たまりば

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2010年04月30日

痔の悩み

成人の三人に一人は痔主といわれるが羞恥心のためか一人で悩んでいる人が多い。痔疾を主訴に鍼灸に来る人は少ないが他の治療のついでに相談される。

痔は良性の疾患だから生活に支障がなければあまり気にしなくてもいいが肛門出血を痔と自己判断して直腸がんや結腸がんを見逃すことは怖い。最近はウォシュレットが普及し出血に気付かないことも多い。内痔核の出血は裂肛の出血と違い痛みがない。また内痔核の脱出と思っていて直腸脱のこともある。変だと思ったら一度診察を受けた方が無難だ。

痔核や裂肛は保存療法と生活習慣の改善でよくなることが多い。しかし痔ろうは手術でしか完治できないので信頼できる専門医を受診すべきだ。先日以前痔ろうの手術を受けたが再発したようだと相談を受けたので専門医を紹介した。原因は以前の手術が不完全だったそうだ。この方はシートン法で日帰り手術がなされた。

さて痔に対して鍼灸治療が適応なのは保存療法が適している場合だ。頭の頂点にある百会は有名なツボでここにお灸を重ねてくと肛門にツーンと響いてくる。また前腕の孔最のツボは痔の出血に効果がある。痔の原因のひとつに便秘・下痢の便通異常がある。薬と違い副作用がなく便通異常の調整にはり灸は効果がある。また痔静脈叢の循環改善にもいいと思う。

女性の方も受診しやすい医療機関を紹介する。赤坂でマリーゴールドクリニックhttp://www.marigold-clinic.com/を開設されている山口トキ子先生は日本で初めての女性痔専門医で信頼できる医師だ。

  

  • Posted by へんせき at 08:39Comments(0)生活習慣病

    2010年04月27日

    0期の子宮頸がん

    慢性C型肝炎の肝庇護療法を続けながら鍼灸を月に3回ほど受けられている70歳代前半の女性が偶然に子宮頸がんの診断をされた。ある日新聞を読んでいてその記事が自分に当てはまるような気がしたのでH病院婦人科を受診した。気にしていた病気は否定されたがずっと検診をしてなかったのでついでだから子宮頸がんも調べたら陽性であった。

    その後さらに詳しい細胞検査をして0期の子宮頸がんと確定診断され子宮全摘手術を提案された。その時相談を受けた。私は0期の子宮頸がんなら子宮頚部円錐切除術が一般的な術式だと思っていたのでセカンドオピニオンを勧めた。次にJ大学病院でもう一度細胞診、CT、MRI、PETの検査を受けやはり0期の癌と診断を受け治療法はやはり開腹による単純子宮全摘出術であった。

    このステージの頚がんなら開腹以外に方法があると思ったので開業産婦人科医に相談してT大学放射線科を紹介してもらった。そこでは病巣がはっきりしないので放射線をかけられないと言われ、同大学婦人科に回された。円錐切除術は年齢的に子宮粘膜が手術に不適なのでやはり全摘出を勧められた。

    しかし0期の子宮頸がんならもっと負担が少ない手術があると思うのでもう一度開業婦人科医に別の医療機関を紹介してもらうよう言った。同時にお住まいの近くで光線力学療法をしている杏雲堂病院で相談することも提案した。結局この療法は選ばれなかったがこれは麻酔を使わず、切ったり、焼いたりしないので条件さえ合えば体に負担のない治療法だと思う。欠点は治療に時間がかかることだ。

    この方は次に紹介された癌研有明病院で経膣式の手術を受け5日間の入院で退院された。この方法は開腹手術に比べ傷が残らない、癒着が防げる、術後の回復が早いメリットがある。

    この症例で学んだことは高齢婦人でも子宮頸がんの検診は必要。早期の癌なら色々な治療法があるので自分が納得する治療法を探すこと。子宮頸がんはウィルスが原因で予防接種でかなり防げることが分かっている。日本でも接種が始まったがまだ意識が低く経済的負担が大きいこともあり普及が遅れているのは残念だ。子宮体癌は検査が少し大変だが閉経後もし不正出血があったらためらわず婦人科を受診して頂きたい。

      

  • Posted by へんせき at 21:41Comments(0)小児・婦人科

    2010年04月25日

    天候不順と自律神経

    今年のように天候不順な春も珍しい。桜も開花後気温が上がらなかったので長い間楽しめた。しかし野菜の値段はびっくりするほど高くなっている。雪が降ったかと思えば夏日になったりあまりの変化の激しさに体が付いていけない人も多いようだ。

