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Posted by たまりば運営事務局 at

2010年06月29日

生活習慣改善と鍼灸治療

生活習慣が病気に関係していると分かっていてもそれを変えることはなかなか出来ない。理由は客観的に悪いと言われることでも本人にとっては不快なことではなくむしろ心地よいからだろう。

先日紹介した禁煙を実行に移した女性などは稀な一例で元気な時や自覚がないときに話してもほとんど不発に終わる。過去残念な思いをしたことがある。50歳の若さで間質性肺炎で亡くなった知人は30歳頃にタバコの吸いすぎを注意したが聞いてもらえなかった。

生活習慣を変える場合いまやっていることを止める場合とやってないことを始める場合がある。半年前から来院されている50歳代の女性がいる。症状は膝と腰背部の痛みがあり血圧が高い。来院のきっかけはブロック注射が痛く効果が持続しないので鍼をしてみようとのことで、降圧剤も服用していた。

症状は一進一退で治療の後はよくても数日すると元に戻りなかなか治療効果が出なかった。この方は痛みを恐れるあまり運動(歩くこと)が極端に減っていた。しかし1ヶ月前から膝の痛みが完全に取れたのを契機に1日30分歩くことを始められた。するとあれほどすっきりしなかった左の背中と腰の痛みも減ってきた。腰痛は安静より適度に動いた方が早く治るエビデンスがある。

歩き始めてから鍼治療で追加したことがある。円皮鍼を片足3ヶ所のツボに貼ることで足の筋肉疲労を防ぐ効果がある。以前休みの時よく山登りをしていたが円皮鍼を貼っていくと足の筋肉痛が軽減された。この方は今後体重が減り血圧にもいい効果が予想される。

鍼灸治療は体のよくなろうとする生命力を後押しする治療なのでご自身がそのような意識を持ちいい生活習慣を実行されると効果もよく出るようだ。  

  • Posted by へんせき at 23:07Comments(0)生活習慣病

    2010年06月27日

    坐骨神経痛と禁煙

    ギックリ腰をきっかけに坐骨神経痛を発症して数ヶ月不自由な生活を余儀なくされた40歳代の女性、昨日3回目の治療をしたが痛みはほとんど消失して普通に生活できるので治療終了とした。

    初診が6月18日だったが、問診する中で気になることが二つあった。一つはタバコで毎日40本吸うそうで、もうひとつはお酒、毎日焼酎で2合飲むそうだ。

    幸いなことに健康診断で異常は出ていないがこの生活習慣を続ければ近い将来何らかのトラブルが起こる確率が高い。患者さんに「今の痛みは鍼治療で必ずよくなるが、タバコとお酒はご自身の決心しかない旨」お話した。

    一般的に禁煙、節酒の話をしても実行に移す人は少ない。しかしこの患者さんはすぐ実行された。意思の力だけでは無理と考え医療機関を受診され禁煙補助薬・チャンピックスを処方された。お酒はお湯割りに変え、休肝日を週に2日作ることにされた。

    この方にとって目先、坐骨神経痛がよくなったことは喜ばしいが、この先の長い人生を考えた時はり治療をきっかけに禁煙と節酒に踏み切ったことはご自分で何にも変え難い宝を得たに等しいと思う。  

  • Posted by へんせき at 22:28Comments(2)

    2010年06月26日

    早期リウマチの診断と治療

    6月22日の記事の患者さんのその後だが追加の血液検査で抗CCP抗体(陽性)抗SS-A抗体(陽性)抗SS-B抗体(陰性)と出た。早期リウマチの診断基準は満たしていないが抗CCP抗体と抗SSーA抗体が陽性ということで抗リウマチ薬メトトレキサートを週1回2mgの服薬が開始された。

    この方は半年前の健康診断で抗核抗体が320で半年後の検査を指示されていたがその時点で自覚症状は全くなかった。最近何となく手指の関節に軽い痛みと痺れ感があるのでリウマチを疑い受診したが最初の検査では白血球、CRP、RA、血沈すべて陰性であった。

    リウマチの診断は難しい。膠原病に詳しくない医者なら最初の検査結果で鎮痛剤で様子を見ましょうとなるかもしれない。またそれでよくなるかも知れない。副作用も考えると何がその人にとって一番いい治療かの選択は難しい。Risk&Benefitの観点から医者とよく話をして選らばなければいけない。

