たまりば

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2010年07月31日

熱いお灸希望

昨日熱いお灸をして欲しいと80歳代の女性がお見えになった。聞けば最近、膝と腰が痛く腕もスムーズに上がらない。30年ほど前体調が悪かった時お灸ですっかりよくなった。来週ひ孫の世話を頼まれているので熱くてもいいから早く治して欲しいとのこと。
                              
お灸には様々なやり方があるが、大別すると直接灸と間接灸。熱いのは直接皮膚を焼く直接灸。その中でも打膿灸は小指の頭ほどの艾をすえ灸の痕に膏薬を貼り排膿を促すとても熱いお灸で、現在一部のところで「家伝の灸」として残っているだけだ。

通常、直接灸といえば米粒の半分ほどに艾を捻る透熱灸をいう。もっと熱さを軽減するために木綿糸の太さに艾をひねる糸状灸があり、これは瞬間的に熱さを感じるだけで痕もほとんど気にならない。私がやっている直接灸は大きさは半米粒から糸状で温度調整のため捻る硬さを加減している。            

最近はせんねん灸やカマヤミニなどのソフトな間接灸が手軽で喜ばれているが、20年ほど前はたまに背中や腰に大きな灸痕がある患者さんが来院されていた。近頃なかなかお眼にかかれない。

お灸の作用は ①赤血球を増やし血流をよくする。②血小板の働きを良くし治癒を早める。③白血球を増やし免疫を高める。など血液を介して生体機能を高めることが認められている。抗生物質が無かった時代お灸で虫垂炎や結核などにも対応していた。

お灸も効かせるにはツボを選ぶことはもちろんだが何壮すえるかもポイントになる。顔面のおでき(合谷)・虫垂炎(気海)・痔疾(百会)等は多壮灸が効く。関節の腫れなどは1~2壮でいい。また季節や患者さんの皮膚の状態(乾燥肌・しっとり肌・皮膚の厚薄)をよく観察することが大切だ。

この患者さんはとても祖母孝行のお孫さんと同居されているので次回、施灸するツボと艾の捻り方を教えるので一緒に来院されるようにお話して最初の治療を終えた。





  

  • Posted by へんせき at 21:50Comments(0)

    2010年07月29日

    骨や関節の変形と痛み・鍼灸治療

    画像診断で、椎間孔が狭い、骨棘やヘルニアがある、軟骨が磨り減っている等の異常が認められるとそれが痛みや痺れの原因にされることが間々ある。

    鍼灸治療をしていると、変形があってもそれがそのまま痛みや痺れの原因になっているとは思われない症例を度々経験する。

    52歳男性、頚椎の椎間孔が右3ヶ所左1ヶ所が狭くなって変形性頚椎症の診断。10回の治療で両手の痺れが7割改善。68歳女性、両膝の軟骨が磨り減りO脚に変形している。変形性膝関節症の診断で3ヶ月前に11月、左膝の人工関節置換手術を予約。毎週1~2回治療を続けているが、最近痛みは減って短い距離なら問題ない。しかし変形は変わらない。

    上記2例は鍼灸治療をして骨や関節の変形はそのままだが、痛みや痺れは改善している。何を治療しているのかと言えば、筋肉と神経だ。

    昨日84歳の女性を往診した。10日前から左臀部から下肢に激痛が走る。近所の整形外科で坐骨神経痛と診断され座薬(鎮痛剤)を処方されたが効かない。一昨日高血圧で通院している大学病院の整形外科で診てもらったら、ひどい側弯症が原因なので治す方法がない。鎮痛剤を使い安静にするようにと言われ返されたそうだ。

    それで思い余って往診を依頼されたのだが、医者はいろいろな武器をもっているので側弯症に手をつけられないにしても痛みを軽くすることは可能だろう。得意な医者を紹介することも出来ると思う。痛いまま帰らざるを得ない高齢者の気持ちを考えて欲しい。

