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2020年10月30日

寿命を延ばす運動は何か?

今日は体を動かすには絶好の秋晴れだった。中高年数名でやっている週一回のテニスを楽しんできた。メンバーの一人から二年前の週刊ダイヤモンドの記事のコピーをいただいた。

内容はスポーツの種類によって延命効果が異なるとのデンマーク・コペンハーゲン市民を対象にした大規模疫学調査のデータ。調査の概要は1991年1月~1994年9月に登録した二万人のうち余暇にスポーツを楽しんでいる8577人の25年間のデータを抽出しスポーツと寿命との関連を解析した。

対象種目は①ジムでのフィットネス(トレッドミルなどの器具を使った有酸素運動やウエートトレーニング)、②自重による筋トレや体操ーいわゆる徒手体操、③ジョギング、④水泳、⑤サイクリング、⑥サッカー、⑦バトミントン、⑧テニスの八種目。

その結果テニスをしていた人の平均寿命は運動不足の人たちよりも平均9・7年長くなったことが判明した。テニスの次はバトミントンで、平均6・2年、次いでサッカー4・7年だった。以下サイクリング3・7年、水泳3・4年、ジョギング3・2年、徒手体操3・1年と続く。意外なことにフィットネスは8種目中最も長い時間運動されているにもかかわらず1・5年だった。

これをどう考えるか。上位の種目はいずれも複数人で行うもので社会的な交流を伴う。そのことが社会的幸福感や精神的な安定感を与え寿命に寄与したのではないか。またテニスやバトミントンは高強度のパフォーマンスと不完全休息を交互に取る「高強度インターバルトレーニング」の要素があり、最大酸素摂取量を上げ全身の持久力を鍛えたのではないか。

孤独と運動不足は明らかな短命リスクである。今は運動をやるには一番いい時期、これから何か始めようと思っている方の参考になれば幸いである。

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  • Posted by へんせき at 00:39Comments(0)医療情報

    2017年12月30日

    耳の症状が多かった今年の治療

    今日今年の治療を終了しました。今年は何だか難聴や耳鳴りの耳の治療がいつもより多かったようだ。最後の患者さんも3年前からの耳鳴り、それから数軒の耳鼻科、2軒の鍼灸院に通って、現在2軒目の鍼灸院に1年半通院中だが変化がないとのこと。

    最初は右耳鳴りだけだったが今は両耳の耳鳴りで、聴力も最初は両方とも30㏈以上で聞こえていたが今は両耳とも40㏈以下で高音域は65㏈以下。今年5月からは補聴器と着けて練習中とのこと。

    他の症状としては息が深く吸えない。血圧が高くなることがある。LDLコレステロールが200以上と高い。肩と肩甲骨の間が凝って苦しいなどがある。患者さんには時間が経ったり、年齢的な耳鳴り難聴は治りにくい旨お話しして治療を始める。

    先ずは血圧と肩こりの治療で耳の症状に変化があるかどうか。血圧を測ると162/81mmHgと高い。H3H1井穴刺絡で呼吸が少し楽になる。お臍の左に圧痛があるので左F3、圧痛なくなる。交感神経抑制にF4H6井穴刺絡の後百会刺絡をして血圧を測ると143/79mmHgとすこしさがって、肩こりもだいぶ楽になっている。

    耳の症状なのでH5井穴刺絡をして治療終了。耳鳴りも最初の半分くらいになったそうでこんなに早く変化が出るのかと尋ねられた。完治は無理にしても変化するので年明けの予約をして帰られた。

    私事だが週に1~2回の筋トレを始めて2年少し経った。先日特定検診で前年比 腹囲±0、体重+1.5kg。自覚として上腕と胸囲が増えたような気がする。仕事柄意識しないと運動不足になるので無理のない範囲で有酸素運動と筋トレ(インナーマッスルも含め)を来年も続けて行きたい。


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  • Posted by へんせき at 18:41Comments(0)医療情報

    2016年10月13日

    麻酔の日 華岡青洲の業績

    「今日は何の日」のサイトを見ていたら今日10月13日は、日本麻酔科学会が1804年の今日 華岡青洲が麻酔薬「麻沸湯」による全身麻酔で世界初の乳癌摘出手術を成功させたことを記念して制定した「麻酔の日」とのこと。

