たまりば

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2015年11月01日

過活動膀胱・夜間頻尿の鍼灸治療

夜中に何度もトイレに行くようになり半年前泌尿器科を受診して過活動膀胱の診断を受けた68歳の男性。前立腺肥大はそれほどでもなく抗コリン剤の処方を受けずっと服用しているが思ったほどの改善がなく、大学時代の友人から鍼灸治療を勧められ来院された。

現在の排尿状況は日中12回、夜間3~4回くらい。気になるのはもっぱら頻尿で急な尿意ひっ迫感で困ってはいない。希望として昼間は排尿間隔が2時間、夜は2回で済めば楽なのだがとのこと。現在高血圧と高脂血症の薬を飲んでいる。

お腹を診るとお臍の右斜め上に圧痛。右F3井穴刺絡の後、H5F5井穴刺絡。恥骨上縁の圧痛点に鍼をして中極に施灸7壮。仙骨部の圧痛点4ヶ所に施灸各5壮して志室にせんねん灸をする。最後に百会の刺絡をして治療終了。

治療中体が温まりリラックスしたと言われる。3日後二回目の治療。前回治療後の様子は体がすっきりして爽快感があった。夜間の回数が2回に減り睡眠がよくなった。日中はあまり変わらない。他には排便がスムーズになり気持ちがいいとのこと。しばらく継続して治療を受けたいとのことだが自宅で足湯と膀胱訓練をしていただくことにした。



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  • Posted by へんせき at 21:18Comments(0)泌尿・生殖器

    2014年09月28日

    慢性前立腺炎による会陰部灼熱感と手足のほてり

    56歳会社員。50歳頃に会陰部の鈍痛を感じ泌尿器科を受診した。細菌性ではない前立腺のむくみによる慢性前立腺炎と診断され生薬製剤、α1受容体拮抗薬、漢方薬などの治療を受け1年半前からはハルナールとアボルブを処方されている。

    今の症状は会陰部の鈍痛と熱感、手掌と足裏のほてり。坐業が続いたりお酒を飲むと明らかに悪化する。夜間排尿は1~2回。日中の頻尿は気にならない。仕事は事務職で円座クッションが手放せないと言う。1週間後に海外旅行を控え片道12時間の飛行機が不安で奥様の勧めで来院された。他に痛風と逆流性食道炎の薬を飲んでいる。

    非細菌性慢性前立腺炎の症状は多彩で確立された治療法はなく緩解、増悪を繰り返し治療が長期に及ぶことも珍しくない。鍼灸治療でも治療効果には個人差が大きく割と短期間に症状が落ち着くこともあれば、手を焼くこともある。

    この症例では1回の治療で症状がほとんどなくなったので、治療手順を報告する。F3→F2→F4井穴刺絡と百会刺絡。これで70%よくなる。次に仙骨部に陰部神経を目標にEAPと曲泉に灸5壮。これで手足のほてりと会陰部の鈍痛もほとんどなくなった。こんなにスッーと症状が取れることも珍しい。

    またぶり返すかもしれないがこの治療で効いたので出来れば数回連続して治療を続け症状が戻らないようにすることが望ましい。

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  • Posted by へんせき at 22:45Comments(0)泌尿・生殖器

    2014年06月20日

    急性膀胱炎から排尿困難(神経因性膀胱?)

    30歳代の女性会社員。23年12月に急性膀胱炎になったが抗生物質の服用でよくなったように思われた。しかし24年1月から膀胱の痛みをずっと感じるようになった。過活動膀胱の薬を処方されたが症状は変わらず正常な尿意を感じなくなった。

    病院を変え再度診察を受け神経因性膀胱と診断され、薬も幾つか試して今は2種類の抗不安薬とα遮断薬を飲んでいる。昨年と今年尿閉を起こし病院で導尿をした。大学病院で検査もして残尿はあるが目立った異常はないと言われ経過観察中とのこと。