    先週は一時的だと思うが安定していた血圧が急に上がった患者さんを5名診た。その内3名は降圧剤を服用して正常血圧内に落ち着いていた方で2名は普段血圧測定しても正常値の方だ。5名の方皆さん自覚症状はないが先週は気温の変化が激しかったので来院された全ての患者さんの血圧を測ってみた。

    自律神経の異常亢進が原因ではないかと思ったので交感神経抑制の鍼をするとその場で最高血圧が10~15mmHg下がる。一過性の高血圧はこれで治まるので自分で治療法を覚えておくといい。

    気温以外に気圧も体調に影響する。日本の天気は通常西から東へ移っていくので西日本の天気が悪くなると頭痛や関節痛をかんじる人がいる。台風シーズンは南から北へ気圧が変化する。台風がフィリピン付近にあるときに反応する敏感な人もいる。気圧が下がってくる時の体調の変化は副交感神経の異常亢進が多い。

    もうすぐ1年のうちでもっとも過ごしやすい時期を迎える。五月晴れのもと野山を歩くと沢山の草花が迎えてくれ日頃のストレスも発散されるだろう。

      

  • Posted by へんせき at 09:31Comments(0)不定愁訴・体調管理

    2010年04月22日

    慢性関節痛の運動療法

    膝、腰、肩などの関節に慢性的な痛みを抱えている人は多い。若い人の場合原因はスポーツのやりすぎや事故の後遺症などはっきりしていることが多いが中高年者ではいろいろの原因が絡み合って簡単ではない。

    関節の特徴のひとつとして関節には血管がない。栄養は関節液で補充されている。すなわち関節が健康な状態に維持されるには関節液が十分行き渡らなければならない。そのために運動が必要になる。

    運動といっても難しいことはない。関節液を関節包に回せばいい。膝関節を例に取れば椅子に腰掛けたまま足ぶみをする、ゆっくり膝を曲げ伸ばしする、前横に20cm位ステップする。お風呂の中で膝を曲げ伸ばしするのもいい。これだけの簡単な運動でもやる前と後では膝の可動域が広がるのを実感するだろう。実際の治療でもお皿の動きがいい人は治りやすい。

    膝が痛いといっても痛みを感じているところは脳である。慢性痛は脳が痛みを記憶しているので痛みの認識を変える必要もある。一般的に慢性痛がある人は動かすと痛いので心に恐怖感が刻まれ動かさなくなる。動かさないと関節液が回らず痛みも取れず可動域も悪くなる悪循環に陥る。

    効果的な運動とは痛くない・やった後に動きが広がる運動で、疲れる・動きが悪くなる運動は逆効果だ。運動は他人が替わってやれないので自覚するしかないがやれば治療効果は必ずあがるので痛みがあるからとあきらめないでぜひ試していただきたい。

      

  • Posted by へんせき at 23:24Comments(0)不定愁訴・体調管理

    2010年04月21日

    耳鳴り・難聴の悩み

    十数年前に耳鳴りと難聴で治療した患者さんが久しぶりに来院された。現在はリタイヤ後悠々自適の生活をしておられるが、以前は海外勤務や人間関係のストレスでメニエル様のめまい、嘔吐から耳鳴り、難聴を発し病院で1週間の点滴治療を受けた後の来院であった。

    すでにカルテを処分してあるので詳しい経過を覚えていないが2~3ヶ月で軽快したと思う。本人の言によると鍼灸に来た時めまいは治まっていたがガーン、ゴーンとする耳鳴りが取れず左耳の聴力も落ちていたが耳鼻科で通気以外積極的な治療がないとのことで鍼灸を試してみようと思ったそうだ。

    今回は1年ほど前から以前と同じ左耳にシーンという耳鳴りが気になりだしテレビの音が大きいと奥さんに言われるようになったそうだ。確かに右耳を塞ぐと聞こえにくいので昔のことを思い出しもう一度試してみようと思ったそうだ。年は70歳になったがストレスは特にないそうだ。耳鼻科に行っても聴力検査をするだけだと思うので今回は行ってないそうだ。

    治療はなるべくシンプルにシーンという耳鳴りに変化が起こるかを指標に行った。先ず手足の陽明経のツボ4ヶ所で自律神経の調整をして頭部のツボ2ヶ所に斜めにはりをしてしばらく置鍼した。5分経過したとき耳鳴りに変化が出た。少し音が小さくなった。15分経った時さらに小さくなった。同時に血管が脈打つような感じがしてきたそうだ。