    昨日で3回目のはり治療をしたが指の痺れはほとんどなくなり痛みは多少残っているが程度は軽くなっているそうだ。リウマチは患者さんそれぞれの経過をたどり自然によくなる人もいる。この方はなるべく強い薬を使わずに進行を押さえたい希望である。

    鍼灸で全てのリウマチが治るわけではないが免疫系の異常に鍼灸は有効な場合が多い。今までの経験ではお灸を上手く組み合わせると効果が大きい。熱いお灸は敬遠したいそうだが効果を自覚できればやっていただけると思う。  

  • Posted by へんせき at 02:50Comments(0)膠原病・内分泌

    2010年06月24日

    今日の出来事(腰痛・前立腺肥大症・とびひ)

    朝、出勤途中ちょうど二週間前に腰痛の治療をした患者さんと出会った。この方は市内で美容室を経営なさっているが立ち仕事の為か疲労が重なると腰痛を起こすそうで前日夜から痛くなった。お客さんの合間をみて行くので15分で治療して欲しいとの希望だった。

    丁寧な診察をする時間がなく今までの治療経験と動作診を参考に2穴に鍼、4ヶ所の円皮鍼で7割ほどの改善で時間切れになった。充分な治療が出来なかったのでその後どうなったか気になっていたが一晩寝たらほとんど痛みが取れていたそうだ。体力があれば治りが早いと思った。

    今日診た84歳の患者さんで3ヶ月週1回の治療を続けやっと効果が出てきた方がある。前立腺肥大症で数年前から泌尿器科でα1ブロッカーを処方されているが夜間尿が3~4回あり睡眠に支障が出ていた。2週間前の治療で鍼をした夜は1回で済むが他の日は2~3回とのこと。そこで先週の治療の時毎日回数を記録するようにお話した。今日その記録を見ると1回の日が2日、2回の日が5回で初診時より明らかに減っている。ご本人も2回までなら我慢できるそうでこれが続いて欲しいとのことだった。

    19日の夜6ヶ月の赤ちゃんの湿疹について電話相談を受けた。お話だけでは突発性湿疹アトピー汗疹なのか感染性の湿疹か判断できなかったのですぐ小児科に連れて行くようにお話して電話を切った。翌日連絡があり「とびひ」と診断され抗生物質が処方されたそうだ。「とびひ」なら抗生物質の服用が基本の治療だ。今日ほぼ治まったと連絡をいただいた。これからの季節乳幼児は皮膚のトラブルが多くなるが対処法はそれぞれ違うのでいつもと違う症状なら早めに専門家の指示を仰いだ方が無難だ。  

  • Posted by へんせき at 23:12Comments(0)泌尿・生殖器

    2010年06月23日

    初めての鍼・怖い!

    鍼治療に行ってみたいが、痛そうだし何となく敷居が高いと感じている人は多いと思う。今日来られた40歳代の女性もその類で清水の舞台から飛び降りる覚悟で受診されたそうだ。思い立ったのは母親の腱鞘炎がはり治療で治ったからだ。

    主訴は一ヶ月前から右手首が何ら思い当たることもないのに痛くなり二週間前に整形外科で診察してもらったが痛みが引かず少しずつ痛みが増している感じがするそうだ。骨の変形はないとの診断を受けている。指をまっすぐ揃え親指側と小指側に曲げる動作で痛みが増す。日常動作では雑巾を絞る動作や茶碗を洗う動作で痛い。

    治療ポイントを決め普通の鍼(毫鍼)をしようとすると腕全体を強張らせ、顔をしかめとても緊張されている。この状態では必要以上に痛みを感じせっかく受ける気になった鍼治療が嫌いになっては元も子もない。そこで普通の鍼は中止して円皮鍼で治療することにした。これはセイリン社製のパイオネックス0・6ミリの貼る鍼で痛みはない。

    これなら怖くないと緊張が緩んだ。そこで手首を動かし痛みの反応点を確かめ治療ポイントを選び1穴ずつ円皮鍼貼っては痛みの具合を確認して5個貼った。ここで痛みは半分くらいになった。さらに前腕の内側に2点貼って治療終了した。もう少し治療したかったが患者さんには初めてのことなので効果があることを分かってもらえただけでも充分だ。3日後にもう一度治療することにした。  

  • Posted by へんせき at 22:00Comments(0)医療情報

    2010年06月22日

    膠原病の初期か?