    現在の辛い症状は膀胱の下部から尿道が常に痛く、尿が溜まって来るにつれて痛みがひどくなる。排尿するまでに時間がかかる。(2、3分~60分) 普通の尿意でなく痛みが尿意に代わっているようで我慢しているとすぐに排尿できず尿閉になりそうとのこと。抗不安薬は飲まないと痛みがよりひどく足までズキズキ痛む。

    お腹を診ると恥骨の上部に圧痛多数。治療は骨盤底筋や排尿の筋肉が過緊張を起こしているのではないかとの推定のもとにF1F2F3F4の井穴刺絡。腹部圧痛点にパイオネックス。仙骨部、足陰経の圧痛点に施灸。自宅で足湯とピソマの井穴刺激、お灸をしながら今年5月10日から5回治療した。

    すっきり治っていないが痛みの程度が軽くなり時に忘れていることもある。正常な尿意はまだだが初診時より改善している実感はある。下腹部の圧痛点も減っているのでもう少し継続治療予定である。

    器質的疾患はなくとも泌尿器にトラブルがあると外出や仕事に支障が出て、気分も落ち込み軽いうつ症状にもなる。自宅で出来る治療もあるので困っている方はぜひ試していただきたい。

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  • Posted by へんせき at 21:54Comments(0)泌尿・生殖器

    2014年05月12日

    排尿恐怖で自宅以外で用がたせなくなった女子高生

    中学2年くらいから学校で用が足せなくなった。(尿意がありトイレに入っても排尿できない) 親にも言えずにずっと我慢していたが高校1年の時母親に相談して病院に行った。検査をしても器質的な異常はなく精神的心理的な問題だろうと診断され、現在まで1年半ほど心療内科で安定剤と抗うつ薬の治療を続けている。学校に行けなくなったので通信講座で勉強をしている。

    排尿困難以外に高校生になってから片頭痛が起こるようになり、軽度の視線恐怖や動悸がある。自宅では1日10回くらいトイレに行くが、夕方から夜に出なくなりトイレで1時間くらい座っていることがある。

    排尿時は膀胱が収縮して尿道が緩み、畜尿時は逆の働きで畜尿排尿をコントロールしている。そこには自律神経が大きく関わっている。副交感神経が興奮して排尿が行われるので、器質的疾患がなく排尿がうまくできないのは ①副交感神経の働きが悪い ②交感神経が興奮している ③両神経の切り替えがうまくいかないかだろう。

    初診 F3F4井穴刺絡 失眠多壮灸 腰仙部に8分灸。体が温まりリラックスしたと言う。その場で排尿状態を確かめられないので次回報告してもらうことにした。3日後2回目の治療。昨夜すっきり出なくて1時間トイレに入っていた。頭痛はない。治療はF3H5F5井穴刺絡、百会刺絡、8分灸2壮を(三陰交、仙骨部、督脈上部3穴、中極) 失眠多壮灸。足湯とピソマでの井穴刺激、せんねん灸を指導。

    10日後3回目の治療。この間2回コンサートに行った。かなり緊張したが外出できた。外出中はトイレに行かなかった。自宅では割と出ている、トイレでH5をピソマで刺激するといいようだ。考え方が少しずつ前向きになってきたと言う。治療はH5F5井穴刺絡 百会の刺絡とお灸。就寝がAM1時、起床がAM10時くらいが多いと言うので自律神経は早起きによってセットされることを説明して足湯と自宅治療を続けるようにお話しする。

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  • Posted by へんせき at 22:12Comments(0)泌尿・生殖器

    2013年01月10日

    慢性前立腺炎による激しい前立腺痛

    昨年最後の診療日29日に看護師の娘さんが77歳の父親をつれて来院された。症状は激しい前立腺の痛みで気が変になりそうで、この痛みを少しでも軽く出来ないかとのことだった。

    11月から陰部に痛みが出てN大学病院泌尿器科を受診(この病院で5年前に前立腺肥大症の手術を受けている)直腸診、ファイバー検査、血液検査で異常なく慢性前立腺炎による前立腺痛と診断され生薬製剤を処方される。