    おそらく血行が変わってきたためだろう。ここではりを取り初回の治療を終了した。音の聞こえ具合はよく分からないそうだ。私が初回の治療で気をつけているのはある治療行為で何らかの良い変化があるかどうかだ。もしそうなら何度か続ければ治癒に向かうと思う。欲張って刺激量が多くなると人によっては体がだるくなる等余計な負担をかけることになる。  

  • Posted by へんせき at 00:22Comments(0)感覚器疾患

    2010年04月19日

    頚椎椎間板ヘルニアの鍼灸治療

    右肩から上腕、前腕までの痛みと痺れを主訴をする50歳代男性が来院された。2週間ほど前から症状が出て数日経っても治らないので最初整骨院に行ったが痺れがひどくなったので整形外科を受診した。診断はMRIを撮らないとはっきりしないが頚椎の軽いヘルニアか神経根性頚椎症だろうと言われた。

    治療は湿布、鎮痛剤、局所の温熱治療を受けているそうだ。幾らか良くなったが首を動かすと痛みと痺れが出るのではり治療を試してみたいとのことだ。このブログでも何度か書いているが鍼や灸で器質的変形が元に戻ることはないが自覚症状が変化することは日常的に経験している。

    先ず首や腕を色々な方向に動かしてどこで症状が強くなるか確かめ痛みと痺れが軽くなるツボを探しながら治療を進めた。私は初診時ほとんど痛みの局所に施術しない。理由は他の治療所を経ての来院の場合すでに局所的には治療をされていているのでいまさら同じことをする必要はないと思うからだ。もちろん痛みの部分がどうなっているかの診察はする。

    治療の結果前腕の症状は無くなったが首を後屈しての肩上部、肩甲部の痛みはまだ最初の半分くらい残っている。今日はここで時間いっぱいになり様子を見てもう一度来てもらうことにした。鍼灸治療の場合治療直後より1~2日経って改善することもある。今日の治療で効果があったツボには自宅でお灸をしてもらうことにした。  

  • Posted by へんせき at 22:08Comments(0)運動器疾患

    2010年04月18日

    歩けない足の痛み

    一昨日、ギックリ腰ではないが右足が痛くて動けないので往診の依頼があった。60歳代男性で4月5日に右膝関節が痛くなり掛かり付けの整形外科受診、膝のレントゲン写真で特に異常なし(消炎鎮痛剤処方)その後お皿の上方に痛みが出てきたが4月10日車を運転して長野まで行き翌日帰宅した。この時点までは痛くても歩けた。

    翌日4月12日朝から痛みがひどくなり歩けなくなる。上記の医者に連絡すると近くの病院を受診するようにとの指示を受ける。13日慈恵第三病院の整形外科受診、右膝と腰のレントゲン写真を撮る。特筆すべき変形はなくそのときは関節の痛みがひどかったので関節内に注射をして、湿布を処方される。

    注射をして関節の痛みは楽になったが翌日からまた関節の少し上の筋肉が痛く痺れも出てきた。じっとしていてもズキズキと痛み側臥位で横になっている他なく鍼灸の経験はないが痛みが軽くなればと思い往診を依頼したそうだ。

    診察すると右膝の少し上大腿四頭筋の前面と内側の痛みと痺れがひどく椅子に座ることも出来ない。会社も12日から休んでいるそうだ。過去の病歴を聞くと20年くらい前に腰を痛め現在は落ち着いているがこの4年上記のクリニックで腰の牽引をしているそうだ。そうなると今腰の痛みはないが腰が膝上の症状と関係している可能性がある。

    じっとしていても痛みと痺れがあるのでこの自覚症状を目安に足首から先の末端および頭のツボにはりをしながら変化を見ていった。さらに右腰に2ヶ所はりをした。痛みを感じる所には直接はりはしない。ズキズキ感は無くなったが動かすとまだ痛い。しかし最初なのでここで治療終了して1日様子を見てもらうことにする。

    翌日電話があり夜中いったん痛みがひどくなったが朝起きると昨日より楽になっているとのこと。そして今日午後2回目の往診に行く。今日は薬をもらいに慈恵まで車で送ってもらったが何とか歩けたし一昨日より良くなっているのをはっきり自覚できるとのこと。椅子にも座れるようになった。慈恵の医者は腰を疑いMRIの検査をしたそうだ。