    40歳代女性 半年前の健康診断で抗核抗体320と異常値を指摘されていた。二週間ほど前から手の痺れと指や肘の関節が痛むようになった。リウマチを疑い専門医を受診して検査を受け、いま結果待ちだが自覚症状がとれず検査結果が出ないと病院の治療も始まらないので鍼灸で症状が軽減すればと思い来院された。

    半年前の検査の数値を見るとコリンエステラーゼがやや低いがCRP白血球も正常値で炎症反応はみられない。リウマチを始めとする膠原病かどうかは検査待ちとして手の痺れと指関節の痛みの治療をすることにした。何が原因かよく分からないので試行錯誤して体の反応を見ることにした。

    初回は副交感神経を抑制する治療をし3日後に交感神経を抑制する治療をしてどう違うか観察してもらうことにした。そして今日3回目の治療となった。話を聞くと明らかに2回目の方が症状が軽くなったそうだ。病院の結果も出てRA・CRP・白血球・抗核抗体すべて正常値だったが、医師は念のため抗CCP抗体MMP-3をさらに調べるそうだ。

    この患者さんは2回目の鍼治療がよかったし、検査結果も膠原病の可能性は低いので交感神経を対象にしたはり治療を3回ほど間隔を詰めて行うと効果的ではないかと感じた。原因が分からず症状だけ残っていると何か重大な病気が隠れていないか心配になるが、これだけ調べているのではり治療で症状が取れれば大丈夫だろう。もしどうしても心配なら大きな病院の総合診療科を紹介してもらうといい。  

  • Posted by へんせき at 00:10Comments(0)膠原病・内分泌

    2010年06月19日

    便秘のはり治療

    便秘を主訴として来院される患者さんは少ない。ほとんど他の病気の治療中に便秘がちなので鍼で治す手はないかと相談される。そして上手くいくと今回もまたお願いしますということになる。きょうお見えになった40歳代女性もそのような患者さんだが昨日からお腹が張って苦しいそうだ。

    便秘の原因を大きく分けるとポリープ癌、炎症、癒着などで腸管自体が狭窄を起こしている器質性便秘とこうした病変はなく腸管の機能が亢進したり低下した機能性便秘がある。鍼灸治療が適するのは後者の機能性便秘で治療の効果も当日か翌日には結果がでる。

    器質性の便秘の裏には悪性の疾患が隠れていることがあるので消化器科の大腸専門医に相談されたい。港区赤坂でマリーゴールドクリニックを開業されている山口トキコ先生は日本最初の女性「痔医」であるが大腸の専門医でもあり便秘の治療にも詳しい。

    さて、今日の患者さんの腹診をすると左の下腹部にゴロリとした索状の塊りを触れる。はり治療が上手く行くと大腸が刺激されてこの塊りが少し動く。実際の治療は左足の胃経脾経のツボ各1ヶ所と腹部の脾経のツボ1ヶ所にはりをした。便通があったら連絡してもらうことにした。

    慢性便秘の方は市販の便秘薬で対応されている場合も多いと思われるが漢方薬も効果がある。便秘の種類や体質により何がいいか違ってくるが、江戸時代の名医吉益東洞が多用した応鐘散(芎黄散)は作用が穏やかで評判がいい。  

  • Posted by へんせき at 21:25Comments(0)胃腸・消化器

    2010年06月18日

    交通事故によるむち打ち症

    年に数件だが交通事故による鞭打ち症の治療をする。当然最初からはり治療を受診されるわけでなく一定期間整形外科の治療を受けた後の受診になる。今回の患者さんは罹っている医者からの勧めで来院された。

    交通事故の治療なので自賠責になる。損害保険会社の担当者に連絡を取り鍼灸治療開始の了承を得る。担当者「治療はOKです。どのくらいの期間で何回位でよくなりますか。」 私「まだ診てないので何回とはっきり言えません。どうしてそのようなことをお尋ねなさるのですか。」 担当者「効果が出てないのにズルズルと治療を継続する治療所があるので、それは困ります。」 私「ご心配なく。数回の治療で何の効果もなければ治療を中止して紹介先の医師に相談します。一応10回2ヶ月を目安にします。」