    3週間服用したが改善せず次に抗うつ剤を追加処方され10日間服用した。やはり改善せず抗うつ剤を中止して2日前から鎮痛剤を飲み始めた。痛みは20%ほど軽くなったが現在も座位は不可で食事も立ったままとっているとのこと。待合室でも立ったままで電車も座ることが出来なかったそうだ。

    寝ていると痛みはほとんど無くなるが、下着が陰部に触れているのは気持ちが悪いと言う。常に痛みが気になり気分も塞ぎがちで散歩もしなくなったとのことである。

    年末年始の休暇になるので娘さんに井穴刺絡、お灸のやり方を教えながら治療を進めた。F2F3F4百会の刺絡と大赫、曲泉、仙骨部、失眠の灸。足湯もするよう指示する。治療後幾らか痛みが軽くなり表情も変わってきた。

    1月9日2回目の治療。今日は長女が付き添ってきた。家族の話では帰宅時から辛そうな表情が変わってきて、30日31日と続けて治療をした結果痛みが10から5と軽くなり食事も短時間なら座って出来るようになった。その後2回治療をして10分程度の散歩やコンビニへの買い物も出来るようになった。

    今日の治療は前回とほぼ同じで前回同様長女の方にも治療を教えながら終了した。長女の方も医療に従事されているそうでスムーズに覚えていただいた。次回からは一人で来院出来そうだと言われとても感謝された。

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  • Posted by へんせき at 00:25Comments(0)泌尿・生殖器

    2012年08月27日

    絶え間ない尿意切迫感・頻尿と排尿痛

    40歳代女性。五月の初め急性膀胱炎様の症状に襲われた。絶え間ない尿意と何度トイレに行ってもすっきりせず、近所の病院で尿検査をしたが異常なく漢方薬が処方された。GW中に旅行を計画していたので不安ながらも出かけたが、旅行先で泌尿器症状を我慢するストレスからかパニック症状(疲労感、食欲不振、吐き気、身体の灼熱感、振るえ、息苦しさ)が表れた。

    旅行を中止してすぐ帰宅。日赤の救急に駆け込んだが、専門医がいなく尿検査で潜血が陽性なので連休明けに泌尿器科を受診するようにいわれて帰された。本人は過活動膀胱や間質性膀胱炎ではないかと思っていたが、泌尿器科では膀胱頚部硬化症といわれエブランチルが処方された。

    その後幾らか排尿回数は減ったが頻繁な尿意、排尿後の痛み、残尿感、腹部不快感はよくならずパニック症状がひどくなったので5月下旬心療内科を受診した。こちらでは泌尿器の症状も精神神経的なものでうつ病と診断され抗うつ剤、安定剤、泌尿器症状にベケシアが処方された。

    現在2ヶ月以上になるがパニック症状はほとんど治まっている。ベケシア(抗コリン剤)で一時期(約1ヶ月間)尿意が軽くなっていたがまた元に戻ってきた。いま一番辛いのは頻繁な尿意と残尿感、排尿後1時間続く痛みで外出がままならないという。

    治療は井穴刺絡でF3F5H5と曲骨、陽池の灸。治療後下腹部の圧迫痛と不快感が軽くなり、治療前にあった尿意も治まった。治療の二日後から夏季休暇で休診するので前記治療を自宅でやっていただくことにした。昨日経過報告があり排尿回数が少ない日は4~5回に減ってきたが安定しない。効果は感じるので今週もう一度来院するということだった。

    健康な人にはおしっこの悩みは分からないと思うが悩んでいる人はものすごく多い。なかなか他人に相談も出来ずに気分も落ち込んでいることも多い。そのような症状のある部分は鍼灸治療でよくなるので試していただきたい。あなたのおしっこのトラブルが解消しますように。

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  • Posted by へんせき at 00:14Comments(0)泌尿・生殖器

    2012年05月13日

    急性膀胱炎に効果があった一例

    ゴールデンウィーク前の4月27日午前中、50歳代の主婦が膀胱炎の症状を訴え来院された。時々腰痛治療の為に来院されているが、今朝から下腹部不快感や排尿時痛があり今までの経験で膀胱炎のようだと仰る。

