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2010年08月30日

研究会に参加して

昨日は四ヶ月に1回開催される研究会に参加し、私も症例発表の場を与えられた。参加者は50名くらいの小さな集まりだが私にとっては、全国規模の学会などより得るものがずっと大きい。理由は参加者の熱意と臨床に即していること。印象に残った発表を幾つか紹介したい。

両肩の五十肩。右は慢性期、左は急性期の五十肩治療を手順と経過を細かく報告されていた。整形外科では五十肩はやがて治る疾患として痛みに対して積極的な治療をしない。その間患者は痛みに悩まされる。患者さんは痛みを何とかして欲しいはずだ。

筋萎縮性側索硬化症(ALS)の関節拘縮を目的にした治療。ALSは難病だ。人工呼吸器、胃ろう、膀胱留置カテーテルの患者さんに対し週3回の訪問治療で硬縮が改善し、着替えや入浴介助が楽になった。

片頭痛が手足2穴づつの治療でその場で痛みが寛解した2症例。片頭痛は痛くなると薬が効かず痛みが引くのをじっと待つしかない。発症1日以内に治療すれば著効が得られるだろう。

不眠症の治療。不眠でなやむ人は多い。今の薬は安全というが習慣性と依存性は残っている。不眠の原因は様々だが鍼の効能を生かせる分野だ。

⑤「ツボの位置はどこだろう?」のテーマで足の肝経・太敦の臨床的な取穴。体性神経の調整と自律神経の調整では効く位置が違うという興味深い発表。これはさっそく追試しなければと思った。

さらに実技治療として会場からモデルを募った。モデルとなられた方は坐骨神経痛様の痛みで杖をついて前に出られた。鎮痛の為医療用麻薬を貼付されていた。この痛みをとるのはかなり難しいと思い見ていたが右足6ヶ所治療したらはっきり痛みが軽減し、最初は訴えていなかった左の痛みを感じられるようになった。モデルさん以上に私たちが驚いた。

昨日の勉強を今日からの治療に生かして行きたい。  

  • Posted by へんせき at 22:31Comments(0)医療情報

    2010年08月28日

    気海丹田の修養

    丹田というのは臍の下1寸5分、経穴名では気海にあたる。お釈迦様以来連綿と続いている座禅の数息観はこの丹田に意識を置き呼吸を数える方法だ。

    古来、気海丹田の重要性は「白隠禅師の内観法」「平田篤胤の気海丹田法」「貝原益軒の養生訓」「肥田春充の聖中心」などに述べられ、いずれも丹田に力を集中して腹で息をすることが基本になっている。

    丹田の修養というと哲学的な意味合いもあるがやり方は簡単なので誰でもできる。しかしなんでもそうだが続けることが難しい。人間はいつでも頭が冷静で足が温かくないと精神の動揺を防ぐことが出来ない。

    精神力が肉体に及ぼす力は偉大で、これが病気の回復や健康の維持に影響する。思うに呼吸で丹田を練ることにより自律神経を調整できるのであろう。血液循環の不良、胃腸が弱い、冷え性などにはぜひ試して欲しい。

    同時に気海にお灸をしばらく続けてみると体調がよくなると思う。今はせんねん灸など簡単にできるお灸が市販されて便利になったが続けるには根気がいる。  

  • Posted by へんせき at 23:21Comments(0)医療情報

    2010年08月26日

    肩の痛み(五十肩と腱板断裂)

    肩の痛みを訴えられる場合、①肩の筋肉が痛い ②肩の関節が痛い ③首が痛い この三つの違いを全て肩が痛いと表現されることがある。

    ②の肩関節が痛い症状で多いのが五十肩(肩関節周囲炎)と腱板断裂で症状は似ているところも多いが両者は病態が違うのできちんとした鑑別診断をしたうえで治療しなければならない。

    五十肩は急性期には痛みがひどく寝ているとき腕の置き場に苦労するほどだ。1~2ヶ月で痛みは引いてくるが今度は腕や肩が上がらなくなる。この時期から積極的に運動療法をすると半年から1年で生活に支障がないくらいに自然に治る。