    以上のようなやり取りの後治療を始めた。整形での治療は服薬、湿布、牽引や温熱治療の理学療法が中心であった。首や腕を色々な方向に動かしての痛みやつっぱり感、じっとしていて感じる頚部の重苦しさを確認して治療点を決める。

    むち打ち症の場合患部以外によく効く治療点が存在する場合が多い。先ずそれを探し出せるかどうかがポイントになる。また患部の治療では治療点はもちろんだが鍼の太さと刺入深度が大切で指先の感性が要求される。治療後の状態がどのくらい続くかすぐ元に戻るのかよく観察して5日後に2回目の治療をすることにした。  

  • Posted by へんせき at 00:37Comments(0)運動器疾患

    2010年06月17日

    眼精疲労による肩こり

    仕事でも日常生活でもパソコンは必需品になり一日の中かなりの時間液晶画面を見ている人も多い。本を読むのと違い液晶画面は点の集まりなのでどうしても目の疲れがひどくなる。高じると目の痛みを始め頭痛や肩こりの原因となる。

    吉祥寺から調布へ通勤し治療院の近所にお勤めの20歳代女性が肩こりを主訴として来院された。聞けば吉祥寺の鍼灸院に行って以来二度目のはり治療だそうだ。慢性的に首の後ろから肩上部が凝り、きょうは右の肩甲骨の内側が少し痛いとのこと。仕事柄パソコンを使う時間が長く最近運動不足でもあるそうだ。

    治療の前に首を色々な方向に動かして首の痛みやツッパリ感を確認してもらう。眼精疲労が大元だと考え後頭部2ヶ所にはりをする。3分後仰向けになってもらい見え方に変化がないか尋ねると、視野が広がり明るく感じると言う。この変化は直後しか分からない。時間が経てばその見え方に慣れてしまう。

    さて肝心の肩こりはどうなったか。最初のように首を動かしてみるとスムーズに首が回り、はり治療は効果があると実感してもらえた。他に冷え性低血圧などがあるのでお灸を体験していただいた。目の疲れには蒸しタオルを目に当てること、日常生活にストレッチやスポーツで体を動かすことを提案して治療を終えた。  

  • Posted by へんせき at 00:51Comments(0)感覚器疾患

    2010年06月15日

    椎間板ヘルニアは腰痛の原因?

    椎間板ヘルニアが神経を圧迫しているので痛みや痺れが起こっている。まことしやかな説明だがはたして本当だろうか。ヘルニアと診断されて臀部や下肢に痛みや痺れのある患者さんの鍼灸治療をしているとその場で症状が無くなることをたびたび経験する。

    今日来院された40歳代後半の女性。今年2月ギックリ腰を起こし動けなくなる。整形外科に運ばれ鎮痛剤を処方され数日安静にして次第に歩けるようになる。ずっと薬を飲んでいたが右臀部から下腿にかけての痛みはすっきりとは治らない。3月に入り痺れが出てきた。

    MRI検査をしたらL4・L5のヘルニアと診断されたが治療としては湿布と鎮痛剤と骨格筋弛緩剤を続けるだけで症状の改善がないので鍼灸を試してみたいとのことである。治療前に症状の確認をする。腰の前屈で臀部からふくらはぎに痛みが出る。ラセーグは20~30度で陽性になる。痺れはじっとしていてもある。

    足首から下の反応点に円皮鍼を4個貼り前屈させると痛みをほとんど感じない。ラセーグを調べると40~50度に改善している。しかし痺れは変化ない。立位で右臀部の硬結2ヶ所に長鍼を打つと痺れが消失した。

    ほとんど患者さんの訴えはよくなったが、はり治療でヘルニアが治った訳ではない。ということは痛みや痺れの原因はヘルニアではないことになる。またぶり返すかも知れないが問題は筋肉にあるので筋性疼痛をコントロールすれば症状はよくなる。しかし麻痺や筋力低下、直腸膀胱障害はヘルニアが原因なのでその治療が必要で外科治療の対象となる。  