    いつもは抗生物質を数日飲んでよくなっているが鍼灸治療が効くかどうか試してみたいとのこと。通常急性の膀胱炎、尿道炎、前立腺炎は抗生物質が効くのでそちらを勧めているが、馴染みの患者さんなので治療してみた。

    治療部位はF3F4の井穴刺絡、中極と仙骨部の圧痛点に直接灸5壮、百会の頭部刺絡。これで下腹部の不快感がなくなったという。治療を終えトイレに行って排尿時痛を確認してもらうと痛くないという。

    治ったかもしれないと言うが、明日から病院も休みになるので今日中に病院に行き尿検査をするようにアドバイスした。一昨日来院され、尿検査の結果「急性膀胱炎」と診断されクラビットが処方されたそうだ。しかし膀胱炎の症状は鍼治療の後からずっと出なかった。薬は飲みたくなかったが、菌が出ていたので当日夜から5日間飲んだとのこと。

    一般的に急性の感染症は薬剤の適応だが、この症例のように早期においては交感神経の抑制や特効穴の治療が奏効する場合もあるので病院に行く前に一回試してみるのもいいと思う。

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  • Posted by へんせき at 23:03Comments(0)泌尿・生殖器

    2011年01月25日

    慢性前立腺炎らしい頻尿

    膝の痛みで治療中の男性が、昨年12月から頻尿で泌尿器科に通院している。膝と一緒に治療できないかと仰る。今処方されている薬はセルニルトンで最初は抗生物質も出ていたそうだ。

    慢性前立腺炎は症状の出方に個人差が大きいが、会陰部や鼠けい部の痛みや不快感と排尿障害を伴うことが多い。この方は痛みがないので軽症の部類だと思うが2ヶ月近く経ってもすっきり治っていない。12月初旬に頻尿の症状が出る前に何かなかったか聞くと、その1ヶ月くらい前にインフルエンザのような高熱が出て何の薬か分からないが点滴を2日間したそうだ。インフルエンザの検査はしたが、尿や血液の検査はしなかった。

    それを聴いてこの方の頻尿はおそらく急性前立腺炎から慢性に移行した症例だと思った。慢性前立腺炎は急性前立腺炎と関係ない場合も多いが、急に高熱が出てインフルエンザのように体がだるいが呼吸器症状がなく、何となく尿の出が悪い感じがしたら血液検査と尿検査も必要になる。

    尿に白血球が出て、血液検査で炎症反応が陽性なら急性前立腺炎が疑われもしそうならこの段階できちんと治療しておくことが慢性前立腺炎の予防になる。診ていると慢性前立腺炎は寒い時期に悪化する感がある。ストレスだけが原因ならストレスの消失とともに症状がなくなるようだが、一般的に寛解増悪を繰り返す。

    急性前立腺炎は抗生物質の点滴治療が第一選択だが、慢性前立腺炎は鍼灸治療も適応になる。また治療だけでなく生活習慣(飲酒、運動、食べ物、ストレスなど)も見直す必要がある。この患者さんは飲酒の量が多いのでしばらく控え先ずは一週間自宅でお灸をして頻尿がどう変わるか様子を見てもらうことにした。

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  • Posted by へんせき at 00:33Comments(0)泌尿・生殖器

    2010年11月18日

    間質性膀胱炎の治療経過

    11月3日の記事で紹介した間質性膀胱炎と思われる患者さんの治療を昨日までに5回行なった。11/3初回治療の後、当日激痛は無くなったが鈍痛が時々ある。翌日朝は調子がよかったが午後からまた激痛が起こる。

    11/5、二回目の治療。使用したツボは初回とほぼ同じだが円皮針を肝経に貼る。11/8まで激痛はなく、鈍痛の程度も治療前の6割程度に軽減する。トイレの間隔は10分~15分というようなことは無くなり1時間~1時間半くらいは大丈夫になる。夜も痛みで目が覚めなくなる。治療効果を感じてきたそうだ。

