2021年01月31日
スマホ首は軽く考えてはいけない
50歳代の女性会社員、緑内障の進行予防のため月2回ほど定期的に来院している。コロナ対策でリモート勤務が続いている。最近不眠、頭痛、肩から上腕の痛み、胃痛など体調不良を感じるようになった。首凝りは慢性的に感じている。
パソコン作業やスマホを見るときの姿勢はうつむき加減になり首に大きな負担がかかる。頭の重さは6㎏前後あるが前かがみの姿勢になると3倍ほどの負荷が首にかかる。そうなると最初は首肩の凝りが悪化する。進行するとこの患者さんのような全身的な症状が出てくる。理由は首凝りのため首から出ている自律神経が乱れてくるため。
この全身症状をよくしようと各診療科をはしごして薬を飲んでも一時的によくなるだけで完治は望めない。大切なのは首のコリを取り自律神経の働きを正常にすることだ。自分でできることはパソコン作業やスマホ操作のうつむいた姿勢を長く続けないこと。(10~15分やったら首を軽く後ろにそらし休める) 首肩を温めて血行をよくすること。首をなでるくらいの刺激はいいが強くもんだりひねったりすることは危険で百害あって一利なし。
治療は首の動診をして井穴刺絡。前後屈、側屈、左右振り向きに対しF4、H6、H5。背中の凝りや頭痛に対して後頭部の刺絡をする。目の疲れは遠赤美人で温め目の周囲の圧痛点に円皮鍼を貼る。腹診をすると胃部に違和感がありこれは右F1F6井穴刺絡で解消する。
自宅で通勤時間分は歩くこと。蒸しタオルで首と目を温めること。首、背中、腰のストレッチをすること。長時間のパソコン作業をしないこと。これを一週間続けてもう一度来院していただくことにした。

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パソコン作業やスマホを見るときの姿勢はうつむき加減になり首に大きな負担がかかる。頭の重さは6㎏前後あるが前かがみの姿勢になると3倍ほどの負荷が首にかかる。そうなると最初は首肩の凝りが悪化する。進行するとこの患者さんのような全身的な症状が出てくる。理由は首凝りのため首から出ている自律神経が乱れてくるため。
この全身症状をよくしようと各診療科をはしごして薬を飲んでも一時的によくなるだけで完治は望めない。大切なのは首のコリを取り自律神経の働きを正常にすることだ。自分でできることはパソコン作業やスマホ操作のうつむいた姿勢を長く続けないこと。(10~15分やったら首を軽く後ろにそらし休める) 首肩を温めて血行をよくすること。首をなでるくらいの刺激はいいが強くもんだりひねったりすることは危険で百害あって一利なし。
治療は首の動診をして井穴刺絡。前後屈、側屈、左右振り向きに対しF4、H6、H5。背中の凝りや頭痛に対して後頭部の刺絡をする。目の疲れは遠赤美人で温め目の周囲の圧痛点に円皮鍼を貼る。腹診をすると胃部に違和感がありこれは右F1F6井穴刺絡で解消する。
自宅で通勤時間分は歩くこと。蒸しタオルで首と目を温めること。首、背中、腰のストレッチをすること。長時間のパソコン作業をしないこと。これを一週間続けてもう一度来院していただくことにした。

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2021年01月25日
出産後の肩こり、頭痛、不眠症
一週間前に第一子を出産した30歳代の会社員。出産前も感じていたが出産後から首から肩上部、肩甲骨にかけての凝りがひどくなり母乳の出や睡眠にも支障をきたらすようになって来院された。二日前に退院して今は実家にいる。
夜中の授乳等、今までとは違った生活リズムになり睡眠が乱れ不眠になっているのではないかと言う。出産後は血圧が上がっていることが多いので計ってみると145/103mmHgと以前より高くなっている。出産に伴う交感神経の興奮が治まってないようだ。
深呼吸をするとおなかまで息が入らない。H3H2井穴刺絡をすると楽になる。おなかはみぞおちに圧痛があるF1F6井穴刺絡で痛みは取れる。首肩の凝りに対して後頭部と首の付け根の刺絡をする。首の動診をすると左振り向きと左側屈で右の肩上部と右後頚部に痛みとツッパリ感が残っている。
右H6H5井穴刺絡で半減する。交感神経抑制のためH6F4井穴刺絡をして血圧測定すると10mmHg下がっている。首をぐるっと回して違和感を確かめ百会とその右2センチの部位を刺絡して治療終了。
自宅で首肩背中のストレッチ、血圧対策として足湯と軽い有酸素運動のやり方を指導する。幸い食欲はあるというので酢の物を勧めた。

