たまりば

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2010年05月02日

片頭痛の鍼灸治療

片頭痛は緊張型頭痛についで患者数が多く、特徴は急に痛みが始まりズキズキと脈の拍動に合わせて片側の眼の周りからこめかみ付近が特に痛む。しかし約半数は拍動がなく4割は両側性に痛む。発作の頻度は月に1~2回ないし週に1回程度で、男女比では1:4で女性に多く女性ホルモンが関係していることも多い。

昨日30歳代後半の女性が片頭痛を訴えられ来院された。一昨日夜から頭痛が始まり3回嘔吐したしたそうで今は吐き気は治まっているが右こめかみ付近に拍動性の痛みがあり右後頚部に鈍痛がある。第二子の授乳中なので鎮痛剤は服用したくないそうだ。

過去のお話を聞くと小学生の頃からよく頭が痛いと言っていたそうで、数年前に頭痛外来を受診して器質的疾患は除外され片頭痛と緊張型頭痛の混在型との診断で薬での治療を始めるところだったが妊娠が分かり中止したそうだ。この方の頭痛はホルモンの影響を受けているようで第一子の妊娠から第二子の出産まで片頭痛は起こらなかったそうだ。

片頭痛の原因は完全に解明されていないが脳内血管が拡張することが一因とされる。治療はこめかみ部の痛みがどう変化するかを指標に副交感神経を抑制して血管収縮を目指した。手と足の陽明経のツボ各1ヶ所から刺絡すると直後ズキズキした痛みが引き始めた。5分時間をおいて再度同じ治療をするとこめかみ部の痛みは9割なくなったが、後頚部の鈍痛はあまり変わらない。

これは筋緊張によるものかと思い右足膀胱経に鍼をしたら治まっていたこめかみ部の痛みが再現してきた。すぐに中止してもう一度最初の治療を繰り返すとズキズキ感は治まり後頚部の鈍痛も8割がた無くなった。効果のあったツボに円皮鍼を貼り痛みが出たらそこを圧迫して刺激するようにお話して治療終了した。

このままでは今回良くなっても1ヶ月以内にまた痛くなる可能性が高いのでどう予防していくか次回お話しすることにした。一般的に薬が使えれば痛くなりかけたときにトリプタン製剤を飲むといいが、依存性や頻繁に使うとかえって頭痛が起き易くなることもある。

片頭痛発作は起きてしまうと暗く静かな部屋で頭を冷やし安静にしてやり過ごすしかないが早期のはり治療が奏効することも多い。また8割くらいの患者さんは首や肩の筋緊張(こり感)があるのでこれに対処することも予防につながると考えられる。




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    Posted by へんせき at 13:21│Comments(0)脳・精神・神経
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