    確かにひどい側弯症だが10日前まで普通に生活していたし、変形だけが痛みの原因ではないと思うので痛みが変化するツボを探し、腰背部の筋緊張を緩める治療を行った。  

  • Posted by へんせき at 22:28Comments(0)運動器疾患

    2010年07月27日

    長崎から始まった医学

    鎖国の江戸時代、日本で唯一外国に門戸を開いていた長崎。長崎の港に西洋医学(オランダ医学)が伝えられやがて全国に広がっていく。もっとも有名な人物はシーボルトだが、個人的にはポンペの果たした役割は大きかったと思う。興味のある方は長崎大学付属図書館医学分館の資料をご覧ください。



    長崎の港は7月22日から26日まで長崎帆船まつりで賑わった。軍艦島上陸クルーズの途中、入港中のロシアの帆船2隻とすれ違った。軍艦島(正式名称 端島)は1974年炭鉱の閉山で無人島となったが昨年4月から一部上陸が可能となった。



    クルーズから戻ると港には7隻の帆船が接岸していて、日本丸、海王丸、ロシアのパラダ、ナジェジュダの他「竜馬伝」で咸臨丸に変身した観光丸も近くで見ることが出来た。



    皮肉なことに西洋医学が広まるにつれ鍼灸や漢方は片隅に追いやられることになるのだが、決して絶えることなく現在に至るまで命脈を保っている。古典を学ぶとそこに本質的な真理を感じる。病気の方や体調が悪い方に病院とは違うフォローが出来れば医療人として幸いである。  

  • Posted by へんせき at 23:25Comments(0)医療情報

    2010年07月25日

    夏バテ予防の灸

    長崎は「竜馬伝」で盛り上がっていた。先週18日放送の第29回から舞台が長崎に移った。ドラマは岩崎弥太郎の語りで進む。先週は明治15年、弥太郎はすでに巨大海運会社を築き老舗の三井、住友と肩を並べるまでになっていたが、胃の具合が悪く灸治療を受けながらの回想であった。背中の膀胱経に沢山の隔物灸(生姜やニンニクをスライスしてその上に荒い艾を乗せる)をすえていた。

    弥太郎は後藤象二郎の推挙で大政奉還の半年前長崎土佐商会に赴任し、それが将来の三菱の創業につながっていく。そのころ竜馬は亀山社中をつくり薩長同盟を成立させていた。弥太郎は竜馬以上に長崎にとって縁の深い人物かもしれない。弥太郎は明治18年まだ50歳の若さで胃がんのため生涯を閉じた。原因はストレスと「斗酒なお辞せず」の酒のせいだと言われている。

    東京は4日連続の猛暑日で上手に水分摂取しなければ熱中症になる。しかし、冷たい飲み物を取りすぎると胃腸の機能が低下し夏バテの原因になる。冷たいものが胃に入ると吸収する為には体から熱を奪う。奪われた熱を補充できればいいが、胃が冷えていると熱の元になる食べ物を消化・吸収できず、やがて夏バテとなる。

    夏バテになりやすい人は、先ず胃の調子を整えることが肝要だ。幾つかツボを紹介するので自宅でせんねん灸やカマヤミニを据えてみてはどうでしょう。ツボの位置は簡単な本を買うか、鍼灸師にお尋ね下さい。天枢、中脘、足の三里、陰白、厲兌、「六華の灸」と呼ばれる膈兪・肝兪・脾兪。また頭頂部の百会に素焼きの鉢を乗せその上で艾を燃やす夏バテ予防の灸もある。



      

  • Posted by へんせき at 23:13Comments(0)医療情報

    2010年07月24日

    90歳でも現役・女性あん摩師

    どの分野にもすごい人がいる。昨日お会いした女性あん摩師にも驚いた。この方は御年90歳いまも現役で仕事をされている。昭和18年から始め現在も一人90分間丁寧なあん摩をなされている。このような方の施術は向学のために受けて学ばなければいけない。