    華岡青洲は小説家有吉佐和子の「華岡青洲の妻」がベストセラーになったことで一躍有名になった江戸時代後期の医者。彼の医学の特徴は内科(漢方医学)と外科(オランダ医学)を区別せず、有効なものは積極的に取り入れた。十味敗毒湯や紫雲膏は彼が作った薬で今でもよく使われている。

    麻沸湯完成の苦労は小説にも書かれているが、後日乳癌手術に多大な影響を与えた著述が医聖永富独嘯菴の「漫遊雑記」でその中に乳癌治療法の記述がある。その一文を紹介する。「乳岩、治せざる、古より然り。而れども、和蘭書中、言はるることあり曰く、其の初発、梅核の如くなるの時、快刀をもつて、これを割き、後、金瘡の法に従つてこれを治す。斯の言味いあり、余いまだこれを試みずと雖も書してもつて後人に告ぐ。」

    現代多様な外科手術が可能になったのは麻酔技術の進歩があればこそ。時には古書を読み先人の遺徳を忍びたいものだ。


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  • Posted by へんせき at 23:55Comments(0)医療情報

    2012年01月25日

    腰痛は万病の元

    鍼灸院で取り扱う疾患で一番多いのが腰痛であり、腰痛の患者さんを一人も診ない日はない。腰は体の中心にありここの不調をそのままにしていると、やがてその不調は腰だけに留まらず背中、肩、首、頭、膝、足へと波及していく。腰は読んで字の如く肉体の要である。

    腰痛の程度や症状は各人各様で当然治療は患者さんごとのオーダーメイド治療でなければいけない。腰痛の原因は腰部椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄、圧迫骨折など原因がはっきりしているものより原因不明とされるものが約85%と圧倒的に多い。

    この原因不明の腰痛に対して現代医学が打てる手は限られている。また厄介なことに画像診断でヘルニアが認められてもそれが痛みの原因かどうかは確定できない。ヘルニアを手術で取り除いても痛みが変わらない人もいるし、ヘルニアがあっても痛みを感じない人もいる。治療は体に負担が少ないものから試していくべきだろう。

    ただ稀ではあるが(1%)命に関わる腰痛もある。その代表が腫瘍性の腰痛で内臓の癌からの反射痛やがんの骨転移によるものだ。今までに膵臓がん、腎臓がんによる腰痛や乳がんや前立腺がんから骨転移した腰痛を経験したが、2~3回治療してみると何か普通の腰痛とは違うものを感じ全例病院での精査を勧めた。

    しかし、ほとんどの腰痛は急性も慢性も鍼灸治療適応である。腰痛は特別な治療をしなくても痛みが治まることも多いが、体のアンバランスは放置しない方がいい。腰痛も体への警告のひとつと考えるべきだ。さらに仮面うつ病、自律神経失調症、LOH症候群など精神やホルモンが関与している腰痛もあるので総合的な診断、治療、相談ができる医療機関を選ぶ必要がある。

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  • Posted by へんせき at 23:56Comments(0)医療情報

    2011年04月08日

    低線量でも注意したい放射線被曝

    原発事故は長期化するとの報道である。放射能汚染は色もにおいもなく、急性障害がなければ実感が伴わないが、こうしている間にも空気、水、大地を汚染し続けている。マスコミに出る専門家や政府は口を開けば「ただちに健康に被害はない」というだけで根拠は示さない。

    この数日NHKの報道が変わってきた。以前は「1年に100mSvまで安全」と言っていたが「一般人の安全な被曝量は1年に1mSv」と言うようになった。やっと正しい数字を報道するようになった。1年100mSvとは100人被曝すると将来0.5~1人発がんリスクが増える量である。

    それをどのように評価するか。安全という専門家は被曝がなくても100人のうち50人は癌にかかる。それが0.5~1人増えても大差ないと考えているのだろう。しかし日本の人口12000万人に当てはめると60から120万人癌が増えることになり決して無視できる数字ではない。

    放射線による健康被害は「ただちに症状が表れる急性障害」「数ヶ月から数十年後に表れる晩発障害」がある。年100mSv以下の低線量被曝でもリスクがあることは知らせしっかりした対策を立てるべきではないだろうか。

    ICRP(国際放射線防護委員会)は1990年に一般人の線量限度を年1mSvと勧告した。我々はこの数字をもとに自らの放射線対策を考えた方がいいと思う。放射線量が分かるホームページや風向きが分かる気象庁のホームページを参考にするといい。年1mSvとは1時間になおすと概ね0.1μSv。年齢、性別、外出時間、内部被曝量なども考慮されるべきだがとりあえずは1時間0.1μSvと覚えておこう。

