2012年01月25日
腰痛は万病の元

腰痛の程度や症状は各人各様で当然治療は患者さんごとのオーダーメイド治療でなければいけない。腰痛の原因は腰部椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄、圧迫骨折など原因がはっきりしているものより原因不明とされるものが約85%と圧倒的に多い。
この原因不明の腰痛に対して現代医学が打てる手は限られている。また厄介なことに画像診断でヘルニアが認められてもそれが痛みの原因かどうかは確定できない。ヘルニアを手術で取り除いても痛みが変わらない人もいるし、ヘルニアがあっても痛みを感じない人もいる。治療は体に負担が少ないものから試していくべきだろう。
ただ稀ではあるが(1%)命に関わる腰痛もある。その代表が腫瘍性の腰痛で内臓の癌からの反射痛やがんの骨転移によるものだ。今までに膵臓がん、腎臓がんによる腰痛や乳がんや前立腺がんから骨転移した腰痛を経験したが、2~3回治療してみると何か普通の腰痛とは違うものを感じ全例病院での精査を勧めた。
しかし、ほとんどの腰痛は急性も慢性も鍼灸治療適応である。腰痛は特別な治療をしなくても痛みが治まることも多いが、体のアンバランスは放置しない方がいい。腰痛も体への警告のひとつと考えるべきだ。さらに仮面うつ病、自律神経失調症、LOH症候群など精神やホルモンが関与している腰痛もあるので総合的な診断、治療、相談ができる医療機関を選ぶ必要がある。

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2012年01月14日
膝関節痛に対する陰陽交差法と頭鍼治療

陰陽交差法とは痛い部位と反対側の手足の陰陽逆の経絡を利用した治療法で、患部がこことはっきりしているときはポイントを絞りやすい。Aさんは右膝の内側(脾経)が痛いので、治療部位は左肘の外側(大腸経)の反応点を治療部位として取穴する。Bさんの場合は患部が左膝(肝経)なので治療部位は右肘(三焦経)になる。以上は基本取穴で臨機応変に対応する。効果を上げるために運動鍼を応用する。肘に浅く鍼を刺したままで患部の膝をベットに腰掛けた状態でぶらぶら運動させた。
この治療の後、頭部の膝に対応する治療点に斜めに鍼を刺し20分置鍼した。Aさんは当院で初診、Bさんは整形外科と整骨院で治療続けた後の来院であったがそれぞれ1回、3回の治療で一定の効果を得ることが出来た。治療効果がどのくらい続くか経過をみるとともに、お二人とも膝に負担をかけないで内転筋、大腿四頭筋、中臀筋の筋トレと風呂の中で膝関節の可動域を広げるストレッチを続けてもらうことにした。

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2012年01月07日
お腹の風邪(胃痛と下痢)

しかし帰宅してからも食欲がなくそのうち胃が痛くなり下痢も始まった。さらに腕の関節や腰も少し痛くなった。翌朝出勤前に近医を受診してお腹に来た風邪と言われ抗生剤と整腸剤を処方された。今日は薬を飲んで1日経ったところだが、まだ食欲がなく胃が痞えた感じがするという。
ベットに寝てもらい腹部を軽く押していくと左右の上腹部に鈍痛と圧迫感を覚える。漢方では右上腹部は肝胆、左上腹部は脾胃の部に相当する。治療は左の脾経、胃経次に右の肝経、胃経の井穴刺絡で腹部の圧痛と圧迫感はほとんど消失し、胃から咽喉までスゥーと広がったようだという。
背部に2ヶ所お灸をして頭部刺絡をするとお腹が空いてきたという。治療はここで終了したが自宅で足のツボ左右4ヶ所に2日間お灸を続けてもらうことにした。お腹の調子が悪く食欲がないときの対処法は脱水を防ぐ為「さらさらの重湯」「野菜スープ」「薄いお茶」を飲んで自然と食欲が出てくるのを待つのがいい。口当たりが良いからといってアイスクリームなどは厳禁。
食欲が出てきたら「おかゆと梅干」から食べ始め豆腐や白身の魚など消化がいいものを少しずつ増やしていき、3日から1週間かけて元に戻すと万全だ。梅干の酸味は交感神経を抑える。腹痛、吐き気、下痢などの症状に対応する特効穴(関元、裏内庭、梁丘、三里)なども覚えておくと重宝する。

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