    腱板断裂は主に50歳以上に起こり、原因は加齢、肩の使いすぎ、転倒や打撲によるけが等だが、半数以上は特に思い当たることなくいつの間にか断裂している。特徴は肩の鈍い痛みが長く続くこと。もし6ヶ月以上痛みが続き悪化するようなら腱板断裂の可能性がある。腱板断裂の診断にはMRI検査が必要だ。

    今日お見えになった50歳代後半の女性は電話でのお話では五十肩と思ったが、痛くなった経緯や徒手検査をしてみると腱板断裂の疑いがある。鍼灸治療は痛みや可動域を調べ、それが少しでも改善するポイントを探し鍼、お灸、刺絡、円皮鍼などをして症状の軽減を目指すがよくなるのに少し時間がかかる。

    腱板断裂には運動療法も効果があるが断裂している腱を特定しないと逆効果になる。MRI検査を依頼してその結果を見て本格的に治療することにした。
      

  • Posted by へんせき at 23:08Comments(0)運動器疾患

    2010年08月24日

    簡単なお灸で治る爪周囲炎(ひょう疽)

    爪周囲炎(ひょう疽)は手や足の爪の辺縁周囲におこる細菌感染症である。原因は逆むけ、深爪、あるいは慢性の刺激による皮膚の傷などである。

    症状としては発赤、腫脹してとても痛みが強く、膿を持つ。一般的な治療は鎮痛剤と抗生物質の投与、またはメスで小さく切り排膿させるなどである。主に皮膚科や外科で治療することが多いが、お灸でも充分対応可能である。

    今日、変形性膝関節症で定期的に治療している女性から、巻き爪が原因の右足拇指のひょう疽で通院治療中だが、痛みと腫れが引かないと相談された。そこでお灸を3ヶ所するからそれで痛みが引かなかったら切開することにしてはどうかとお話し治療した。

    場所は爪の生え際の角2ヶ所に糸状灸3壮、爪の上中央に米粒くらいの艾で熱さが透るまで約10壮。たったこれだけだが、治療8時間後に痛みと腫れが引いたとの電話をいただいた。明日自分でもう1回お灸をして、病院に行ったとき巻き爪の治療を聞いて見る様にお答えした。

    麦粒腫、おでき、歯や歯茎の痛み、虫刺され、軽い捻挫などは少量の艾があれば家庭で対処できる。医師であった故丸山昌朗先生は患者さんから薬を求められた時よく一握りの艾を渡されたそうだ。お灸にはすばらしい効果があるのでそれを普及するのも鍼灸師の使命だと思う。  

  • Posted by へんせき at 22:14Comments(1)皮膚疾患

    2010年08月22日

    耳鳴り治療に光

    7月12日のブログで紹介した突発性難聴後の耳鳴りと聞こえにくさを主訴とする治療にやっと光が見えてきた。昨日で6回目の治療であったが、前回8月7日の治療の翌日からはっきり改善を自覚したそうだ。

    前回の治療はお昼過ぎにしたのだが、夕方から鍼をした側の耳の下、額関節付近が少し痛くなり、夕食時食べ物をかむ動作で痛みが増し、このままでは困ったなと思いながら寝たが一夜明けてみると痛みはなくなって耳鳴りと聞こえにくさがアレッというくらいよくなっていたそうだ。鍼灸治療ではこのように思いがけない反応が起こりよくなる場合があり、これを瞑眩(めんげん)という。

    その後、約2週間経過するが疲れたりストレスが多いと少し元に戻るが、休息をとりリラックスするとまたよくなる。概ね良好で一日のうちでは午前中の方が、一週間のうちでは前半の方が調子がいいそうだ。

    5回目の治療後痛くなった所はツボ名でいえば翳風の前、内耳点だと思う。このポイントは4回目の治療でも使っているが、違いは鍼の太さを0.02mm太くし刺鍼深度を5mm深くしてドーゼを増やしたことだ。