    放射線被曝に関心もたれた今、医療被曝も考えてみたい。日本はCT機器が世界で一番普及している国で無駄な検査も多いと聞く。適切な医療のために必要な検査はやるべきだがCTは被ばく線量が多いのでむやみにやるべきでなく、リスクと利益をよく考えてするべきだ。厳密に医療被曝を管理するには「お薬手帳」に準じて「医療被曝手帳」を自分で作り放射線検査を受けた場合に、医師や技師に線量を記入してもらうようする。子供にはぜひやっていただきたい。

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  • Posted by へんせき at 00:02Comments(0)医療情報

    2011年03月27日

    低体温と冷え性

    連日の震災報道と原発事故報道。先ほどBS11で「新党日本の田中康夫氏」による「南相馬市長、桜井勝延氏」へのインタビューを見たがマスメディアはどれだけ正確に被災地の実情を伝えているのか疑問に感じた。

    被災地とは比べようもないが調布でも水や停電で若干混乱が起こっているようだ。どちらも東電と政府の対応の拙さに起因している。東電は21日時点で桜井市長に電話一本よこすこともなく、清水社長はメディアに1回出ただけ、勝俣会長にいたっては雲隠れしたままである。

    このような体質の企業であるせいか不公平停電の改善を要望しても的を得ない回答であったので、先日調布市と狛江市の担当者に市として東電に要望するよう申し入れをした。私の職場は計画停電対象地区だが、住居は対象外だ。しかし道路一本先は停電で、何とも気が引ける。少しずつ皆で負担すべきだろう。

    さて、平熱が低い人が増えている。子供は大人より高いのが普通だが最近は36℃に満たない子供もいる。女性に冷え性の人が多いが、低体温と冷え性は違う。冷え性は熱の放散を防ぐ為に末梢血管が収縮して中枢部の機能を守ろうとする生体反応だが、低体温は体内に熱を作る力がない状態である。

    現代医学はどちらかといえば発熱を重視するが、鍼灸や漢方は熱を作る力があるかどうかを重視する医学である。子供や男性にまで低体温の人が増えたのは生活環境の変化が大きい。交通機関の発達、電化製品の進歩により体を使わなくなった。新陳代謝が低下し、ストレスによる自律神経の乱れも関係している。

    平熱が低いと、血行が悪くなり免疫力が落ちる。体の隅々まで必要な栄養が行かなくなるので病気に罹りやすくなる。アレルギー疾患のある人は低体温の傾向がみられる。私は問診で低体温が予想される方は治療の前に検温している。体温は深部体温が重要なので少し時間はかかるが水銀の体温計で最低10分計る。デジタル式は早く計れて便利だが予測式なので精度が劣る。

    週に1回の治療を2ヶ月続けている20歳代の男性。主訴は体がだるく、朝起きられない、風邪をよくひくなどであるが、平熱が35度前半であった。治療は手足の刺絡と背部のお灸。最近は36℃まで体温が上がってきた。自宅でお灸をするとともに ①筋トレとウォーキング ②ややぬるめ風呂にじっくり入る ③体温を上げる食材を心がけ栄養バランスをとるを実行している。目標は36.5℃。

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  • Posted by へんせき at 02:16Comments(0)医療情報

    2011年03月05日

    小児予防接種の相談

    一歳児の母親。小児はり治療が終わった後、これから子供にいろいろな予防接種をしなければならないが安全性に一抹の不安がある。どう考えたらいいのかお尋ねがあった。接種したほうがいいと分かっていても、「予防接種後に乳幼児4名死亡」というような報道に触れると二の足を踏む気持ちももっともだ。

    日本は医療先進国と思われているが、こと予防接種に関してはとても遅れている。ポリオワクチンはいまだに生ワクチンが主流だし、海外では当然定期接種されているものが日本では任意接種で子供にどのようなスケジュールで接種していけばいいのか親がひとりでは決めることが難しい。接種方法も海外の筋肉注射に対して皮下注射。

    VPD(ワクチンで防げる病気)に罹ると「麻疹やおたふくかぜ」のようなよく知られた病気でも重い後遺症が残る場合がある。現在の日本では感染症の脅威が昔に比べ減っているが、もし予防接種がなくなったら多くの命が失われ、多くの人が後遺症に苦しむことは明らかだ。医療が進歩した現在でもVDPに罹ると根本的な治療法はない場合も多い。

