たまりば

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2010年05月30日

子供の家庭治療

小学校低学年くらいまでの子供の家庭治療を紹介する。ぐったりして元気がないとき、発熱下痢が続く時、感染症が疑われる時は迷わず専門家を受診すべきだが自己手当てで事足りることも多い。

今日の写真の赤ちゃんは6ヶ月、1年以内の乳児は何をされているか分からずスムーズに治療できる。前々回のお子さんは4歳、このくらいになると話をして納得するとやらしてくれるし慣れてくると自分から治療のおねだりをするようになる。その中間は少し手こずっても治療の後楽になることが分かると問題ない。

用意するものは天然素材(豚や馬の毛)で作られた歯ブラシと少量の艾。先ず全身を歯ブラシで撫でていくのだが、撫でていく方向と順序にコツがある。腕の内側は脇から指先へ外側は指先から肩へ。足の内側は足首から股へ外側はおしりから足首へ。背中は上から下へ。胸とお腹は両方向。全部をやるのに3~5分。

その後風邪気味なら大椎や身柱へ下痢気味なら天枢や水分にソフトなお灸をすればいい。もしぐずるようなら寝ている時にやればよく、治療と改まることなく遊びの中やお風呂上りのちょっとした時間を利用すればいい。1回やり方を学べばすぐ出来ると思うのでぜひ挑戦して欲しい。スキンシップに最適です。  

  • Posted by へんせき at 11:31Comments(1)小児・婦人科

    2010年05月27日

    お灸の思い出

    私とお灸の最初の関わりは4~5歳頃にさかのぼる。親の言いつけを守らず灸をすえられた思い出だ。私は何よりお灸が嫌で逃げ回り、泣き叫んで抵抗したが母は許してくれなかった。

    ではどこにすえたかというと手の陽明大腸経の二間のツボだ。しかも正規のツボではなく、人差し指を曲げ近位指節関節の橈側横絞端にある別説二間だった。

    鍼灸の知識を何も持たない母がなぜそこに灸をすえたのか。いま思えば大腸経は精神不安、気の高ぶりを静めるときに使う。指先に近く熱さも感じるのでお仕置きの意味もあっただろうが経験的に効能を知っていたのだろう。

    あの時の体験は今、私が子供の治療をするときに役だっている。慣れてくると子供は自分から手を出してくる。気持ちいいことを知っているからだ。効くお灸心地よい熱感が芯に通る。小さいお子さんをお持ちのお母さん方子供のしつけと健康管理にお灸を活用しては如何でしょう。  

  • Posted by へんせき at 14:45Comments(9)小児・婦人科

    2010年05月25日

    薬の副作用

    以前高血圧の治療に通われていた患者さんの奥さんから往診依頼の電話をうけた。また急に血圧が上昇したのかと思ったがそうではなかった。聞けば数日前に風邪を引き病院で3種類の薬をもらいそれを飲んだ後から全身が発赤し、しゃっくりが止まらなくなった。すぐ病院に行ったが薬の副作用だと思われるので薬を止めて安静にするように言われ注射を1本しただけとの事。1日経ってもよくならないので来て欲しいとのことだった。

    患者さんを診ると顔から指先まで全身真っ赤でしかもひっきりなしにしゃっくりをしている。風邪のため微熱がありしゃっくりが止まらないので食事と睡眠が摂れず体力が落ちているように見えた。はり治療としては先ずしゃっくりを止めアレルギーを抑える治療を考えた。どちらも自律神経的には副交感神経の異常なので、患者さんの様子を見ながら同じ治療を3回繰り返した。発赤はすぐに変化しないがしゃっくりの間隔は伸びてきた。3日連続で治療に行き3日目にはしゃっくりは完全に止まり発赤も半分くらいに治まった。

    さて、この患者さんに処方された薬は特別なものでなく総合感冒薬、去痰剤、抗生物質であった。このうちどれかひとつにアレルギー反応を起こしたのか3つの飲み合わせが悪かったのか回復した後調べたがよく分からなかった。薬にはあらかじめ副作用が予想できるものもあるが飲んでみなければ分からないものも多いので特に初めての薬は注意が必要だ。ありきたりの薬で劇症肝炎を起こすこともある。