    鍼灸治療では選穴が重要だが同時にドーゼ(刺激量)も同じくらい大切な要素になる。円皮鍼の様な軽い刺激がいい場合も多いが軽い刺激では効かない場合もある。個人差があるので治療を始めてしばらくの間はドーゼをどうするかいつも苦心している。  

  • Posted by へんせき at 16:15Comments(0)感覚器疾患

    2010年08月20日

    いろいろな肥満と対応

    肥満に幾つかのタイプがある。一番多いのは食べすぎで運動不足。この対策は理屈としては簡単だが、摂取カロリーを制限して運動を続けることはなかなか大変だ。しかし真剣に取り組めば得るものは大きい。

    女性に多いのがBMIは標準値だが太っていると思い込んでいるタイプ。これは医学的には問題なく主観の問題で偏ったダイエットなどすると貧血、骨密度の低下、不妊の原因など後々禍根を残す。軽い筋トレと有酸素運動で少し体を引き締めれば充分だ。

    BMIや体脂肪率が高く病気の原因になっている場合は医学的な対応が必要だ。膝痛、腰痛、高血圧、糖尿病、脳血管障害などいずれも標準体重の維持が望まれる。食事管理、運動、治療の3本立てで減量計画を立て地道に取り組まなければならない。体のバランスをいかにとるかが問題で、安易に薬で痩せようとするのは副作用が心配だ。

    病気の治療のため薬を飲んでいる時、その薬のため食欲が増し肥満の原因になっていることがある。ステロイド剤や向精神薬などがその代表だ。ほとんどの場合薬を中止することはできない。このような時鍼灸を効果的に使い薬の量を減らせれば肥満対策の一手段になる。  

  • Posted by へんせき at 22:46Comments(2)医療情報

    2010年08月18日

    夏風邪に注意

    夏に風邪をひくことは珍しくない。一番多いのは寝冷えだ。今年の夏は例年にない猛暑で知らず知らずの内に体力が消耗しているので気をつけたい。

    体調の変調は通常、朝起きた時何となく体がだるい、咽喉が痛い、お腹の調子が悪い等で気付く。睡眠中体温は低下するので、夜中冷房で冷えたり、風が涼しい北風に変わったのに薄着ののままだったりしたら風邪を引いてしまう。

    中国医学では風邪を傷寒、中風、温病、暑病などに分け症状も対策も違っている。今の時期は暑病で熱中症の様なものもあるが、風邪では暑さで抵抗力が落ちている体に冷えが入ったと考えていい。

    昨日、20歳代の女性が朝から咽喉が痛く風邪を引いたようだ。木曜日から夏休みの旅行に行くので早く治したいと来院された。熱はないがつばを飲むと咽喉が痛む。咽喉が痛いときは炎症があると考え、各経絡の「栄火穴」の反応を調べお灸をする。

    彼女の場合「脾経の大都」 「腎経の然谷」「肺経の魚際」に圧痛があり魚際のお灸をして咽喉の痛みが変化した。後の二つでは変わらない。主訴がよくなったので胃腸の調整と交感神経の調整をして終了した。そして患者さんには出発まで魚際、足の三里、商陽、大椎にお灸をしていただくことにした。  

  • Posted by へんせき at 07:21Comments(0)不定愁訴・体調管理

    2010年08月16日

    高麗手指鍼と肩こり

    高麗手指鍼と言っても一般の方には馴染みが薄いと思う。自在に使える鍼灸師も少ない。この鍼法は韓国で開発され日本には30年くらい前に紹介された。

    この鍼法は手(指・掌・手甲)に全身のツボを配し、手の治療をすることにより全身の治療ができると考えている。私は学生時代に高麗手指鍼の勉強はしたが、日常の臨床でこの高麗手指鍼の考え方で手のツボを使うことはほとんど無い。(しかし、別の理論で手のツボはよく使っている。)

    今日、肩こりを主訴として30歳代の男性が受診された。鍼は初めてだそうだ。詳しく聴くと凝り感と鈍痛を感じるのは肩甲骨の内縁部で肩上部や首筋は問題ないようだ。

    遠隔部の治療をいくつかやってみたが、症状がほとんど変わらない。手の甲のツボを探している時にふと高麗手指鍼を思い出し、肩甲間部の相応箇所(中指の付け根付近)を調べてみると激痛点が存在する。ここが治療点になると判断して太さ0.12ミリの鍼を10分間置鍼したら肩甲間部の凝り感と鈍痛はなくなった。