    100%安全な医療はないが、ワクチンは他の医薬品より安全性は確立されている。世界中で多くの人に使用され接種後の調査がこれほど徹底されているものはないだろう。副反応としては接種したところが赤くなる、少し熱が出る程度の軽いもので、ワクチン接種しないで重症化した場合の危険性とは比べるべくもない。

    接種時の体調、アレルギー、使っている薬などをチェックし、主治医とよく相談して安心して受ければいいと思う。3月1日から7日までは「子ども予防接種週間」、今の予防接種法は昭和23年に成立したもので現状に充分対応できていない。子供手当ての現金支給より子ども予防接種の充実を含め子供の将来を考えた使い道があると思う。

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  • Posted by へんせき at 23:05Comments(0)医療情報

    2010年12月29日

    たんぽぽ針灸院の一年

    29日で今年の診療を終了した。今年は2月下旬から「たまりば」のブログで私が「たんぽぽ針灸院」でやっている診療の様子や鍼灸適応症例をお知らせすることが出来た。またこのブログをご覧になりお問い合わせ頂いたり、実際ご来院いただいた方も多かった。

    ご来院いただいた方に鍼灸未体験の30~40歳代の女性が多かったのは、まだまだマイナーな存在の鍼灸治療ではあるが将来への明るい兆しの感を抱いた。前回の「逆子のお灸」で紹介した患者さんも鍼灸未体験であったが、治療の翌日自宅で一回お灸をしてその次の日の検診でエコー検査により逆子が直っているのを確認した。4週間逆子だったのが2回のお灸で直り、嬉しくて検診の帰りに電話を下さった。

    今後出産までにむくみ、血圧変動、腰痛、陣痛促進などに鍼灸治療が係れる。また出産後の体力回復、母乳の出をよくすることにも効果がある。鍼灸治療はツボやドーゼを間違わなければ副作用がない安全な治療で一生を通じて家族の健康をサポートできる。私は先ず母親である女性に家庭で出来る「お灸と円皮針」の治療を覚えて欲しいと思っている。今は治療の後、個人的に教えているが来年は少人数の講習会を計画している。知識、技術の研鑽を怠らず地道な活動により鍼灸の底辺を広げていきたい。そのことにより鍼灸ファンが一人でも増えれば望外の喜びである。

    今年最後の患者さんは11月30日に大学病院で膝の人工関節置換手術を受け3週間後に退院されリハビリ中の60歳代女性であった。筋力の回復はリハビリでしか出来ないが、疲れた筋肉の回復や血行促進には鍼灸は効果的でリハビリ単独より早くよくなる。患部はまだ熱を持っていたが井穴刺絡で対処した。

    新年は1月7日より診療開始で、それまでブログもお休みします。

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  • Posted by へんせき at 23:09Comments(2)医療情報

    2010年12月12日

    家庭で出来る灸療法

    前回の記事に対して「お灸って、本当に色んな症状にきくんですね!」というコメントをいただいた。一つまみの艾があれば薬の代わりにとても重宝します。

    簡単なところでは切り傷、擦り傷。最近は湿潤療法が推奨されているが、艾には殺菌作用があるので傷口に貼っておくといい。子供のころ野外で怪我をしたときは「ヨモギ」の葉を揉んで傷口に当てていた。艾の原材料はヨモギだ。

    風邪の季節だが「くしゃみ3回風門の灸」といって、風邪の引き初めに首の後のツボに灸をすえるとひどくならずに済む。この時期の風邪は傷寒なので葛根湯と併用すると効果大である。

    「生カキ」が美味しい時期である。今は細菌検査をして出荷されているので食あたりも無いと思うが何せ生もの。抵抗力が落ちているような時は危ない。20数年前鍼灸学生のとき「生かき」に中った。腹痛、発熱、下痢で苦しんだが「裏内庭」に灸をした。最初熱さを感じなかった。20壮ぐらい続けて熱を感じてきた。さらに熱が芯に通るまで続けたら腹痛が楽になってきた。その後眠ることが出来、翌日は通学出来た。

    下痢の時、艾を食べることを勧める同僚がいる。一理あると思う。「にきび」や「おでき」に艾を貼ることも効果がある。消炎、殺菌作用のためだと思う。太乙膏を塗りその上に艾を乗せ絆創膏で一晩留めておくと翌朝小さくなっている。合谷の灸と併用するといい。