    最近巷で目立つのはリラクレーションをうたい文句にしたマッサージだ。しかし7月5日のブログでも紹介したがほとんど人目に付くことも無いがすばらしい手技療法の持ち主が存在する。技術的には軽擦法と揉捏法がすばらしく所々強い圧がかかるが、後になってそこがもみ返しで痛くなることはない。軽擦法の手技が上手い為だ。

    鍼灸治療をする時いきなり鍼、灸をすることはない。脈を診る、お腹を診る、経絡を調べる、ツボを探す等の手順を踏む。全て患者さんに触れることが基本になる。この時、治療家に相応しい「手」が出来ていないと正確な情報を得ることが出来ず、患者さんには触られることによる不快感を与えることになる。

    ここに鍼灸治療でも手技療法を学ぶ意義がある。現在、鍼灸師国家試験に合格すると誰でも治療行為ができるが、徒弟制度の時代は一定期間手技療法を経験しないと鍼を打つことは許されなかったそうだ。感覚を磨くこと、そこから得られる情報を治療に結びつける知識どちらも現在の鍼灸師に求められる重要な要素だ。





      

  • Posted by へんせき at 10:11Comments(0)医療情報

    2010年07月22日

    体を動かすことの大切さ

    今夏は都合により例年より1ヶ月早く夏休みを取って帰省している。帰ると近所の方で私の治療を待っている方がいる。そのお一人に中高時代の同級生の母親(84歳)がいる。

    もう20年くらい前から血圧が高く、時に収縮期血圧が200位になる。降圧剤を服用しているが、今でも農作業に従事している。膝や腰が長年の重労働で痛むのだが、治療すると表面的な痛みはスッーと取れる。

    日頃、思うのだがよく体を動かしている人は治療に対してよく反応する。本人もこちらもとても喜ばしい。私など、田舎の人に比べると全く肉体労働をしてなく反省しきりだ。このままではいつかツケを払うことになると思う。

    おそらくこれほど血圧が高くてもお元気なのは太陽に下、毎日体を動かしているからだろう。人は動物である限り体を動かすことは元気に生活する為に必須のことだが、便利な生活ほどそれとは逆になっているのは皮肉なことだ。体を動かせば自律神経が整い、睡眠や食欲と言った基本的な生活リズムが調整される。



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  • Posted by へんせき at 22:13Comments(0)生活習慣病

    2010年07月20日

    サイクリストを悩ます障害

    自転車に乗っていて傷めやすい部位は、前記のの他に手首、首、腰、前立腺などがある。

    サイクリングで使用する自転車は主に、クロスバイクロードレーサーだ。クロスバイクはハンドルが一本棒のフラットバーがほとんどで、握る位置が一ヶ所に限定される。すると上半身の体重が手掌の手首側にかかり内部を走行している正中神経を圧迫し、手掌や指に痺れや感覚異常が生じる。

    はり治療を行うと直後効果は乏しいが1~2ヶ月で快方に向かう。この障害は個人の先天的な神経構造に依るところが大きいように感じている。治療を始めたら症状が消えるまで自転車を控え、再開するときはハンドルをライザーバーにしてバーエンドバーを取り付けたり、マルチポジションバーに取り替える改造をすると再発を防げる。

    ドロップハンドルのロードレーサーでは正中神経の障害は少ないが、前傾姿勢がきつくなるので前を見るためには首を上げなければならず、頚椎の老化や筋力の低下があれば首、肩、背中、腕に痛みや痺れを感じる。若い人では問題ないが中高年になると首の障害の為ロードレーサーをあきらめる人も出てくる。

    こちらの障害は鍼灸治療筋トレで改善することが多いので試して欲しい。治療は変形性頚椎症の治療に準じて行っているが、治療ポイントが後頭部から後頚部への移行部付近にあることが多い。また腕の使い方が悪かったりポジション決めに問題があることもあるのでチェックが必要だ。

    自転車は足だけ使うスポーツのように見えるが、腕や上半身を思った以上に使うので全身の筋力バランスを整え、乗車前後には中高年ほどストレッチで体をほぐして欲しい。円皮鍼をポイントに貼って走ると疲労が軽減されることはよく経験するのでこれも試して欲しい。  続きを読む