    11/8の三回目の治療では頭のツボを1穴増やし、下腹部に圧痛点1ヶ所に知熱灸5壮追加する。11/12に四回目の治療をするが、前回治療から残尿感がなくなり鈍痛を感じる時間も少なくなった。トイレは2時間以上行かなくていい時もあり、仕事に支障をきたすことも無くなった。

    11/17、五回目の治療。前回の治療から膀胱炎の痛みはほとんど無く土曜日には外出したが3時間以上トイレに行かずに済んだ。しかし昨日今日とまだ少しトイレが近いような気がする。今日生理が始まったが、7月10月と悪化したのは生理が来て数日後だったので今回はどうなのか少し不安と仰る。しかし何軒も病院廻りをして治らなかった症状がよくなってきたのでとても希望が持てるようになったそうだ。

    五回目の治療時には下腹部の圧痛も消失していて、痛みに関してはほとんど完治したといってもいいと思う。トイレが近く感じるのは膀胱炎の症状よりいままでのことが脳にしみ込んでいることによる神経性のものとも考えられる。痛みがこのまま完全に治まり、トイレが気にならなくなるかもう少し経過観察することにした。なお初回治療の後から鎮痛剤はじめ薬は飲まずに過ごしている。

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  • Posted by へんせき at 23:56Comments(0)泌尿・生殖器

    2010年11月06日

    過活動膀胱の悩みと鍼灸

    前回UPした膀胱炎は圧倒的に女性に多い疾患だが、過活動膀胱は男女に関係なく日本で800万人以上の患者さんがいると推定されている疾患だ。症状は尿意切迫感と頻尿が特徴的で人により尿の出が悪くなったり、腹圧をかけないと出にくくなったり、排尿後の切れが悪くなったりの排尿障害が起こることもある。しかし、膀胱炎のような痛みはなく、炎症もない。

    原因は約20%が神経因性(脳血管障害やパーキンソン病など)で約80%が非神経因性だ。男性では前立腺、女性では骨盤低筋が関係しているものもあるが原因不明のものも多い。どちらにしてもQOLの低下に悩まされる。

    泌尿器科、内科、婦人科での治療は主に薬物療法になるが、男性と女性ではやり方が少し異なる。主な薬剤は抗コリン剤だが副作用もあるので症状に応じて種類と量を使い分ける必要がある。もう一つの治療法に行動療法がある。これは、①排尿日誌をつける ②膀胱訓練をする ③骨盤低筋体操をするで日常生活を見直し、膀胱機能を高める療法で3ヶ月位で効果が表れる。

    過活動膀胱に対しては鍼灸治療も適応症の一つで、鍼灸の神経的な作用で膀胱の収縮を抑えることが出来る。薬物療法、行動療法と併用して試されるといい。過活動膀胱は受診を恥ずかしがって受診をためらう人や、年のせいだからと言われて適切な医療を受けていない人も多い。尿意切迫や頻尿は生活の質を落とすのできちんとした治療でよくなって欲しい。

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  • Posted by へんせき at 00:58Comments(0)泌尿・生殖器

    2010年11月03日

    急性膀胱炎と間質性膀胱炎の鍼灸治療

    男性の膀胱炎はめったにいないが、女性にとっては身近な疾病だ。ふつう膀胱炎といえば急性単純性膀胱炎をいい、これは腎臓や膀胱になにも疾患がなく、主に大腸菌を原因とする細菌性の膀胱炎で抗生物質がよく効く。

    症状は頻尿、排尿痛、尿の濁り、残尿感、下腹部の不快感などで、尿検査で白血球や細菌が検出されれば急性膀胱炎と診断される。発熱や全身のだるさがなく、血沈亢進や血液中の白血球増加、CRPの上昇などの炎症反応がないことで腎盂腎炎と区別できる。

    それに比べ、間質性膀胱炎は原因が未だはっきりせず診断も簡単ではない。症状は患者さんにより様々だが、多いのは頻尿、尿意切迫、痛み(部位は膀胱、骨盤周囲、下腹部、会陰部の奥など)等で急性膀胱炎と似ているところもあるが、尿中に白血球や細菌は検出されない。過活動膀胱など泌尿器系の疾患との鑑別も必要だ。