    痛みと痺れが変化するツボを探してなるべく軽い刺激で治療する。今日はまだ少し足を引きずりながらだが玄関先まで送ってくれた。月曜日には何とか出勤できそうな気がするとおっしゃる。この方のようにはっきりした原因が分からない痛みに対しても鍼は効果があると実感できた。もう少し治療継続が必要と思われる。

      

  • Posted by へんせき at 01:19Comments(0)運動器疾患

    2010年04月16日

    慢性前立腺炎その後・2

    先週この欄で紹介した慢性前立腺炎の患者さんの3回目の治療をした。症状は完全にとれないものの安定しているそうだ。これくらいの状態が続けば日常生活に支障なく過ごせそうだとおっしゃる。この1週間自己治療は3回したそうだ。

    最初の治療のあとどのような時悪化するかまた調子が良いか日常生活をよく観察してみるようお話した。それによると飲酒、長時間の座位、便秘、排尿を我慢する、体の冷え等は良くなく逆にお風呂、軽い運動は良いそうだ。今後も注意深く観察するようお話した。

    今の治療で効いているようなので治療は前回とほぼ同様だが、腰の反応点1ヶ所に少し熱いのを我慢していただき30壮の多壮灸をした。お灸のこつは皮膚表面に熱さを感じるのではなくジーンとした熱感が体の深部に届くようにすることだ。これは直接灸でも間接灸でも同じことだ。

    自宅治療は週に2~3回してもらい来週の泌尿器科の診察時には薬の相談をしてみるそうだ。自分の病気をよく調べ患者から医者へ積極的な働きかけることは大切だ。先年鬼籍に入られたが入澤俊氏先生の名著「こちら泌尿器科110番」全3巻にはユーモアたっぷりに色々な泌尿器疾患を紹介されている。病気だけでなく患者もよく診た先生が偲ばれる本だ。  

  • Posted by へんせき at 19:49Comments(0)泌尿・生殖器

    2010年04月14日

    うつ病(鬱症状)の鍼

    年に数人だがうつ病で通院治療中の患者さんから鍼灸を併用してみたいと相談をうける。うつ病にも色々なレベルとうつ病に似ているがそうでないものもあり確定診断は専門家に委ねるべきだろう。うつ病は心の風邪とも言われ割と簡単に治るようなイメージもあるが実情はそうでない。

    医療保険加入の際保険会社が一番気にするのは癌でも心臓病でもなくうつ病を含めた精神疾患だそうだ。理由はこじれると治るまで何年も要するからだ。心の風邪とは誰でも罹りますよ、罹ったら悩まずに風邪のように病院に行きましょうとの意に解釈すべきだろう。

    はり治療をすると明らかに変化が見られる。感受性が高い人は治療の途中から気分がスーッとなるようだ。ただそれが長続きせず最初のうちは翌朝また以前の状態にもどり、せっかく良くなったと思ったのにがっかりなさる方もいる。それでも何度か続けているうちにいい状態が延び睡眠の質はよくなる。

    精神科の治療では薬物療法として現在、広く使われているのがSSRIとSNRIというタイプの抗うつ剤で、昨年新しいタイプのリフレックスが発売された。薬は治療の第一選択だが副作用と効いて来るまでの時間、さらに長期間の服用など問題もある。

    はり治療を早期にするなら薬が効き始めるまでの不調を和らげることができ、その後の服薬量や服薬期間の短縮につながると思う。ストレス社会で誰しもうつ症状と無縁ではない。鍼灸には神経の興奮を抑える作用があるので日常の精神安定に利用して欲しい。

      

  • Posted by へんせき at 21:24Comments(0)脳・精神・神経

    2010年04月12日

    具体的な肩こり治療

    きょう初診で20歳代女性の肩こりを診た。過去2回実家の祖母が行っている所で鍼をしたことがあるが、誰の紹介もなく始めてのところで治療を受けるにはやはり勇気がいったそうだ。

    症状は肩上部が石のように硬く首筋が突っ張り首を回すとグキグキ音がする。じっとしていても首肩が重く美容院でいつもひどいコリですねと言われるそうだ。治療前に血圧を測ると90/60と低く手足がとても冷たい。先ず10分熱めの足湯をすると手も暖かくなった。このように手まで暖かくなる人は治療も上手くいくことが多い。