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夜中の授乳等、今までとは違った生活リズムになり睡眠が乱れ不眠になっているのではないかと言う。出産後は血圧が上がっていることが多いので計ってみると145/103mmHgと以前より高くなっている。出産に伴う交感神経の興奮が治まってないようだ。
深呼吸をするとおなかまで息が入らない。H3H2井穴刺絡をすると楽になる。おなかはみぞおちに圧痛があるF1F6井穴刺絡で痛みは取れる。首肩の凝りに対して後頭部と首の付け根の刺絡をする。首の動診をすると左振り向きと左側屈で右の肩上部と右後頚部に痛みとツッパリ感が残っている。
右H6H5井穴刺絡で半減する。交感神経抑制のためH6F4井穴刺絡をして血圧測定すると10mmHg下がっている。首をぐるっと回して違和感を確かめ百会とその右2センチの部位を刺絡して治療終了。
自宅で首肩背中のストレッチ、血圧対策として足湯と軽い有酸素運動のやり方を指導する。幸い食欲はあるというので酢の物を勧めた。

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2021年01月14日
中心性漿液性網脈絡膜症・目の中心に黒い暗点が出る
40歳代の男性。来院する4日前からパチパチと瞬きをすると右目の中心に黒い円形の暗点が出るようになった。眼科を受診したら中心性漿液網脈絡膜症と診断された。特別な治療薬はなく3か月から半年ほどで自然に良くなるだろうと言われた。
この病気は脈絡膜から網膜下に液成分が漏れ出し黄斑部に水分が溜まってしまう病気で原因不明ながらストレスや喫煙が影響しているのではないかと言われている。
眼精疲労に準じる治療をする。右F2F6井穴刺絡、もともと視力の低下はないがくっきりする。目の周囲のツボに置鍼して太陽とまぶたにせんねん灸を行う。最後に頭部刺絡をすると首から上がすっきりするという。
2回目の治療を3日後、3回目の治療を10日後に行う。10日後には暗点が出てくる頻度が1/3に減りその1週間後の4回目の治療時にはほとんど出なくなった。医者からは3か月くらいはかかると言われていたのが1か月も経たずによくなったのでとても喜ばれた。

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この病気は脈絡膜から網膜下に液成分が漏れ出し黄斑部に水分が溜まってしまう病気で原因不明ながらストレスや喫煙が影響しているのではないかと言われている。
眼精疲労に準じる治療をする。右F2F6井穴刺絡、もともと視力の低下はないがくっきりする。目の周囲のツボに置鍼して太陽とまぶたにせんねん灸を行う。最後に頭部刺絡をすると首から上がすっきりするという。
2回目の治療を3日後、3回目の治療を10日後に行う。10日後には暗点が出てくる頻度が1/3に減りその1週間後の4回目の治療時にはほとんど出なくなった。医者からは3か月くらいはかかると言われていたのが1か月も経たずによくなったのでとても喜ばれた。