    日本は諸外国に比べ薬の使用量が多いように感じる。例えば普通の風邪に鼻水が黄色いので予防的に抗生物質を出す。抗生物質が水のように何の害もなければいいが全ての医薬品には程度の差こそあれ副作用がある。風邪に関しては抗生物質の有無は治り方に差がない結果が出ている。薬が処方されるのはリスクより利益が大きいと考えられるからだ。沢山の薬を飲んでいる人は健康の面からも医療費の面からも一度見直してみて欲しい。

    漢方薬の副作用はどうなのかとのお尋ねがあるが、漢方薬も薬である以上副作用がある。例えば葛根湯に含まれる麻黄には交感神経を緊張させる作用があるエフェドリンが含まれているので血圧上昇、気管支拡張など気をつけなければならないし、甘草に含まれるグリチルリチン酸には偽アルドステロン症の原因になることもある。必要な時には薬を使わねばならないので副作用を知った上で上手に利用することが大事だ。

    上の写真は昨年取ったコアジサイです。アジサイは一般的に香りがありませんがコアジサイはほんのりといつまで嗅いでても飽きない香りで別名シャネルの5番ともいわれる。もうすぐ紫陽花の季節です。高幡不動の紫陽花は有名です。  

  • Posted by へんせき at 10:07Comments(2)医療情報

    2010年05月22日

    小児の中耳炎

    きょう1歳9ヶ月の女の子を連れてご両親そろって中耳炎の相談にみえた。2月に急性中耳炎に罹りその後滲出性中耳炎に移行し左の耳を鼓膜切開したそうだ。まだ罹患して期間は短いがすっきり治らない病気に将来の不安を感じ薬の治療に頼るだけでなく鍼灸治療で体の抵抗力をつければ治りが早まるのではとお考えになった。

    小児の中耳炎は成長するとほとんど完治するし、後遺症が残ることも稀だが少しでも早く治してあげたいと思うのは親として当然のことだろう。今はインターネットで色々な情報を手に入れることができなかには人を惑わすものもあるが寺本耳鼻咽喉科医院のホームページは参考になる。

    現代医学的な治療は上記を参考にして鍼灸でどう治療するか。子供の治療で難しいのは大人と違い治療の効果を本人からその場で確認できず一切の判断を治療者の主観で進めなければならないことだ。またこの子のように病院で恐い思い(耳や鼻を消毒、鼓膜切開)をした場合はまたいやなことをされるのではとの思いから治療をさせてくれない。

    最初お母さんの腕の中でスヤスヤ寝ているうちはよかったが、目を覚ましてからは泣いて触らせてくれない。当たり前だが怖いことはないと本人に分かってもらいこちらを信用してもらうまではお母さんにしてもらうしかない。早く仲良くなり自分から手を出してくれるような関係になるのが先決だ。4歳ぐらいになると物分りも良くトラウマさえなければスムーズに治療できるのだが、まだ無理だ。

    ご両親に自宅でできる小児治療を指導して子供が私に早く慣れるよう保育園帰りに短時間でいいから連れてくるようお話した。場所柄ときどき皐月保育園の園児を診る事があるが子供のはりは一般に認知されていないと感じている。長く薬を飲んでいるアレルギーや小児喘息、おねしょや夜泣き、疳の虫などは試してみて欲しい。  

  • Posted by へんせき at 22:31Comments(1)小児・婦人科

    2010年05月20日

    治る腰痛と危険な腰痛

    鍼灸院で取り扱う疾患で一番多いのが腰痛だと思う。知り合いの整形外科医も腰痛の患者さんが一番多いと言っていた。腰痛は急性と慢性に大別されるが病名が特定される腰痛は少なく原因不明のことが多い。

    急性腰痛では俗に魔女の一撃と言われるギックリ腰に見舞われると数日動けなくなる。しかし予後は良好で何もしなくても1週間から10日動けるようになり1ヶ月以内に生活に不自由なくなる。急性でも慢性でも腰痛で最も気を付けなければいけないことは、稀ではあるがすい臓がん、腰椎や骨盤への転移がん、尿管結石、骨髄炎などが原因の腰痛だ。

    過去何名か残念な経過をたどった症例がある。60歳代女性。上腹部の不快感と左の腰部の鈍痛。2回治療したが症状が変わらないので病院での検査を勧めた。手術不可のすい臓がんと診断され8ヵ月後に旅立たれた。すい臓がんを早期に発見するのは非常に困難だがいつもと違う左腰の上部に異常を感じるなら一考を要する。一般的に内臓からの腰痛は安静にしていても痛む。