    同時に肩上部にわずかな違和感が出てきた。おそらく最初から存在する2番目の痛みを感じるようになったのだろう。これに対しては首の前側のツボに置鍼をした。ひとつの治療法で全てに対処することは難しい。臨機応変な治療をするには「鍼の引き出し」を増やす必要がある。

      

  • Posted by へんせき at 22:00Comments(0)不定愁訴・体調管理

    2010年08月15日

    難病治療と鍼灸

    「難病治療をやっているか」との問い合わせがあった。難病とは医学的な定義は無く、そのときの医学水準により変化する。一般的には「不治の病」のイメージがあるが今は130の疾患が指定されている。

    その中には生命予後がいいものもあれば悪いものもある。また同じ病気でも個人差が大きく経過も一人ひとり違う。この種の病気は専門機関で専門家のもとで治療するのが基本であるが、中には鍼灸治療を併用していい結果を得るものもある。

    130の疾患のうち私が診たことがあるのはほんの一部だが、潰瘍性大腸炎、シェーグレン症候群、SLE、突発性難聴、メニエール病、多発性筋炎は試してみる価値があると思う。パーキンソン病はいいとも悪いとも言えない。ALSは効果がなかった。

    難病ではないがアトピー性皮膚炎、慢性前立腺炎、耳鳴り、めまい、腱鞘炎、下痢、頭痛など一般的な病気でもすっきり治らない方が沢山いらっしゃる。同じ病名でもその性質は一様ではないのでよく見極め自分に合った治療法を選択する必要がある。  

  • Posted by へんせき at 00:53Comments(0)医療情報

    2010年08月12日

    眼科疾患(老眼・白内障・緑内障・加齢黄斑変性)

    鍼灸治療と眼科疾患を結びつける人は少ないと思う。タイトルで挙げた4つの病名は加齢によって発症する眼の病気の代表的なものだが、これを主訴として来院される方は少ない。他の疾患を治療していてそれが一段落した頃、目のことをお話になる。

    私が日常の診療で取り扱うことが多い目の症状は眼精疲労・ドライアイ・飛蚊症などだが、眼精疲労は肩こりや頭痛の原因になっていることも多く必ずチェックするようにしている。

    上記の四疾患で老眼以外は将来失明するかも知れないという不安がよぎる。その中で「緑内障」は不思議な感じがしている。緑内障は何らかの原因で視神経が障害を受け、視野が狭くなる疾患で眼圧が高くなることが原因と言われていた。

    しかし、緑内障全体のうち正常眼圧の割合は7割を占めている。これは眼圧以外のものが関与していると考えていいのではないか。眼科の治療では薬で眼圧を下げることが先ず選択される。鍼灸単独での経験はないが、鍼灸を併用して進行が止まったり、視野が改善したことはある。(治療ポイントは ①頭頚部 ②眼の周囲 ③目を纏う経絡)

    なぜこのようなことが起こるのか考えてみた。視神経は血流が悪くなるとダメージを受ける。おそらく脈絡膜の血流障害が鍼治療の刺激で交感神経が抑制され毛細血管が拡張することにより改善するのではないか。元通りに回復できなくても進行が止まり現状維持できれば治療の意義はあると思う。

      

  • Posted by へんせき at 22:44Comments(0)感覚器疾患

    2010年08月10日

    不妊症治療の相談

    「不妊症は鍼灸治療で治りますか」と電話でお尋ねがあった。不妊症といっても男性に原因がある不妊、女性に原因がある不妊がある。原因がはっきり分かっている場合は、それに対する治療を病院ですることが一般的だ。もし原因不明不妊症なら鍼灸は適応するとお答えした。

    詳しい検査をしても原因不明の不妊症があり、しかもこの原因不明の不妊症が一番多い。原因不明不妊症に対しては「タイミング法」から始めるステップアップ治療を行うことが多いが、上手く行かないと次第に精神的、肉体的、経済的に追い詰められる。