    首を色々な方向に動かしたり回してもらいどの動作や位置で痛みや緊張が強くなるかしつこいくらい確認してまず左手の指にはりをした。治療効果を確認するため再度首を動かしてもらったが最初の痛みはなくなっていて患者さんは少し驚かれたようだ。さらに首肩をチェックしながら手足のツボ4ヶ所の治療で来院時の不快感は80%なくなった。眼精疲労の治療をしようかと思ったが初診なので中止した。

    次にベットに寝てもらい深呼吸をして空気がどこまで入るか確認してみる。みぞおちまでしか入らないので手の心経のツボにはりをしてもう一度深呼吸してもらうとおへそまで空気が入る。お腹を触診するとみぞおちの少し下に圧痛がある。自分でも押してもらい痛みを確認させる。左の足脾経のツボにはりをして再度お腹を押してもらうと痛みはほぼ消失。内臓的には心と胃の機能が落ちていた。

    再度座位で仕上げに百会に刺絡して肩にははりを刺さず接触鍼をして治療終了。体が軽くなるとおっしゃる。最後にお風呂で強い自己マッサージの中止と夕食が遅いので軽くして朝食をしっかり取るようお話しストレッチと軽い筋トレの指導をした。このような肩こりでマッサージをするなら皮膚の上を撫でてリンパ液をリンパ管に流す方がいい。

      

  • Posted by へんせき at 23:33Comments(0)運動器疾患

    2010年04月11日

    鍼灸の適応症

    私が所属している鍼灸の会は年に3回の研究会と意見交換会を行っている。会長は96歳の医者で足は少し弱られているが頭脳はいまだ全く衰えていない。今日は今年最初の研究会で会長のお話の後、私を含め5名の先生方の発表があった。いずれも日頃の臨床に基づいた大変参考になる研究発表であった。

    幾つか症例をあげると在宅医療で高齢の為手術不可の肺がんの進行が停止している・うつ病が5回の治療で外出でるまでに回復した・刺絡と円皮鍼で顔面神経麻痺の違和感で消失した・慢性膝痛の急性悪化が足指4ヶ所と頭部の刺絡1回で改善した・片頭痛が定期的な治療で治まっている等である。

    患者さんから変形性膝関節症にはりは効きますかとか、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症にはりは効きますかとかの問い合わせがあると鍼灸はいまだにこの様な病気のファーストチョイスになっていないのだなと思うと同時にもっと底辺を広げる努力が足らないと感じる。まして内科疾患やアレルギー疾患、精神神経疾患など一般的にはどのように認識されているのだろう。

    くしゃみ3回ルル3錠というキャッチコピーがあったが鍼灸師ならくしゃみ3回風門の灸で対処するだろう。鍼灸医療の可能性は限りなく広いと思うがはり灸を専門にやっているところはとても少ない。調布でも数軒しかない。整骨院、整体院、カイロ、クイックマッサージなどはとても増えたが鍼灸院はそうではない。美容室やコンビに並に増えると受療者も増え結果として国民医療費の抑制にも寄与するのではないかと想像する。  

  • Posted by へんせき at 22:01Comments(0)医療情報

    2010年04月09日

    慢性前立腺炎その後

    先週治療した慢性前立腺炎の患者さんが2回目の治療に来院された。この1週間の経過を聞くと指示したお灸は5日間続け症状は残っているが50%くらい改善したそうだ。

    今日の治療は腎経と膀胱経の刺絡を中心に下腹部と仙骨部の反応点にお灸をして最後に頭頂部の百会に鍼をした。この百会のツボは色々な使い方があるが全身的には交感神経の興奮を抑え部位的には体の正中線上に症状が出ている時は効果的だ。

    泌尿器科では抗生剤は止めα1遮断薬と生薬製剤だけ処方されているそうだ。α1遮断薬はユリーフ、フリバス、ハルナールと3種類あるが効く受容体が少しづつ違うので人により効き目が違う。医者と相談してどれが一番合うか試してみるようお話した。

    引き続き自宅での治療をしてもらうことにしたが、今回は刺絡のやり方を指導して3ヶ所のツボを1日おきにやり経過を見ることにした。この病気は何かのきっかけで悪化することもあるがそのような時症状を抑える自宅療法を覚えていれば心強い。  

  • Posted by へんせき at 22:32Comments(0)泌尿・生殖器

    2010年04月07日

    手指の障害(腱鞘炎・ばね指)