    60歳代男性。腰と腰椎、胸椎下部の痛み。過去に胃がんの手術を受け、現在前立腺肥大症の治療中であった。最初の治療で腰椎、胸椎に圧痛がありその痛みが治療で取れなかった。胃がんの骨転移もあるかなと思ったが患者さんは胃がんは完治していると仰る。2回目の治療の後圧迫骨折などの器質的疾患を疑い検査を勧めた。その2日後血尿が出てトイレで動けなくなったと電話がある。救急車を呼ぶよう指示した。結果前立腺がんが骨に転移していた。奥さんは泌尿器科に通院していたのにどうしてこうなったのかお嘆きであった。

    60歳代女性。調布市内の整体院に20回以上通院しても腰から大腿の痛みが良くならない。整体院は施術を続ければ良くなると言うが信用できなくなり来院された。よく診ると腰、大腿の他、肋骨にも痛みがある。既往歴を聞くと3年前に左乳癌全摘。その後術後のフォローをせずサプリで免疫力を高めるといううたい文句のクリニックにかよっている。はり治療の後痛みがとれ久しぶりに普通に歩けるという。その足で娘さんと新宿に買い物に出るがデパートで痛くなりタクシーで帰宅。往診を依頼されこの痛み方は乳がんの転移の可能性があるとお話しして検査に行くように勧めた。全身に転移していて6ヵ月後にお亡くなりになった。

    尋常でない腰痛はよく観察して治療すれば自分の範疇か否かは判断できる。鍼灸院では年に1例あるかないか本当に稀ではあるが注意している。腰痛には牽引などの理学療法、鎮痛剤、麻酔薬による神経ブロック、腰痛体操、鍼灸、整体、などの治療があるが急性腰痛は何も治療せず普通の生活をすると早く治るという報告がある。鍼灸に限れば治療者の技術の差が大きい印象がある。またごく普通に行われている牽引や神経ブロックが無効・有害との報告もある。一般的な慢性腰痛はあわてずに良く治療法を調べ信頼できる治療所を探すことが大事だ。  

  • Posted by へんせき at 22:57Comments(2)運動器疾患

    2010年05月18日

    首の痛みと腰の痛み

    体調管理に2週に1回通院中の50歳代の男性。数日前から車をバックさせる時左後ろを振り返ろうとすると首の付け根から首筋にかけて痛みが出て充分振り向けないとのこと。思い当たる原因はなく寝違いでもない。湿布を貼っていたが治らない。

    運動器疾患の痛みはこの1点が痛いというような場合はそこを治療点として効果があることも多い。いわゆる局所圧痛点療法というものだ。ところが痛い場所がこの辺りとやや広く漠然としている時は局所に治療してもあまり効かない。そのような時は経絡を利用した遠隔治療が効果的だ。これは痛い場所には触らず主に手、足、頭などのツボで痛みをとるやり方で患者さんは不思議だと仰るが臨床的にはいつも経験している。

    この患者さんも首の治療はせず手の太陽経と陽明経の治療で痛みは無くなった。痛みには幾つかの種類があるようで機能性の痛みはこのような治療法がよく効く。

    今日診た腰の痛みの患者さん・60歳代後半の女性は半年前に腰を打ってひびがはいり整形外科ではもう治っていると言われているが座っているとだんだん腰が痛くなり歩くのも最初はいいが10分くらい歩いていると痛くなるそうだ。痛くなる場所は500円硬貨ぐらいの範囲に限られている。腰を反らす動作をしてもらうと同部位に痛みが出る。

    痛みが出る部位を先が丸いお箸のような道具で軽く押して丹念に調べると特に痛い所が見つかった。そこに円皮鍼を貼りもう一度腰を反らしてもらうと痛みはなくなっている。そこでしばらく椅子に座っていて痛みがどうなるか様子を見た。15分後まだ痛くないので治療はここまでにして帰りがけ歩いてどうなるか試してもらうことにした。この症例のように痛い所の治療がいい場合もあるがこの一点を探すのが案外難しく少しずれると効果がない。

      

  • Posted by へんせき at 21:04Comments(3)運動器疾患

    2010年05月16日

    治りにくいアトピー性皮膚炎

    長期間アトピーを患い辛い思いをしている患者さんは多い。アトピー性皮膚炎は色々なタイプがあり割合治りやすいものものもあるが良くなったり悪化したりを繰り返し長期にわたりステロイド剤を使っている患者さんもいる。