  • Posted by へんせき at 20:57Comments(0)運動器疾患

    2010年07月18日

    サイクリング愛好者の膝痛

    7月3日研究熱心な患者さんのブログを読んで、女性サイクリストが膝痛で来院された。私もサイクリングが好きで気分転換や運動不足解消のため、多摩川サイクリングロードを時々走っている。

    この方は3~4ヶ月前からロードバイクに乗り始め、最近は100kmくらいの距離も走れるようになった。膝が痛くなったのは約3週間まえで、整形外科を受診し骨に異常はないと診断されている。おそらく筋肉か靭帯の問題だと推察される。

    乗り始める前の予想に反し、サイクリングの楽しさにはまり、サイクルショップが主催する長距離サイクリングにも参加し、私からすると乗り始めてまだ日が浅いのに、かなりハードな運動をされているようにも思える。単に筋肉が運動についていっていないだけか?

    膝が痛くなるのと同じ時期にペダルをフラットからピンディングに変えたそうだ。前記のブログで紹介した女性も偶然かピンディングペダルに変えてから痛くなっている。

    サイクリング用自転車のペダルは、フラット、トゥークリップ、ピンディングに大別される。ピンディングペダルはシューズとペダルを金属で固定するので踏み込む力だけでなく引き上げる力も推進力に変えることができる。固定した状態で1分間に80から100回転でペダルをこぐことになる。

    それが今まで使っていなかった細かい筋肉に負担をかけているかもしれないし、ペダルのセッティングが微妙にずれているのかもしれない。ペダルに限らず自転車のポジション決めは難しい。特に長距離を走る場合はミリ単位の調整が求められる。

    運動器系の痛みにおける鍼治療のポイントは痛みが出る姿勢で治療ポイントになるツボを探すことにある。本来ならローラー台で自転車をこぎながら探すのがベストだが治療院でそれは出来ない。膝にいろいろな方向から加重をかけ痛みや違和感を調べ治療点を探した。鍼治療の特徴だが治療ポイントが痛い場所近辺にあるとは限らず膝痛でも手や頭にあることもある。

    8月、9月と大会に出場される予定なのでそれまでには原因を突き止め不安なく参加していただきたい。  続きを読む

  • Posted by へんせき at 23:31Comments(2)運動器疾患

    2010年07月16日

    潰瘍性大腸炎の相談

    調布市内でリラクゼーションルームを経営されている女性から潰瘍性大腸炎の治療について相談を受けた。身内の方が潰瘍性大腸炎で内科的治療を受けているが、なかなかよくならず薬を中断したら悪化してまた薬を飲みだしたが、他に治療法がないかとの相談だった。

    私はこの病気の治療経験はないが、所属する研究会で興味深い症例報告があったのでそれを基にアドバイスした。

    発表者は福岡で整形外科・内科医院を開業している30歳代のM医師で、ご自身の潰瘍性大腸炎の治験報告であった。専門医のもとでペンタサ・内服ステロイド・ステロネマ・漢方薬・ATM療法(抗生剤多剤併用療法)などで治療を続けたが、寛解増悪を繰り返し徐々に悪化する。一時手術も考えた。

    M医師は手術をすれば後遺症も残りQOLの低下が避けられないので、現代医学以外に何か治療法がないか調べているうちに私たちの研究会の治療法を知り、ご自身で治療を始められた。

    治療のツボと治療手順を幾つか試行錯誤して、効果が感じられるやり方を見つけ、2ヶ月間続けられた。その結果腹痛、水溶性血便も治まり症状が安定し薬も減薬できた。その結果食べられるようになり体力が回復したそうだ。

    治療が上手くいった要因はご自身が医学知識をお持ちで集中して治療されたことにあると思う。病気の原因は特定されていない難病だが、腸内細菌の関与や自己免疫反応の異常ではないかと言われている。自律神経的には副交感神経の異常だが、ステロイド剤の大量使用により腸内は交感神経興奮状態だと推測される。その両方をどのようなバランスで調整するかがポイントになろう。