  • Posted by へんせき at 23:13Comments(0)運動器疾患

    2010年06月14日

    高幡不動のあじさいまつり

    昨日の日曜日天気も持ちそうだったので久しぶりに高幡不動まで紫陽花の写真を撮りに行った。多摩川沿いを自転車で走ったが片道約45分ちょうどいい運動だ。

    紫陽花は雨が似合うが今年は入梅がおくれて、今日になった。長崎市の花は「あじさい」、シーボルトが愛する女性「お滝さん」にちなみ「オタクサ」と名づけてヨーロッパに伝えた花で沢山の品種がある。いま高幡不動で見られるのは山紫陽花。

    着いたらちょうど1時の護摩修行が始まるところだったので参加し、川島祐勝貫主のお話も聞けた。貫主さまの著書「叱られる幸せ」は子育ての参考になる一冊だ。境内はフリーマーケットで人出も多く、日本拳法奉納大会も行われていた。7月7日までの期間中、写真と俳句の作品募集があり山内八十八ヶ所クイズ巡りも楽しめる。

          

  • Posted by へんせき at 23:24Comments(0)

    2010年06月13日

    授乳中のアレルギー

    昨日は慈恵医大第三病院主催の公開健康セミナーが午後2時から開催されたので診療を早めに切り上げ参加した。演題は「健康長寿のための食事とは」ー食に始まり、食で輝くーで糖尿病・代謝・内分泌内科の横山淳一先生が講演された。私は東洋的な食との対比で興味があったが、会場は満員で少し遅刻した私は別室の森田講堂での聴取になった。

    ご存知ない方も多いと思うが同病院は森田療法(精神科医 故森田正馬先生提唱)の専門施設でもある。さて、横山先生のお話を要約すると ①精白されない穀物 ②オリーブ油 EAP DHA ③パスタ ④緑黄色野菜(βーカロテン)ビタミンC ⑤たんぱく質を上手に摂る地中海型食事を推奨されていた。料理の腕もなかなかのようで独自の料理の紹介もあった。病院食も工夫されているそうだ。

      

    講演も終わりに差し掛かったとき先月腰痛で一度治療した患者さんから治療依頼のメールが入った。会場を出て電話するとアレルギー性の湿疹で痒みが治まらない。皮膚科に行ったが授乳中で充分に薬が使えないので鍼で痒みを抑えて欲しいとのことだった。すぐ来てもらう事にした。

    最初は足首付近だけだったが、今は膝から下、両腕、首まで広がっている。医者の説明によると授乳中は抵抗力が落ちるのであなたは豆類の食品にアレルギーを起こしている。卒乳すればよくなるとのことで内服薬と塗り薬が処方された。3日薬を使っているが改善しないそうだ。

    治療はいまの痒みの状態を本人に自覚させ治療により痒みや皮膚の感覚が変化するか確かめながら副交感神経を抑えるツボに鍼を3回繰り返した。しばらくするとぶり返すことが予想されるのでその時の対処法を指導して治療を終えた。このような急性のアレルギーは数日間は毎日治療すると効果的なので自宅治療が出来ないようなら来院してもらうことにした。  続きを読む

  • Posted by へんせき at 08:11Comments(0)アレルギー

    2010年06月11日

    痺れ(しびれ)の鍼灸治療

    痛みほどではないが痺れの訴えも多い。痺れる部位は手や足が多いが時に顔やお腹のこともある。痺れの表現もいろいろでジーンとする、ピリピリする、触ると他と感覚が違うなどで中には上手く言葉で伝えられないこともある。

    50歳代の男性 2ヶ月くらい前から両手にピリピリした痺れが出てきた左は肘の少し上から指先まで、右は前腕の中央から指先まで。左の方がひどく左の首と肩がとても凝っているとのことだった。10年前に追突されむち打ち症を患っている。

    しびれの原因として神経根症やヘルニア、脊柱管狭窄症が取りざたされるが骨格筋の痛みや痺れの原因はほとんど筋性疼痛(こわばり・凝り・痙攣・スパズム)による。治療は腕や肩の筋肉の凝りをとる治療と痺れを感じる脳への回路を調節する治療を行った。

    3回の治療で痺れの範囲が左は手首から先、右は指先に狭まった。患者さんが悪性の疾患の心配をされていたので念のため松本内科院に画像診断の依頼をした。過去にむち打ちの既往症があるので一度MRI検査をしておけば安心だろう。

      