    時期外れだが、蚊に刺された時は刺し口に細く捻った艾を1壮すえると痒くならない。艾を細く捻るのは慣れないと難しいが、二枚のコルクのコースターの間に少量の艾をはさみ軽く圧しながら転がすと細長く捻ることが出来る。これを小さくちぎり形を整えすえるといい。

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  • Posted by へんせき at 07:34Comments(0)医療情報

    2010年09月27日

    関節痛に対するサプリメントの有効性

    膝関節、股関節、肩関節など関節痛に悩んでいる方は多い。医療を受けても痛みが長期に及ぶとテレビCMで盛んに宣伝しているサプリメント(健康補助食品)を試してみようと思う気持ちも理解できる。サプリに関してはよく患者さんから相談を受ける。

    関節痛でよく利用されているサプリはコンドロイチンとグルコサミンだが、今回大規模研究で患者の疼痛緩和という点で臨床的に意義ある有益性は認められなかったとの報告が出た。

    ただし、使用者が効果があると感じている場合(ブラセボ効果や疾患の自然経過で改善)は有害であるとのエビデンスもないので積極的に止めることもないとしている。ただ費用の面では問題が残る。

    私がもっと気になっているサプリメントは癌に効果があると宣伝されているアガリクス、メシマコブなどのキノコ製品だ。これらに抗がん作用があるとの大規模研究報告はなされていない。これらの製品を効くと信じて使用することは適切な医療の機会を失うことにもつながる。

    ある治療をして一向に効果が出ない時は漫然と治療を続けず見直すことが必要だが、その際症状や治療法をよく検討して出来れば専門家のアドバイスも受けて進めてほしい。

      

  • Posted by へんせき at 23:11Comments(0)医療情報

    2010年09月12日

    テレビ断食の日

    普段の食べすぎを反省するとともに、疲れた内臓の休息のため週末に一日断食やプチ断食をすることは体のために喜ばしい。

    同時に精神の休息のためにテレビを見ない日を1日作るとテレビによってどれだけ精神の集中が乱され時間が無駄に使われているか実感する。

    先日に鍼の研究会で思いがけなく市川市から参加された堀切博昭先生と面識を得た。堀切先生とは初対面であったが故森信三先生から直接教えを受け、その教えを人生の指針とされている。私は残念ながら森信三先生とお会いする機会を得なかったが先生の著作から多くのものを学んだ。

    森信三先生の著作は膨大で全てを読みきるのは大変だが関心ある方は「修身教授録」「幻の講話」「人生二度なし」などは是非読んで欲しい。また森先生は多くの名言・箴言を残されているが、そのひとつを紹介したい。

    「テレビを見ない日をつくるということは、欲望をどこまで遮断できるかどうかという精神力のものさしの一つになる」 先ずは週1日のテレビ断食を勧められている。そして読書を勧められている。「読書は『精神の食物』であるから、精神の食物が欲しくなくなったとしたら、その人はもはや精神的には瀕死の病人といってよい」

    近年はテレビだけでなくインターネットも諸刃の剣どう利用するかも考えなければいけない。数日前、堀切先生からお葉書をいただいた。そこに「一日は一生の縮図なり」と書き添えられていた。これも森信三先生のお言葉だ。  

  • Posted by へんせき at 19:28Comments(1)医療情報

    2010年08月30日

    研究会に参加して

    昨日は四ヶ月に1回開催される研究会に参加し、私も症例発表の場を与えられた。参加者は50名くらいの小さな集まりだが私にとっては、全国規模の学会などより得るものがずっと大きい。理由は参加者の熱意と臨床に即していること。印象に残った発表を幾つか紹介したい。

    両肩の五十肩。右は慢性期、左は急性期の五十肩治療を手順と経過を細かく報告されていた。整形外科では五十肩はやがて治る疾患として痛みに対して積極的な治療をしない。その間患者は痛みに悩まされる。患者さんは痛みを何とかして欲しいはずだ。

    筋萎縮性側索硬化症(ALS)の関節拘縮を目的にした治療。ALSは難病だ。人工呼吸器、胃ろう、膀胱留置カテーテルの患者さんに対し週3回の訪問治療で硬縮が改善し、着替えや入浴介助が楽になった。

    片頭痛が手足2穴づつの治療でその場で痛みが寛解した2症例。片頭痛は痛くなると薬が効かず痛みが引くのをじっと待つしかない。発症1日以内に治療すれば著効が得られるだろう。