      

  • Posted by へんせき at 23:49Comments(0)胃腸・消化器

    2010年07月15日

    肥満対策と鍼治療

    昨日は一歩塾講習後のフォローアップ講座ブログ村に参加した。今日の講師は「たまりば」運営者の大熊さんでテーマはSEO対策。もちろん、すこやさんのお話も聞けた。

    一番印象に残ったことはブログのアクセス数が増えるだけでは意味が無く、自分が伝えたい相手にブログを見てもらうためには工夫が必要とのお話。

    講座終了後、意見交換を兼ね数名で夕食を共にした。その席で肥満が話題になった。2年前から健康診断はメタボリックシンドローム対策を中心にした「特定健康診査・特定保健指導」に変わった。いわゆる「メタボ健診」だ。要指導の場合以前は事実上放置されていたが、今は個別指導を受けなければいけない。

    メタボリックシンドロームとは内臓脂肪の蓄積を基礎に、高血圧、脂質異常、高血糖のうち二つ以上が合併した状態で、将来、脳や心臓の重篤な疾患を引き起こす確率が高くなる。これを未然に防ぎ増え続ける医療費を抑制することがメタボ健診の目的だ。

    大元に肥満があり、これをどう解消するか、鍼灸治療で何が出来るか問われた。肥満解消のためには食事と運動の管理が必要であり、どちらも自力でやるしかないが、異常な食欲がある、ストレスをコントロールできない、膝や腰が痛くて歩けない等心身のバランスが崩れている時は、鍼灸で痛みを取り、自律神経のバランスをとることにより食生活と運動を目標に近づけることが可能と思う。



    講習会終了後すこやさんからいただいた竹とんぼ、皆さんとても喜んでいました。  

  • Posted by へんせき at 04:54Comments(5)生活習慣病

    2010年07月12日

    突発性難聴のはり治療

    二年ほど前、歌手の浜崎あゆみさんが自身のブログで「左耳が機能しておらず、治療法はないと診断された」と公表した病気が突発性難聴だ。

    この病気は突然、内耳の感音性難聴が発症し原因もはっきりせず特定疾患に指定されている難病である。症状としては片側の耳が急に聞こえなくなり耳閉感と耳鳴りが伴い時にめまいも随伴する。

    治療法は確立していないが、ステロイド薬、血液循環改善薬での治療が一般的で発症後一刻も早くステロイド薬をする必要があり治療が遅れるほど予後が悪い。薬の効果も服薬より点滴のほうがいいので、受診の際は入院設備があるか、または通院でも点滴が可能かもポイントになる。

    突発性難聴と診断されても中には他の病気が紛れている可能性もあるので聴力や平行感覚の検査以外にきちんと鑑別診断をしてくれる医者を選びたい。鑑別する必要がある主な病気は脳梗塞・聴神経腫瘍・外リンパ瘻などだ。

    5月下旬に突発性難聴と診断され約1ヶ月服薬を続け一応耳鼻科の治療を終了したが、耳鳴りが気になり日常会話で聞こえが悪くもう少し良くならないかと先週40歳女性が来院された。

    病気の性質上完全に治ると保障できないが過去の治療例をお話し治療を始めた。鍼灸の古典にはおそらく突発性難聴と思われる記載があるが、発症3日以内に少陽胆経に鍼をするとある。古人もこの病気は時間の経過と共に治りにくくなると認識していたようだ。

    触診をすると首や肩のコリがとてもひどく、胆経・三焦経・心経を中心に頭部の治療点を加えた。直後、明確な聞こえの改善はないがコリ感はだいぶ楽になったそうだ。この方は鍼灸をするのは全く初めてだそうなので治療後少しだるくなるかもしれない旨説明して初回の治療を終えた。  