  • Posted by へんせき at 19:34Comments(0)運動器疾患

    2010年06月10日

    鍼灸治療の保険適用

    昨日の集まりの中で鍼灸治療の健康保険について質問を受けた。私は一部の例外を除いて保険診療をしていない。私の仕事のやり方をご存知の患者さんはその理由をお分かりだが、一般の人は保険治療が普通のなかで何故鍼灸は自由診療なのか疑問を持つのは不思議でない。

    鍼灸の保険適用は幾つかの制約がある。①慢性の痛みの疾患(腰痛・五十肩・頸肩腕症候群・神経痛・リウマチ・慢性膝関節症) ②他の医療機関との併用禁止 ③適用疾患の診断書または同意書を医師からもらう。ここで問題になるのは鍼灸の適応症は広いのに一部しか認められない。腰痛で病院に通いながら鍼灸は併用できない。診断書・同意書を発行しない医師がいる。④保険は一疾患しか認められない。腰痛で治療中頭痛がするとか肩が痛くなったときそれは治療できない。さらに病名をつけられない不定愁訴も多い。鍼灸治療は体全体の調整を主眼にしているので局所一疾患の適用はなじみにくい。

    一回の診療報酬(正式には療養費)は初回2710円 2回目以降1525円。患者さんの本人負担は加入保険によりその1割から3割になる。他所の鍼灸院は知らないが私に限れば1回の治療時間が初診は約90分、2回目以降は約60分かかる。1日7名しか治療できないのでこの療養費では経費も賄えない。ただどうしても保険でしか受診できない方はご相談ください。

    私が原則自由診療なのは上記の理由によるが、あえて現行制度で保険診療を行うと質より数の治療になり、一人ひとりに納得いく治療ができなくなると思う。そうなると結果として私も患者さんも不幸な結果となる。診療費に見合う治療をして患者さんが来てよかったと思われる鍼灸師でありたい。

    鍼灸医療普及のためには診療報酬が引き上げられ、全ての疾患に適用されることを望むが現状の財政状況では望むべくもない。

      

  • Posted by へんせき at 01:24Comments(0)医療情報

    2010年06月09日

    社交ダンスと膝痛

    昨年足低筋膜炎の治療をした60歳代女性が右の膝痛で来院された。五月下旬に痛みと腫れが出たので整形外科を受診した。レントゲンを撮り骨に異常はなく水を抜いてヒアルロン酸の注射をした。治療直後は痛みが幾分楽になったが何が原因かの説明はなかったそうだ。

    治療後3日でまた痛くなり少し腫れも出てきたのではりを試してみたく来院された。この患者さんは社交ダンスの趣味があるのでそのことをお聞きしたら今月20日に検定試験があるのでいつもより沢山練習したそうだ。この場合社交ダンスが原因というより履いているシューズに問題がある。

    練習は8センチのハイヒールでしている。つま先から足首に負担がかかっているので触診してみると外踝の周りに4ヶ所の圧痛がある。膝を内側にひねると痛みがひどくなるのでこの動作を指標に4ヶ所の圧痛点に円皮鍼を貼り再度ひねってみると痛みが半減している。胆経と膀胱経に鍼をして右腰の治療を加え終了した。

    サンダル・スリッパ・長靴・ハイヒールなどの履物が腰痛、膝痛の原因になっていることは少なくない。なぜならこれらの履物は自然な接地が出来なくつま先から下腿にストレスがかかり膝、腰に負担が及ぶようになる。靴選びは体を支える土台になるので慎重にしたい。若い女性は特に気をつけていただきたい。
      

  • Posted by へんせき at 01:20Comments(0)運動器疾患

    2010年06月07日

    どくだみの薬効と副作用

    昨日の日曜は川崎市青少年科学館主催の野草観察会に参加した。私が植物観察に行くのは漢方生薬の勉強を本だけでなく実際の生態を知りたいからだ。いま草むらのいたるところにドクダミの白い花が独特の香りと共に咲き乱れていた。

    ドクダミは別名十薬といい葉や茎を乾燥させてドクダミ茶として一般に販売されている。薬効は利尿・緩下・消炎・排膿などである。しかし薬効があるものは副作用もあるので自分の体に合うか否かちゃんと診断してからでないと返って体調が悪くなる。ドクダミを長期に飲んでいると体が冷えてくる。ドクダミ茶を飲んでいい症状は便秘・おできや吹き出物・蓄膿症など体内に熱があるとき。