    発症して期間が短いものは治りやすい。大人より子共のほうが治りやすい。ステロイド剤を使ってない方が治りやすい。生活習慣をコントロールできる人は治りやすい。逆に前記の反対は治りにくい。発症して時間がたち大人になってひどくなりステロイド剤を長期に使い生活の乱れがあるなどだ。

    小児が初めて発症した時は生活を見直し保湿剤を塗るだけでよくなることが多い。ところがここで安易にステロイド剤に頼ると後で症状がこじれてくる事になる。もちろん症状によってはステロイド剤や免疫抑制剤を短期的には使わなければいけない場合もあり臨機応変の対応が求められる。

    アトピーはアレルギーの症状でこの時自律神経的には副交感神経が亢進している。日常生活では運動する、太陽にあたる、肉体労働をする等交感神経を働かせ、甘いもの、油物、酒、ファーストフード、タバコ等副交感神経を亢進させるものを避けることが必要だ。それが出来て次に治療がある。

    1週間前26歳男性からアトピー性皮膚炎の相談を受けた。幼児期に発症し高校時代は入院治療を勧められる位悪化した。治療はステロイド剤中心。このままでは治らないと思い高校卒業後海外に行けば軽快するとの情報でロサンゼルスに留学したそうだ。海外生活中は症状は軽く生活に支障なく少々の不摂生でも悪化することはなかった。6年後帰国したが帰ってくると2週間ほどで痒みが出て1~2ヶ月経つとグチュグチュと浸出液が出て生活に支障が出たそうだ。その後何度か出入国を繰り返す。

    今回は昨年11月に帰国したが1ヶ月後からひどくなり3月にバンクーバーへ養生のため行き症状が落ち着いたので4月末に帰って来た。このままではまた同じようになると思うので鍼灸治療を試してみたいとのことだった。薬物治療は望んでないそうだ。基本の治療は副交感神経の抑制だが長期にこじれている場合はそれだけでは上手く行かない。1週間単位でどの治療が効果的か見極めることにし、治療法を指導して自宅で1パターンずつやってもらうことにした。今日電話があり悪化してないそうで17日に予約された。

    ちょうどタイミングよく私が信頼している愛知県の鍼灸師加藤先生からアトピー疾患のことでメールをいただきお互い情報交換しながら難治性のアトピー性皮膚炎の治療にあたろうということになった。  

  • Posted by へんせき at 00:14Comments(0)アレルギー

    2010年05月13日

    自律神経と鍼灸

    幸いなことに前回記事の耳鳴り難聴の患者さんはぶり返すこともなく99%良くなったと昨日の夜連絡をいただいた。不思議なことに40年間聴力を失っている右耳に言葉で表現しにくいが何か変化が起っているそうだ。常識的には元に戻ることは難しいと思われるが何か変化があれば病院でもう一度よく検査して現状を踏まえたうえで鍼灸で出来ることはやってみたい。

    自律神経は血管、リンパ腺、内臓などに分布して自分の意志と関係なく生命維持のため働いている神経系である。だから自律神経失調症という言葉もあるが本当に失調すると生きていられない。外科系と内科系に分けると自律神経の異常(変調)は内科系の病気に多い。喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患では副交感神経が異常興奮しているし、病気ではないが加齢とともに交感神経は興奮しがちになる性質がある。

    前回の記事で自律神経が関与している症状は治療直後に効果が出ると書いたが、副交感神経が本格的に興奮してくると1~2回で治すことは難しい。しかし急性の交感神経の異常は例えば急に血圧が上がった・急に熱が出たなどの症状は効果がすぐ分かる。救急病院の医師が狭心症で運ばれてきた患者さんに薬物療法をする前に心臓の交感神経を抑える鍼をして奏功した症例を聞いたこともある。

    治療行為と結果はよくフィードバックして漫然と治療をしない、受けないことは大切だ。慢性病だからとあきらめてはいけない。中高年になると生活習慣病や慢性の痛みで長期の治療を余儀なくされることも多いが、患者の心得としては治療を他人任せにせず自分の病気を良く知り治療の目的、効果を確かめながら受けて欲しい。先日往診した75歳の女性は膝痛で週5回のペースで1年間接骨院に通院したそうだ。効果が感じられなければもっと早く別の手を考えるべきだっただろう。

      

  • Posted by へんせき at 12:39Comments(4)医療情報

    2010年05月11日

    自律神経と耳鳴り

    耳鳴りに悩む人は多い。命に係るようなものは稀だが本当にうっとうしいものだ。加齢によるもの、薬の副作用によるもの、病気の後遺症によるもの、二次性のもの、原因不明のものと様々な要因が絡んでいる。

