に慣れ楽しく充実した学生生活を送って欲しい。

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