    私が子供のころはおできができるとドクダミの葉を火で炙り軟らかくしたものを貼って排膿させた。よく効いた覚えがある。いま皮膚科に行けば抗生物質が処方される思うが、自然のもので対応できればそれに越したことはない。

    鍼灸ではおでき麦粒腫(ものもらい)は手のツボ(二間や合谷)足のツボ(陽陵泉)に多めのお灸をすると半日から一日で排膿して治る。少し熱いがここは我慢だ。

      

  • Posted by へんせき at 21:19Comments(0)医療情報

    2010年06月06日

    うつ病と前立腺炎

    慢性前立腺炎で治療中の50歳代の患者さんに不思議な現象が現れた。この方は半年前から会陰部の鈍痛、鼠径部痛、頻尿などの症状が出て泌尿器科で非細菌性慢性前立腺炎と診断され開業医2軒と大学病院を受診の後ゴールデンウィーク明けに来院された。

    原因は転勤によるストレスと推測された。どうしてストレスが前立腺炎の原因になるのか奇異に思われるかもしれないが、現代医学で治療の決め手がないのは病因がはっきりしないからだろう。鍼灸に対する反応はよく治療後痛みは軽くなると言う。5月22日までに3回治療した。完治するか不明だがこの分なら週1回程度の治療を続ければ何とかなるだろうとの感触を得ていた。

    その後都合がつかず昨日の来院になった。治療室に入って来られた姿を見て一瞬別人かと思った。今まで小奇麗なさっぱりした方が無精ひげを生やし髪もぼさぼさでこの2週間の間に何かあったことを推測させた。聞けば会社で精神的にストレスを受け不眠がちになり会社の産業医に相談したら精神科を紹介された。受診したところ単刀直入にうつ病と言われそれがとてもショックだったそうだ。

    抗うつ剤(SNRI)眠睡導入剤抗不安剤を処方され5日間飲んでいるが気分が落ち込んでいるとのことだ。しかしうつ病と言われて以来あれほど気になっていた前立腺の症状は消失した。現在うつ病はDSM-Ⅳという基準で診断されるが抗うつ薬がよく効くのは大うつ病性障害に分類されるタイプで薬が効き始める迄2~3週間かかる。この方に薬が効くかどうかはもうしばらく経過を見なければならない。

    きょうは前立腺の治療はさて置き、気分が楽になる治療を優先し生活面で気をつけることをお話し、自宅でやるお灸のツボを指導した。夜本人から電話があった。治療の後少し体を動かしたい気持ちになり一駅手前から歩いて帰り、その後久しぶりにプールに行きゆっくり20分泳いできた。今お灸をしたところだがとても気分が落ち着きゆったりしているとのことだ。

    うつ病の薬を飲んでいつまでも症状が改善しない時は、自分はどのタイプのうつ病なのか、薬の効果はどうなのか医師に尋ねることをお勧めする。一般的にうつ病に鍼灸治療を考える人は多くないが今までの経験では気分が楽になるのは確かなようだ。





      

  • Posted by へんせき at 08:27Comments(0)脳・精神・神経

    2010年06月04日

    鍼灸院の見分け方

    国民の中で鍼灸治療を経験した人はとても少なくわずかに2~3%位と推察する。多くの人は鍼灸という言葉は知っていても「熱い、痛い、怖い」というイメージが先行して何だか敷居が高いということではないだろうか。

    近年パソコンが普及してインターネットでの情報入手が簡単に出来るが実際治療をうけるにあたってはホームページの情報を鵜呑みにせず正しい情報を取捨選択できる目が必要だ。ではどんな鍼灸院(鍼灸師)を選べばいいのか。

    一言でいえば患者側に立った治療をしているか否かだ。患者さんのために知識を得、技術を磨かなければならない。鍼灸は感性、技術において鍼灸師の個人差が結果に反映される。また人間相手だからコミュニケーション能力も求められる。治療すべてが満足いかない事もあるがその時どんな対応がされるかは判断の材料になる。3ヶ月ほど前に膝の痛みで往診した女性は改善しないのに週5回1年間接骨院に通院されていた。患者さんのことを考えればもっと早くしかるべきところを紹介すべきだ。