    たんぽぽ針灸院を開業して間もない頃、予約なく一人の女性(Sさん35歳)が来院された。聞けば結婚して3年経つが妊娠せず、今、飯野病院で診察を受けホルモン剤治療を提案されたが決心がつかず、考え事をしながら歩いていたら当院の看板が目に留まりフラフラと入ってきたそうだ。

    それから月に2~3回の治療を始めたが、6ヶ月しても妊娠しないので一度諦めかけた。しかし冷え性がよくなったり、疲れにくくなったりとか体調はよくなっていたので、後半年と期限を決めて治療を続けた。その結果、開始から10ヶ月目に妊娠した。いま思えば当時の私は臨床経験が乏しかった。

    その後Sさんは自然分娩を希望され、深大寺にお住まいだったので近くの助産院で出産された。妊娠中ときどき来院されたが助産師さんのアドバイスに従い保温のためすごい厚着で着替えが大変であった。その子ももう大学1年生元気に通学している。

    私が不妊症治療をするとき決めていることがある。①期限を決める。早いと3ヶ月位で妊娠するが、1年以上は延ばさない。②原因がはっきりしていれば病院の治療を優先させる。 鍼灸治療は体のバランスをとり体調を整え結果として妊娠に至る治療と思う。自分にとってどんな治療が最適なのか、一人ひとり事情は違うので情報を集め自分に合った治療法を選択して欲しい。

      

  • Posted by へんせき at 23:58Comments(0)小児・婦人科

    2010年08月08日

    冷房病と自律神経・養生灸のすすめ

    猛暑日、熱帯夜がこんなに続くのは一過性の変動の範囲なのか、本当に地球温暖化の影響なのか科学的な解明が待たれる。

    冷房完備の環境で生活することが普通になったが、使い方を誤ると体がだるい、疲れが取れない等の体調不良に見舞われる。その最大の原因は自律神経の働きが低下することにある。

    自律神経は生命維持のため常に、しかも意識することなく代謝、ホルモン、免疫など調整している。体温調整では暑い時は血管を広げ、汗をかき体温を下げ、寒い時は筋肉を震わせ体温を上げようとする。冷房の効いた室内に長時間いたり、温度差の激しい屋外との行き来は知らず知らずのうちに自律神経の働きを悪くする。

    食べ物や着る物での調節も大事だが、①運動と②お灸はより積極的に自律神経をリセットしてくれる。運動は日中を避け一日1回汗をかく。(ウォーキング30分で充分)お灸は「夏バテ予防の灸」で紹介したツボの他に冷えを感じるようなら志室、大椎、三陰交、関元も効果がある。清水寺の大西良慶師は夏バテ予防に足の三里の灸をしておられたとの事。  

  • Posted by へんせき at 23:56Comments(0)脳・精神・神経

    2010年08月07日

    ばね指の治療ポイント

    ばね指でお悩みの方は少なくない。医療機関を受診しない人も多い。原因は使いすぎが一番多いが、妊娠や更年期をきっかけに発症するものもある。その他リウマチや先天性のものもある。

    今日、診た60歳だいの女性は5ヶ月前に右手3指に発症し現在痛みや腫れはないが、手を握り指を広げようとする時引っかかりスムースに伸ばせない。整形外科の一般的な治療は消炎鎮痛剤、湿布、固定、靭帯性腱鞘内へのステロイド剤注射、手術で固定までで治るといいがその後の二つは負担が大きい。

    鍼灸の治療では症状が少しでも変わるツボを探せるか否かが成否の分かれ目になる。手掌、前腕、背中、首、頭を丹念に触診して指の引っかかりが減るポイントを探さなければならない。根気もいるが、やろうと思えば自分でも探せる。

    この患者さんは右の首2ヶ所が治療点になった。次にこのツボにどのような刺激をするか。鍼、皮内鍼、灸、刺絡、パルスなどその方に最適な手段を選らばねばならない。手段とドーゼは経験によるところが多い。さらに経過観察して何日ぐらいいいのか確かめ、自宅治療の必要性や次回治療を決めなければいけない。  