    耳鳴りに難聴が絡んでくるとQOLの低下につながる。昨日左の耳鳴りと難聴がある40歳代女性の治療をした。この方は右の聴力が幼少時より失われていているが左の耳は昨年11月までは正常であった。11月に耳鳴りと難聴で近くの開業耳鼻科で投薬治療を受け10日ほどで一旦良くなったが12月に再発しその時はJ大学病院を紹介され薬の治療で良くなったり悪化したりを繰り返していた。

    今回は4月28日から悪くなり一向に良くならないので5月8日に病院を受診したが特に治療法はないので今の薬を飲んで様子をみるように言われた。本人は右の耳のようになるかもしれない不安にかられ今まで全くやったことはないが鍼治療をしてみようと思われた。自分なりに仕事のストレスが原因で自律神経が乱れているのではないかと判断して昨日の午前中に自律神経免疫療法を標榜する鍼灸接骨院で治療をうけた。

    治療が終わっても耳鳴りに変化がなく帰宅してテレビをつけたが聞こえにくさも治っていないのでもう一度だけはりを受けてみようとネット検索をしてたんぽぽ針灸院の臨床雑記を見て来院された。お話をしていて耳が聞こえなくなることの不安と何とかしてよくなりたいという気持ちがヒシヒシと伝わってきた。

    自律神経が関係していると思われるが交感神経の異常か、副交感神経の異常か、両方が絡んでいるのか又どの臓器の異常興奮なのか確率の高いと思われるところから選穴していった。最初に選んだ副交感神経のツボでは全く耳鳴りに変化がない。次に内耳のリンパ液の問題を考え左の腎経のツボを刺激したら耳鳴りが軽くなってきた。右のツボを加えたら最初の半分以下になった。さらに頭のツボ1穴に鍼をして再度腎経のツボを治療したら80%改善したのでここで治療終了した。

    とても喜ばれお帰りになられた。すぐにぶり返すのではと心配したが今日の朝少し耳鳴りが残っているが聞こえはほとんど正常になったと電話があり土曜日にもう一度受診したいとのことだった。すべてがこうではないが自律神経が関している時は治療直後に効果が出ることが多い。


    以下ブログとは関係ないがGW中に神代植物公園に季節の花を見に行った。有名なバラはまだ咲いてなかったが芍薬、牡丹、藤が綺麗だった。これらは三つとも漢方薬の材料になる植物だ。

      

  • Posted by へんせき at 23:53Comments(3)感覚器疾患

    2010年05月08日

    月経前症候群のはり治療

    確定診断を受けていないが月経前症候群(PMS)と思われる症状で来院された。PMSとは排卵期から生理開始2日くらいに現れる身体的精神的な不快症状を総称する。

    この患者さんの訴えは生理開始1週間前から生理開始1~2日に身体的症状として下腹部痛、皮膚が荒れピリピリする、食欲亢進、眼がチカチカして奥が痛い、頭痛、疲労感、首肩のこり、精神的症状としてイライラして怒りっぽくなるというものだ。後4~5日で生理が始まる予定だそうだ。

    今日は何が辛いか聞くと目の奥の痛みと口の周りのピリピリ感、下腹部痛と首のこりが辛いと言う。症状は多いが目、口、首肩は手と頭のツボを下腹部痛には足のツボを中心に一穴づつ症状が変化するかどうか確認しながら治療する。完全ではないが70~80%良くなったのでポイントのツボに円皮鍼を貼り終了した。次回は生理が始まった日に鍼治療を試してみたいそうだ。

    月経前症候群の原因は黄体ホルモン説、Βーエンドルフィン説、セロトニン説などであるが確定されていない。薬物治療としてはビタミンやミネラル薬、抗うつ薬(SSRI)、精神安定剤、経口避妊薬(ピル)などがある。

    PNSは悪性の病気ではないが本人の辛さはもちろんのこと生活の質を落とし、周りの人間関係を悪くするなどの問題を起こすこともあるので鍼灸治療も含め体に優しい治療から試してみられるといい。

      