    30歳代主婦が下腹部(膀胱付近)の痛みが終日続き、鎮痛剤が効かず、トイレは10分から30分、長くて1時間しかもたずとても困っているとのことで来院された。初めて症状が出たのは7月初旬、内科、泌尿器科を受診の後、婦人科を受診したが血液、尿、超音波検査等で異常なく鎮痛剤と抗コリン薬を飲んでいた。

    10月下旬症状がひどくなり大学病院泌尿器科を受診し、MRIと膀胱鏡検査を受けたが異常が認められず漢方薬を処方された。異常がないと言われても症状が取れないので藁をもすがる思いで鍼灸を試してみようと思われたそうだ。

    詳しくお話をうかがうと少し心因的なものもありそうだが、間質性膀胱炎のように思われる。(専門医は否定されているが)ただ様々な検査で悪性の疾患は除外されているので、私は痛みと頻尿をどう軽減するかを体全体のバランスのうえで鍼灸をすればいい。

    痛みがひどい時の方がポイントを見つけやすいが今日は軽いそうだ。今日は腎経、膀胱経、肝経、督脈のツボを使った。治療直後は痛みは意識しなければ感じないほどになり、治療中1時間30分はトイレに行かれなかった。数回治療を続け痛みと頻尿がどう変わるかもう少し経過を観察したい。

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  • Posted by へんせき at 23:31Comments(0)泌尿・生殖器

    2010年06月24日

    今日の出来事(腰痛・前立腺肥大症・とびひ)

    朝、出勤途中ちょうど二週間前に腰痛の治療をした患者さんと出会った。この方は市内で美容室を経営なさっているが立ち仕事の為か疲労が重なると腰痛を起こすそうで前日夜から痛くなった。お客さんの合間をみて行くので15分で治療して欲しいとの希望だった。

    丁寧な診察をする時間がなく今までの治療経験と動作診を参考に2穴に鍼、4ヶ所の円皮鍼で7割ほどの改善で時間切れになった。充分な治療が出来なかったのでその後どうなったか気になっていたが一晩寝たらほとんど痛みが取れていたそうだ。体力があれば治りが早いと思った。

    今日診た84歳の患者さんで3ヶ月週1回の治療を続けやっと効果が出てきた方がある。前立腺肥大症で数年前から泌尿器科でα1ブロッカーを処方されているが夜間尿が3~4回あり睡眠に支障が出ていた。2週間前の治療で鍼をした夜は1回で済むが他の日は2~3回とのこと。そこで先週の治療の時毎日回数を記録するようにお話した。今日その記録を見ると1回の日が2日、2回の日が5回で初診時より明らかに減っている。ご本人も2回までなら我慢できるそうでこれが続いて欲しいとのことだった。

    19日の夜6ヶ月の赤ちゃんの湿疹について電話相談を受けた。お話だけでは突発性湿疹アトピー汗疹なのか感染性の湿疹か判断できなかったのですぐ小児科に連れて行くようにお話して電話を切った。翌日連絡があり「とびひ」と診断され抗生物質が処方されたそうだ。「とびひ」なら抗生物質の服用が基本の治療だ。今日ほぼ治まったと連絡をいただいた。これからの季節乳幼児は皮膚のトラブルが多くなるが対処法はそれぞれ違うのでいつもと違う症状なら早めに専門家の指示を仰いだ方が無難だ。  

  • Posted by へんせき at 23:12Comments(0)泌尿・生殖器

    2010年04月16日

    慢性前立腺炎その後・2

    先週この欄で紹介した慢性前立腺炎の患者さんの3回目の治療をした。症状は完全にとれないものの安定しているそうだ。これくらいの状態が続けば日常生活に支障なく過ごせそうだとおっしゃる。この1週間自己治療は3回したそうだ。