    不眠症の治療。不眠でなやむ人は多い。今の薬は安全というが習慣性と依存性は残っている。不眠の原因は様々だが鍼の効能を生かせる分野だ。

    ⑤「ツボの位置はどこだろう?」のテーマで足の肝経・太敦の臨床的な取穴。体性神経の調整と自律神経の調整では効く位置が違うという興味深い発表。これはさっそく追試しなければと思った。

    さらに実技治療として会場からモデルを募った。モデルとなられた方は坐骨神経痛様の痛みで杖をついて前に出られた。鎮痛の為医療用麻薬を貼付されていた。この痛みをとるのはかなり難しいと思い見ていたが右足6ヶ所治療したらはっきり痛みが軽減し、最初は訴えていなかった左の痛みを感じられるようになった。モデルさん以上に私たちが驚いた。

    昨日の勉強を今日からの治療に生かして行きたい。  

  • Posted by へんせき at 22:31Comments(0)医療情報

    2010年08月28日

    気海丹田の修養

    丹田というのは臍の下1寸5分、経穴名では気海にあたる。お釈迦様以来連綿と続いている座禅の数息観はこの丹田に意識を置き呼吸を数える方法だ。

    古来、気海丹田の重要性は「白隠禅師の内観法」「平田篤胤の気海丹田法」「貝原益軒の養生訓」「肥田春充の聖中心」などに述べられ、いずれも丹田に力を集中して腹で息をすることが基本になっている。

    丹田の修養というと哲学的な意味合いもあるがやり方は簡単なので誰でもできる。しかしなんでもそうだが続けることが難しい。人間はいつでも頭が冷静で足が温かくないと精神の動揺を防ぐことが出来ない。

    精神力が肉体に及ぼす力は偉大で、これが病気の回復や健康の維持に影響する。思うに呼吸で丹田を練ることにより自律神経を調整できるのであろう。血液循環の不良、胃腸が弱い、冷え性などにはぜひ試して欲しい。

    同時に気海にお灸をしばらく続けてみると体調がよくなると思う。今はせんねん灸など簡単にできるお灸が市販されて便利になったが続けるには根気がいる。  

  • Posted by へんせき at 23:21Comments(0)医療情報

    2010年08月20日

    いろいろな肥満と対応

    肥満に幾つかのタイプがある。一番多いのは食べすぎで運動不足。この対策は理屈としては簡単だが、摂取カロリーを制限して運動を続けることはなかなか大変だ。しかし真剣に取り組めば得るものは大きい。

    女性に多いのがBMIは標準値だが太っていると思い込んでいるタイプ。これは医学的には問題なく主観の問題で偏ったダイエットなどすると貧血、骨密度の低下、不妊の原因など後々禍根を残す。軽い筋トレと有酸素運動で少し体を引き締めれば充分だ。

    BMIや体脂肪率が高く病気の原因になっている場合は医学的な対応が必要だ。膝痛、腰痛、高血圧、糖尿病、脳血管障害などいずれも標準体重の維持が望まれる。食事管理、運動、治療の3本立てで減量計画を立て地道に取り組まなければならない。体のバランスをいかにとるかが問題で、安易に薬で痩せようとするのは副作用が心配だ。

    病気の治療のため薬を飲んでいる時、その薬のため食欲が増し肥満の原因になっていることがある。ステロイド剤や向精神薬などがその代表だ。ほとんどの場合薬を中止することはできない。このような時鍼灸を効果的に使い薬の量を減らせれば肥満対策の一手段になる。  

  • Posted by へんせき at 22:46Comments(2)医療情報

    2010年08月15日

    難病治療と鍼灸

    「難病治療をやっているか」との問い合わせがあった。難病とは医学的な定義は無く、そのときの医学水準により変化する。一般的には「不治の病」のイメージがあるが今は130の疾患が指定されている。

    その中には生命予後がいいものもあれば悪いものもある。また同じ病気でも個人差が大きく経過も一人ひとり違う。この種の病気は専門機関で専門家のもとで治療するのが基本であるが、中には鍼灸治療を併用していい結果を得るものもある。

    130の疾患のうち私が診たことがあるのはほんの一部だが、潰瘍性大腸炎、シェーグレン症候群、SLE、突発性難聴、メニエール病、多発性筋炎は試してみる価値があると思う。パーキンソン病はいいとも悪いとも言えない。ALSは効果がなかった。