    四国のお遍路巡礼から戻られた50歳代後半の女性。昨年秋に5日間のお遍路に続き2度目の旅で今回はかなり険しい山道が行程に組まれていたそうだ。雨で足元が悪いなか金剛杖をしっかり握り締め1日30km歩く日もあったとのこと。

    そのせいかお遍路最終日から右手中指がばね指になり帰宅後1週間経っても治らないそうだ。痛みはひどくないが指を曲げて伸ばすときにひっかかる。おそらく長時間杖を握っていた為に指の筋肉や腱が疲労し軽い炎症を起こしていると思われた。

    治療は杖を握る動作で負担のかかる前腕と上腕の圧痛点を調べ、さらに手の甲と中指の筋肉のこりと圧痛点を探した。そしてそれらの反応点が指を伸ばすときの引っ掛かりと関係しているか否かを調べた。指の引っ掛かりが軽くなる3箇所に円皮鍼を貼り1ヶ所刺絡した。これで1週間様子を見てもらうことにした。

    腱鞘炎やばね指はほとんど指の使い過ぎが原因でギターやバイオリンの練習、植木職人や理容師や調理師など職業が関係しているものもある。また手根管症候群といって1,2.3指が痺れ特に親指の動きが悪くなる病気がある。使いすぎも一因だが女性の場合ホルモンの影響を受け中年以降に多いので知っておきたい。  

  • Posted by へんせき at 20:21Comments(0)運動器疾患

    2010年04月05日

    高齢者の患者心理

    先週往診を依頼された86歳の女性宅へ今日2回目の治療に伺った。主訴は両膝の関節痛だが慢性気管支喘息、神経因性膀胱、高血圧でも通院されている。以前から悪かった膝の痛みが最近ひどくなり近所の整形外科に行ったが医者からの心無い言葉ですっかり気落ちしてしまったそうだ。

    高齢になるとあちこち悪いところが出てくるのはある程度意仕方ないことで、医者の側から積極的な治療が出来ないこともあろうが言葉は慎重に発したい.。キリスト教で『はじめに言葉ありき』日本でも古来『言霊』というように言葉には人に希望を与えたり逆に絶望に突き落とすこともある。

    年のせいもあろうがそれは患者さんに言う言葉ではない。そんなことは言われなくても患者さんは分かっている。治療者は目の前の患者さんが少しでも楽になるよう努力すればいい。全ての病気が治るわけではないが努力は評価してもらえる。

    前回は足の指や甲を中心に治療した。効果として左膝の熱感は取れていた。今日は前回の治療に加えてふくらはぎに長針を使い5分間置鍼した。部屋の中を歩いてもらうと最初より足が軽いそうだ。歩いて5分ほどの所にあるスーパーマーケットに歩いて行けるのを目標に治療を続ける予定だ。  

  • Posted by へんせき at 22:33Comments(0)不定愁訴・体調管理

    2010年04月03日

    慢性前立腺炎の鍼灸治療

    男性泌尿器疾患の中で慢性前立腺炎に悩んでいる患者さんは多い。急性前立腺炎は激烈な症状だが適切な治療をすれば1週間くらいで完治する。しかし慢性前立腺炎はそうはいかない。一般的には抗生物質、生薬製剤、α1遮断剤で治療するがすっきり治らず何軒もドクターショッピングをしたり鬱症状を呈する人もいる。

    前立腺肥大症や前立腺がんは中高年に多いが(急性、慢性)前立腺炎は若い人も例外ではない。昨日30代後半の慢性非細菌性前立腺炎で泌尿器科を受療中の患者さんが来院された。非細菌性というのは前立腺マッサージをした後の尿のなかに起因菌が見つからない場合です。症状は会陰部と鼠径部の鈍痛、残尿感、頻尿、などで良くなったり悪くなったりでこのまま治らなかったらどうなるのか心配されていた。

    この病気は急性から移行して慢性となる場合もあるが最初から慢性の経過をとるものの方が多い。この患者さんも初めから慢性の症状である。どのような鍼灸治療をするかというと私の場合頭のツボと足のツボが中心になる。経絡は主に任脈、督脈、肝経、腎経、膀胱経を使う。

    非細菌性の慢性前立腺炎は原因がはっきりしないが宿主(患者)に何らかの要因がからんでいる可能性は大である。体の抵抗力が落ちたときに症状が出やすいのでストレス、冷え、飲酒などに気をつけ自宅で足のツボ左右3ヶ所に1週間毎日お灸をしてもらうことにして治療を終えた。  

  • Posted by へんせき at 23:48Comments(0)泌尿・生殖器