    最初の治療のあとどのような時悪化するかまた調子が良いか日常生活をよく観察してみるようお話した。それによると飲酒、長時間の座位、便秘、排尿を我慢する、体の冷え等は良くなく逆にお風呂、軽い運動は良いそうだ。今後も注意深く観察するようお話した。

    今の治療で効いているようなので治療は前回とほぼ同様だが、腰の反応点1ヶ所に少し熱いのを我慢していただき30壮の多壮灸をした。お灸のこつは皮膚表面に熱さを感じるのではなくジーンとした熱感が体の深部に届くようにすることだ。これは直接灸でも間接灸でも同じことだ。

    自宅治療は週に2~3回してもらい来週の泌尿器科の診察時には薬の相談をしてみるそうだ。自分の病気をよく調べ患者から医者へ積極的な働きかけることは大切だ。先年鬼籍に入られたが入澤俊氏先生の名著「こちら泌尿器科110番」全3巻にはユーモアたっぷりに色々な泌尿器疾患を紹介されている。病気だけでなく患者もよく診た先生が偲ばれる本だ。  

  • Posted by へんせき at 19:49Comments(0)泌尿・生殖器

    2010年04月09日

    慢性前立腺炎その後

    先週治療した慢性前立腺炎の患者さんが2回目の治療に来院された。この1週間の経過を聞くと指示したお灸は5日間続け症状は残っているが50%くらい改善したそうだ。

    今日の治療は腎経と膀胱経の刺絡を中心に下腹部と仙骨部の反応点にお灸をして最後に頭頂部の百会に鍼をした。この百会のツボは色々な使い方があるが全身的には交感神経の興奮を抑え部位的には体の正中線上に症状が出ている時は効果的だ。

    泌尿器科では抗生剤は止めα1遮断薬と生薬製剤だけ処方されているそうだ。α1遮断薬はユリーフ、フリバス、ハルナールと3種類あるが効く受容体が少しづつ違うので人により効き目が違う。医者と相談してどれが一番合うか試してみるようお話した。

    引き続き自宅での治療をしてもらうことにしたが、今回は刺絡のやり方を指導して3ヶ所のツボを1日おきにやり経過を見ることにした。この病気は何かのきっかけで悪化することもあるがそのような時症状を抑える自宅療法を覚えていれば心強い。  

  • Posted by へんせき at 22:32Comments(0)泌尿・生殖器

    2010年04月03日

    慢性前立腺炎の鍼灸治療

    男性泌尿器疾患の中で慢性前立腺炎に悩んでいる患者さんは多い。急性前立腺炎は激烈な症状だが適切な治療をすれば1週間くらいで完治する。しかし慢性前立腺炎はそうはいかない。一般的には抗生物質、生薬製剤、α1遮断剤で治療するがすっきり治らず何軒もドクターショッピングをしたり鬱症状を呈する人もいる。

    前立腺肥大症や前立腺がんは中高年に多いが(急性、慢性)前立腺炎は若い人も例外ではない。昨日30代後半の慢性非細菌性前立腺炎で泌尿器科を受療中の患者さんが来院された。非細菌性というのは前立腺マッサージをした後の尿のなかに起因菌が見つからない場合です。症状は会陰部と鼠径部の鈍痛、残尿感、頻尿、などで良くなったり悪くなったりでこのまま治らなかったらどうなるのか心配されていた。

    この病気は急性から移行して慢性となる場合もあるが最初から慢性の経過をとるものの方が多い。この患者さんも初めから慢性の症状である。どのような鍼灸治療をするかというと私の場合頭のツボと足のツボが中心になる。経絡は主に任脈、督脈、肝経、腎経、膀胱経を使う。

    非細菌性の慢性前立腺炎は原因がはっきりしないが宿主(患者)に何らかの要因がからんでいる可能性は大である。体の抵抗力が落ちたときに症状が出やすいのでストレス、冷え、飲酒などに気をつけ自宅で足のツボ左右3ヶ所に1週間毎日お灸をしてもらうことにして治療を終えた。  

  • Posted by へんせき at 23:48Comments(0)泌尿・生殖器