    難病ではないがアトピー性皮膚炎、慢性前立腺炎、耳鳴り、めまい、腱鞘炎、下痢、頭痛など一般的な病気でもすっきり治らない方が沢山いらっしゃる。同じ病名でもその性質は一様ではないのでよく見極め自分に合った治療法を選択する必要がある。  

  • Posted by へんせき at 00:53Comments(0)医療情報

    2010年07月27日

    長崎から始まった医学

    鎖国の江戸時代、日本で唯一外国に門戸を開いていた長崎。長崎の港に西洋医学(オランダ医学)が伝えられやがて全国に広がっていく。もっとも有名な人物はシーボルトだが、個人的にはポンペの果たした役割は大きかったと思う。興味のある方は長崎大学付属図書館医学分館の資料をご覧ください。



    長崎の港は7月22日から26日まで長崎帆船まつりで賑わった。軍艦島上陸クルーズの途中、入港中のロシアの帆船2隻とすれ違った。軍艦島(正式名称 端島)は1974年炭鉱の閉山で無人島となったが昨年4月から一部上陸が可能となった。



    クルーズから戻ると港には7隻の帆船が接岸していて、日本丸、海王丸、ロシアのパラダ、ナジェジュダの他「竜馬伝」で咸臨丸に変身した観光丸も近くで見ることが出来た。



    皮肉なことに西洋医学が広まるにつれ鍼灸や漢方は片隅に追いやられることになるのだが、決して絶えることなく現在に至るまで命脈を保っている。古典を学ぶとそこに本質的な真理を感じる。病気の方や体調が悪い方に病院とは違うフォローが出来れば医療人として幸いである。  

  • Posted by へんせき at 23:25Comments(0)医療情報

    2010年07月25日

    夏バテ予防の灸

    長崎は「竜馬伝」で盛り上がっていた。先週18日放送の第29回から舞台が長崎に移った。ドラマは岩崎弥太郎の語りで進む。先週は明治15年、弥太郎はすでに巨大海運会社を築き老舗の三井、住友と肩を並べるまでになっていたが、胃の具合が悪く灸治療を受けながらの回想であった。背中の膀胱経に沢山の隔物灸(生姜やニンニクをスライスしてその上に荒い艾を乗せる)をすえていた。

    弥太郎は後藤象二郎の推挙で大政奉還の半年前長崎土佐商会に赴任し、それが将来の三菱の創業につながっていく。そのころ竜馬は亀山社中をつくり薩長同盟を成立させていた。弥太郎は竜馬以上に長崎にとって縁の深い人物かもしれない。弥太郎は明治18年まだ50歳の若さで胃がんのため生涯を閉じた。原因はストレスと「斗酒なお辞せず」の酒のせいだと言われている。

    東京は4日連続の猛暑日で上手に水分摂取しなければ熱中症になる。しかし、冷たい飲み物を取りすぎると胃腸の機能が低下し夏バテの原因になる。冷たいものが胃に入ると吸収する為には体から熱を奪う。奪われた熱を補充できればいいが、胃が冷えていると熱の元になる食べ物を消化・吸収できず、やがて夏バテとなる。

    夏バテになりやすい人は、先ず胃の調子を整えることが肝要だ。幾つかツボを紹介するので自宅でせんねん灸やカマヤミニを据えてみてはどうでしょう。ツボの位置は簡単な本を買うか、鍼灸師にお尋ね下さい。天枢、中脘、足の三里、陰白、厲兌、「六華の灸」と呼ばれる膈兪・肝兪・脾兪。また頭頂部の百会に素焼きの鉢を乗せその上で艾を燃やす夏バテ予防の灸もある。



      

  • Posted by へんせき at 23:13Comments(0)医療情報

    2010年07月24日

    90歳でも現役・女性あん摩師

    どの分野にもすごい人がいる。昨日お会いした女性あん摩師にも驚いた。この方は御年90歳いまも現役で仕事をされている。昭和18年から始め現在も一人90分間丁寧なあん摩をなされている。このような方の施術は向学のために受けて学ばなければいけない。

    最近巷で目立つのはリラクレーションをうたい文句にしたマッサージだ。しかし7月5日のブログでも紹介したがほとんど人目に付くことも無いがすばらしい手技療法の持ち主が存在する。技術的には軽擦法と揉捏法がすばらしく所々強い圧がかかるが、後になってそこがもみ返しで痛くなることはない。軽擦法の手技が上手い為だ。