  • Posted by へんせき at 22:37Comments(0)小児・婦人科

    2010年05月06日

    風邪のはり灸治療

    このゴールデンウィーク中は五月晴れが続き不順な天気もやっと安定したようだ。ただ昼夜の気温の差が大きいせいか風邪をひいた患者さんが連休中2名お見えになった。

    一般的に風邪の治療に鍼灸を第一選択にする人は少ないと思うが、時期とやり方を間違えなければ有効な方法と思う。風邪のタイプとして大別すると陽的な風邪(発熱 咳 頭痛など症状がひどいが割と早く治る)と陰的な風邪(熱はなく体がだるくいつまでもすっきりしない)に分類できる。

    思えば昨年の今頃は新型インフルエンザで大騒ぎしていたがこれは一般の風邪とは一線を画した方がいい。陽的な風邪は交感神経抗進タイプで陰的な風邪は副交感神経抗進タイプと考えてもいい。どちらも鍼で亢進している自律神経を抑えそのうえで随伴症状(咳 吐き気 下痢 咽喉の痛み等)に関係している経絡の治療や特定の症状に効く特効穴に治療を加える。妊婦さんのように薬が使いにくい人は鍼灸を利用して欲しい。

    風邪は誰でも罹るもので子供は風邪を引きながら免疫を獲得していく。大人もたまに熱を出すと体の中の大掃除になると言われているので必要悪の意味もある。しかし基礎疾患がある人は風邪を契機に悪化することがあるので注意が必要だ。

    自宅でできる予防法は寒風摩擦などで皮膚を鍛える、食べ過ぎや睡眠不足で抵抗力を弱めないことだ。家庭に艾を常備しておきゾクゾクとしたりくしゃみをした時早い時期に首の後ろの大椎や風門のツボを温めることも効果がある。また数種類の漢方薬を常備して専門家の指示を受け服用するのもいいと思う。  

  • Posted by へんせき at 16:34Comments(0)呼吸・循環器

    2010年05月02日

    片頭痛の鍼灸治療

    片頭痛は緊張型頭痛についで患者数が多く、特徴は急に痛みが始まりズキズキと脈の拍動に合わせて片側の眼の周りからこめかみ付近が特に痛む。しかし約半数は拍動がなく4割は両側性に痛む。発作の頻度は月に1~2回ないし週に1回程度で、男女比では1:4で女性に多く女性ホルモンが関係していることも多い。

    昨日30歳代後半の女性が片頭痛を訴えられ来院された。一昨日夜から頭痛が始まり3回嘔吐したしたそうで今は吐き気は治まっているが右こめかみ付近に拍動性の痛みがあり右後頚部に鈍痛がある。第二子の授乳中なので鎮痛剤は服用したくないそうだ。

    過去のお話を聞くと小学生の頃からよく頭が痛いと言っていたそうで、数年前に頭痛外来を受診して器質的疾患は除外され片頭痛と緊張型頭痛の混在型との診断で薬での治療を始めるところだったが妊娠が分かり中止したそうだ。この方の頭痛はホルモンの影響を受けているようで第一子の妊娠から第二子の出産まで片頭痛は起こらなかったそうだ。

    片頭痛の原因は完全に解明されていないが脳内血管が拡張することが一因とされる。治療はこめかみ部の痛みがどう変化するかを指標に副交感神経を抑制して血管収縮を目指した。手と足の陽明経のツボ各1ヶ所から刺絡すると直後ズキズキした痛みが引き始めた。5分時間をおいて再度同じ治療をするとこめかみ部の痛みは9割なくなったが、後頚部の鈍痛はあまり変わらない。

    これは筋緊張によるものかと思い右足膀胱経に鍼をしたら治まっていたこめかみ部の痛みが再現してきた。すぐに中止してもう一度最初の治療を繰り返すとズキズキ感は治まり後頚部の鈍痛も8割がた無くなった。効果のあったツボに円皮鍼を貼り痛みが出たらそこを圧迫して刺激するようにお話して治療終了した。

    このままでは今回良くなっても1ヶ月以内にまた痛くなる可能性が高いのでどう予防していくか次回お話しすることにした。一般的に薬が使えれば痛くなりかけたときにトリプタン製剤を飲むといいが、依存性や頻繁に使うとかえって頭痛が起き易くなることもある。

    片頭痛発作は起きてしまうと暗く静かな部屋で頭を冷やし安静にしてやり過ごすしかないが早期のはり治療が奏効することも多い。また8割くらいの患者さんは首や肩の筋緊張(こり感)があるのでこれに対処することも予防につながると考えられる。

      

  • Posted by へんせき at 13:21Comments(0)脳・精神・神経