    今週は新患が4名来院された。2名は鍼灸未経験、自律神経失調症急性腰痛症。お一人は20年前の頚椎脊柱管狭窄症の手術の後遺症で色々な治療を試した人、もうお一人は友人からの紹介で他院からの転院。鍼灸の底辺を広げるためには意を決して来院された方に来てよかったとの思いで帰っていただくのが最良の方法だ。

    写真は昨日のめぐさんのブログで紹介された神代植物公園のバラです。今日時間が取れたので行ってきました。
      

  • Posted by へんせき at 21:32Comments(3)医療情報

    2010年06月03日

    ピロリ菌除菌

    膝関節症で治療中の60歳代女性からこの1週間くらいほぼ毎日朝食の後と夕食前に胃に痛みを感じるが何が原因か尋ねられた。薬の副作用、胃炎、潰瘍など考えられるが確定できない。しかし自律神経が関与しているのは間違いない。

    この女性は元来胃腸は丈夫で食欲旺盛でお酒もいける口である。しかし2ヶ月前の胃内視鏡検査で表在性胃炎と診断されピロリ菌陽性であった。そこで除菌治療を受け1ヶ月後の検査では除菌失敗で、さらに二次除菌を終え一ヶ月後の検査待ちである。

    胃酸が関係しているようだが検査待ちの状態であるので勝手に薬を飲まず担当の医者を受診するようにお話した。ピロリ菌は胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃がんの原因と言われているが、検査した人の話を聞くと一概に胃の自覚症状と一致していないようだ。

    胃の症状がない人にも陽性があり、いつも胃の不調を訴えていても陰性の人もいる。除菌治療をしてすっかり症状が無くなる人もいればそうでない人もいる。陽性なら除菌が標準治療だが保険治療には制限がある。

    鍼灸治療では胃の動きが悪くて症状が出ているのか、胃が動きすぎての症状かにより治療方法を変える。この患者さんは胃酸が出過ぎていると想定して治療した。悪性のものを除外した上であるが足の三里の灸や背中のツボ6ヶ所にお灸をすえる胃の六つ灸は家庭でも出来る胃の健康法だ。  

  • Posted by へんせき at 01:17Comments(0)胃腸・消化器

    2010年06月01日

    鍼灸治療へのお尋ね

    先日の懇親会のとき同席した方々から鍼灸治療に関して幾つかの質問を受けた。お話をしながら一般の方の鍼灸に対する認識が私の思っているレベルと差がありこの差を埋めることすなわち意識改革が鍼灸の普及につながると感じた。

    質問その① 私のブログを読むと鍼灸の適応は肩こりと腰痛以外にも沢山あるようだが本当に効くのか? 感染症や外科的な手術が必要のもの以外は適応だが、日本の医療状況では第一選択で医師の診療を受けるのが普通だろう。一般的治療で上手く行かない時や薬の副作用がある時などは相談して欲しい。

    質問その② 衛生面は大丈夫か? 20年以上昔は鍼の管理や消毒に問題がある治療所が散見されたが、現在はディスポーザブルの鍼と高圧滅菌器の設置が普通になっている。保健所の指導もそのようになっているので肝炎やエイズの感染は心配ない。受診前に確認されるといい。

    質問その③ 健康保険の適用はあるのか? 腰痛・五十肩・頸肩腕症候群・神経痛・リウマチ・などの慢性の疼痛を主とする疾患で医師の診断書または同意書がある場合に適応される。ただ診療報酬の問題で保険だけでは充分な診療が出来ないのが実情だ。

    質問その④ どこに行けば安心して質の高い治療を受けられるか? 外観やホームページだけでは分からない。治療の前提に信頼関係が必要。治療を受ける前によく話をして相手の人柄と知識を判断し、信頼できそうなら一度治療を受け効果と治療後の説明に納得したら続けていいだろう。

    写真は先週帰省した時に行った長崎医療センターのドクターヘリです。長崎県は離島が多く以前は急患が出たら自衛隊のへりが出動していました。鍼灸師がドクターヘリに乗ることはありませんが、救急時に使うツボはあります。(クリックすると大きくなります。)
      

  • Posted by へんせき at 21:43Comments(2)医療情報