    鍼灸治療をする時いきなり鍼、灸をすることはない。脈を診る、お腹を診る、経絡を調べる、ツボを探す等の手順を踏む。全て患者さんに触れることが基本になる。この時、治療家に相応しい「手」が出来ていないと正確な情報を得ることが出来ず、患者さんには触られることによる不快感を与えることになる。

    ここに鍼灸治療でも手技療法を学ぶ意義がある。現在、鍼灸師国家試験に合格すると誰でも治療行為ができるが、徒弟制度の時代は一定期間手技療法を経験しないと鍼を打つことは許されなかったそうだ。感覚を磨くこと、そこから得られる情報を治療に結びつける知識どちらも現在の鍼灸師に求められる重要な要素だ。





      

  • Posted by へんせき at 10:11Comments(0)医療情報

    2010年07月09日

    円皮鍼で広がる鍼の世界

    昨日、港区で手技療法加圧トレーニングジムを開設されている方が鍼治療の体験に来院された。この先生は鍼師・灸師・あん摩マッサージ指圧師の国家資格をお持ちで開業8年目になるそうだ。

    鍼師・灸師の免許を所持しているにも係らず今まではり灸で患者さんを治療したことがないとのこと。理由は鍼灸専門学校1年目の授業の時からどうしても鍼の効能を信じられず、自分で患者さん相手に鍼をすることはもとより鍼治療を受けることなど考えもしなかったそうだ。

    それ故、他人に対する治療行為は自分が納得できる手技療法を徹底して習得された。しかし今年に入り円皮鍼治療のDVDを見て実際にやってみるとそのダイナミックな痛みの変化に驚き鍼に対する認識が変わったそうだ。元来、探究心旺盛な性格の持ち主で本式のはり治療を体験しようとのことでお出でになった。

    武道家でもありこの30年間医者に行ったこともないくらい頑健な方だが40歳を過ぎて眼が疲れるようになりこれを改善して欲しいとのこと。治療は部屋の明るさ、視野の広がり、文字もくっきりさ、まぶたの重たさ等を確認して、肝経・胃経のツボ後頭部の刺絡を行い治療直後の効果を感じていただいた。

    おそらく老眼が始まりメガネが合わなくなっている可能性があるので一度眼鏡屋で検眼することと、幅の狭いメガネは焦点が合いにくく眼精疲労の原因になる旨アドバイスして治療を終えた。この先生のような熱い情熱をお持ちの方と知り合いになれたことは私にとって何よりの宝だ。

    はり治療で一番大切なことは効く治療ポイントをどう探すかにある。そこを探し出せれば普通の鍼でなくても円皮鍼で充分効果が出せる。円皮鍼のいいところは取り扱いが簡単で衛生的、しかも痛みがほとんど無いことだ。一般の方でも治療ポイントの探し方さえ覚えればすぐ出来るのでお近くの鍼灸院で教わるといい。  

  • Posted by へんせき at 00:11Comments(0)医療情報

    2010年07月05日

    本物の按摩師

    一年に1回有志の医療従事者数名で意見交換会を行っている。今年は草津温泉で昨日から1泊の予定で開催し先ほど帰宅した。

    草津温泉は温泉番付で東の横綱に位付けられる日本を代表する名湯で時間湯という独特の入浴スタイルが江戸時代から続いている。泉質は酸性が強く温泉の一般的効能の他、水虫などの皮膚病には即効があると思われる。湯治体験記に30年間苦しんだ「尋常性乾癬」を克服した記事が載っていた。

    草津に限らず箱根や伊豆などの温泉地には昔ながらのあん摩さんがいらっしゃる。近年小泉規制緩和無資格者の営業拡大により職域が狭められ苦しい状況に立たされていると聞き及んでいる。私が宿泊したホテルも無資格業者が2軒(タイ古式マッサージ・東洋式整体)営業していた。

    久しぶりに長年にわたり培われたあん摩の手技を受けてみたいと思い、また盲人のあん摩師さんの現状をお聞きしたく部屋に来ていただいた。この方は70歳前後の小柄な男性で48年のキャリアをお持ち、さすがに上手い。なんと言っても手が違う。手が大きく軟らかい。すでに鬼籍に入られたが浪越徳次郎先生の手に似ていた。機会があればぜひ本物のあん摩・マッサージ・指圧を受けていただきたい。

    各人の課題発表の後、温泉、森林浴、ハイキングなどで英気を養ったのでまた明日からの臨床につなげていこうと思う。



      

  • Posted by へんせき at 23:03Comments(0)医療情報