  • Posted by へんせき at 00:59Comments(0)運動器疾患

    2010年08月04日

    腰痛と食べ過ぎ予防

    先週火曜日に4年ぶりに腰痛を再発して70歳の女性が来院された。初診は2000年で1~2年おきに腰痛で治療した。この方は見た目10歳くらい若く見え、すでに日本100名山を登り終え今でも月に2回ほど山登りをされている。

    今度の症状は中腰や前屈みの姿勢が辛く、靴下をはく動作で痛みが出る、腰痛の中で一番よく診るタイプの筋筋膜性腰痛だった。このタイプは鍼灸治療が最適応でほとんど1~2回でよくなる。足と頭の鍼でほぼ動作痛は無くなった。3日後に電話で調子がいいとの経過報告をいただいた。

    西調布界隈は昔の養蚕業の名残でお盆を8月始めにするところが多く、この患者さんも7/31から8/2がお盆で接待に忙しくまた少し痛くなったと一昨日来院された。痛みはその場でよくなったが、以前より幾らか太られているいるようなので体重をお聞きすると5㎏増加しているとのこと。

    お腹が空く感覚はないが胃腸が丈夫なせいか、食べ始めるとお酒と一緒につい食べ過ぎてしまうそうだ。これがどうにかならないか相談された。この方は運動はされているので体重増加はやはり食べすぎだと思う。よく耳の鍼で痩せるというが私には実感がない。

    胃経と脾経と頭のツボの治療をして様子を見てもらうことにした。今日お見えになり週末から10日ほど旅行するので、念のためもう一度治療しておきたいとの事。この2日食べ過ぎはないが、旅行中心配だと言われるので、パイオネックスを食事前に貼り20から30回そこを押して刺激してから食事をするようにお話した。  

  • Posted by へんせき at 23:17Comments(0)運動器疾患

    2010年08月02日

    橈骨神経麻痺の鍼灸治療

    腕には橈骨神経、正中神経、尺骨神経の3本の大きな神経が走っている。このうち橈骨神経は主に手首や指を伸ばす動きを支配している神経で腕の神経麻痺はほとんどこの神経で発症する。

    症状は手首に力が入らず手首から先がダランと垂れ下がる(下垂手)で、字がかけない、歯が磨けない、キーボードが打てないなど生活に支障がでる。外傷や骨折で神経が損傷することでも起こるが、一番多いのは転寝などして無意識に上腕(力こぶ)の外側を圧迫が原因の場合だ。ハネムーン症候と呼ばれることもある。

    今日、来院された30歳代男性も昨日夕方40~50分椅子で転寝をし、起きたら手首から先が自由に動かず何が起きたのかびっくりしたそうだ。いま整形外科を受診しての帰りだが、治るまで1ヶ月ほどかかると言われて、鍼をすれば治りが早くなるかと思い立ち寄ったそうだ。

    一般的に予後はいいが1回の治療で完治は出来ない。どの程度神経が傷害されているかによって、治るスピードは違うが、鍼治療の前後で幾らか手首の動きが変わると思うとお話して治療した。主な処置は井穴刺絡、頭部刺鍼、上腕から前腕への施灸で、自宅で出来る治療はやり方を指導した。

    治療後の感じは予想どうり幾分動くとの事。私の臨床で取り扱うことが多い神経麻痺はこの橈骨神経麻痺顔面神経麻痺だがどちらも末梢性であることを確認して発症からなるべく早く治療を始めると治りが早い。もちろん病院の治療を併用していい。また突発性難聴も治療を早く始めることが予後を左右する疾患だ。

    軽度の麻痺はほっといてもなおるかもしれないが、経過はどうなるかは分からない。様子を見るのは長くても1週間以内にして治療を始め、ある程度動くようになったらリハビリをしていく方がいい。治る順序は ①手首の動き ②指の動き ③感覚異常 ④握力が一般的だ。  

  • Posted by へんせき at 23:39Comments(0)脳・精神・神経