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2021年01月04日
帯状疱疹後神経痛を発症しやすい人
一般的に帯状疱疹は最初患部の違和感や痛みを感じ数日のうちに水疱などの皮膚症状が現れる。やがて水疱も枯れ皮膚症状も治まり痛みなどの神経症状もよくなる。病気の知識がある人は水疱が出た段階で医者にかかることになる。医者にかからなくとも自然に治ることも多い。
普通はよくなって終わりだけど一部治った後しばらく経って痛みだけが再燃することがある。また皮膚症状が治まっても痛みだけは続くこともある。この痛みはとても厄介で鎮痛剤や何度ブロック注射をしてもよくならない人もいる。痛みの程度も様々だがこの痛みと一生付き合わなければならないと思うと精神的にも参ってしまう。
この神経痛を発症しやすいケースは①帯状疱疹の治療が遅れた ②皮膚症状がひどく出た ③高齢者や糖尿病などの持病がある人 ④ステロイド剤や免疫抑制剤、抗がん剤などの使用者などが多い印象がある。
鍼灸治療に来られる人は病院でいろいろな治療をしても痛みが取れなかった人がほとんどだ。鍼灸治療がどれくらい効果があるかというと私の主観では半分は効果なし、2割は効果あり、3割は改善ありというところだ。時間がたっているのは治りにくく、初回の治療で改善が見られたものはよくなる可能性が高い。
そのあたりのことを説明して治療に移ることになる。40歳代の男性在宅で仕事をしている。右足のすね付近に痛みが出た一週間後に水疱がでて医者にかかる。皮膚症状は2週間ほどでよくなったが痛みが残ったのでその後10日ほど鎮痛剤を飲んだら痛みも治まった。やれやれと思っていたが1か月後に右足にしびれ感が出てその後引っ張られる感じ、痛い筋肉注射をした後の感じ、皮膚のジンジン、ピリピリした感じが出てきた。
また受診して鎮痛剤を飲むが今度は一向に良くならないということで来院された。初回はH5F5を2回、F6F1井穴刺絡をすると10→4くらいに症状が改善した。3回目からはH5F5やらずに痛みを感じる部位の経絡に沿った井穴刺絡、反対側の鍼、痛い部位の強刺激の鍼などの治療を行う。5回やったところで痛みは10→1~2と落ち着いて日常生活の支障もあまり感じなくなっている。
この方は若いし、現在はリモート勤務だけど運動もやっている。どちらかというと帯状疱疹後神経痛にはなりにくいタイプと思えるが何事にも例外はある。

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普通はよくなって終わりだけど一部治った後しばらく経って痛みだけが再燃することがある。また皮膚症状が治まっても痛みだけは続くこともある。この痛みはとても厄介で鎮痛剤や何度ブロック注射をしてもよくならない人もいる。痛みの程度も様々だがこの痛みと一生付き合わなければならないと思うと精神的にも参ってしまう。
この神経痛を発症しやすいケースは①帯状疱疹の治療が遅れた ②皮膚症状がひどく出た ③高齢者や糖尿病などの持病がある人 ④ステロイド剤や免疫抑制剤、抗がん剤などの使用者などが多い印象がある。
鍼灸治療に来られる人は病院でいろいろな治療をしても痛みが取れなかった人がほとんどだ。鍼灸治療がどれくらい効果があるかというと私の主観では半分は効果なし、2割は効果あり、3割は改善ありというところだ。時間がたっているのは治りにくく、初回の治療で改善が見られたものはよくなる可能性が高い。
そのあたりのことを説明して治療に移ることになる。40歳代の男性在宅で仕事をしている。右足のすね付近に痛みが出た一週間後に水疱がでて医者にかかる。皮膚症状は2週間ほどでよくなったが痛みが残ったのでその後10日ほど鎮痛剤を飲んだら痛みも治まった。やれやれと思っていたが1か月後に右足にしびれ感が出てその後引っ張られる感じ、痛い筋肉注射をした後の感じ、皮膚のジンジン、ピリピリした感じが出てきた。
また受診して鎮痛剤を飲むが今度は一向に良くならないということで来院された。初回はH5F5を2回、F6F1井穴刺絡をすると10→4くらいに症状が改善した。3回目からはH5F5やらずに痛みを感じる部位の経絡に沿った井穴刺絡、反対側の鍼、痛い部位の強刺激の鍼などの治療を行う。5回やったところで痛みは10→1~2と落ち着いて日常生活の支障もあまり感じなくなっている。
この方は若いし、現在はリモート勤務だけど運動もやっている。どちらかというと帯状疱疹後神経痛にはなりにくいタイプと思えるが何事にも例外はある。

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