  • Posted by へんせき at 23:59Comments(0)感覚器疾患

    2010年07月11日

    長年の肩凝りを鍼で治療

    10年以上肩こりに悩まされている40歳の男性から治療を依頼された。仕事は事務職で一日中パソコン操作をしているそうだ。朝、起床時から左の後頚部から肩上部、肩甲骨内縁に鈍い痛みとツッパリ感がある。週に1~2回水泳をしているがコリがとれないそうだ。

    座った状態で後ろを振り向く動作、左右に首を倒す動作、首をグルグル回す動作でどれも左の後頚部にコリを感じる。仕事柄、眼の疲れからの肩こりと思い先ず、眼精疲労の治療をしてみたがあまり変わらない。

    肩こりの原因は人それぞれ違うが、偏った筋肉の使い方を長く続ける、常に頚肩部を緊張させている、姿勢が悪い、等が重なりしかも運動不足なことが多い。この患者さんも一部の筋肉しか使わないパソコン操作が遠因になっていると思う。

    次にどの経絡に問題があるのか首を通る経絡を一つずつ調べてみた。三焦経・胆経・膀胱経・胃経・大腸経で首のツッパリ感が幾らか変化する。患部から離れたツボではいまいち効果が出ない。そこで患部の反応点に治療することにした。

    肩こりで患部に治療する時、鍼を深く刺すとあまり効果がない。この患者さんは鍼を刺すことに抵抗はないが円皮鍼で治療することにした。突っ張る動作をさせそれが緩むポイントを1点探して円皮鍼貼る。これを繰り返し8ヶ所に治療点を求めた。これで来院時の半分程度に不快感が減りだいぶ楽になったそうだ。最初の治療なのでここで終了して経過を見てもらうことにした。  

  • Posted by へんせき at 00:00Comments(0)運動器疾患

    2010年07月09日

    円皮鍼で広がる鍼の世界

    昨日、港区で手技療法加圧トレーニングジムを開設されている方が鍼治療の体験に来院された。この先生は鍼師・灸師・あん摩マッサージ指圧師の国家資格をお持ちで開業8年目になるそうだ。

    鍼師・灸師の免許を所持しているにも係らず今まではり灸で患者さんを治療したことがないとのこと。理由は鍼灸専門学校1年目の授業の時からどうしても鍼の効能を信じられず、自分で患者さん相手に鍼をすることはもとより鍼治療を受けることなど考えもしなかったそうだ。

    それ故、他人に対する治療行為は自分が納得できる手技療法を徹底して習得された。しかし今年に入り円皮鍼治療のDVDを見て実際にやってみるとそのダイナミックな痛みの変化に驚き鍼に対する認識が変わったそうだ。元来、探究心旺盛な性格の持ち主で本式のはり治療を体験しようとのことでお出でになった。

    武道家でもありこの30年間医者に行ったこともないくらい頑健な方だが40歳を過ぎて眼が疲れるようになりこれを改善して欲しいとのこと。治療は部屋の明るさ、視野の広がり、文字もくっきりさ、まぶたの重たさ等を確認して、肝経・胃経のツボ後頭部の刺絡を行い治療直後の効果を感じていただいた。

    おそらく老眼が始まりメガネが合わなくなっている可能性があるので一度眼鏡屋で検眼することと、幅の狭いメガネは焦点が合いにくく眼精疲労の原因になる旨アドバイスして治療を終えた。この先生のような熱い情熱をお持ちの方と知り合いになれたことは私にとって何よりの宝だ。

    はり治療で一番大切なことは効く治療ポイントをどう探すかにある。そこを探し出せれば普通の鍼でなくても円皮鍼で充分効果が出せる。円皮鍼のいいところは取り扱いが簡単で衛生的、しかも痛みがほとんど無いことだ。一般の方でも治療ポイントの探し方さえ覚えればすぐ出来るのでお近くの鍼灸院で教わるといい。  

  • Posted by へんせき at 00:11Comments(0)医療情報

    2010年07月07日

    自宅治療継続中のアトピー性皮膚炎

    一ヶ月前に初めて来院され毎週1回鍼灸治療を続けられている40歳代女性。20年前の出産を契機にアトピー性皮膚炎を発症した。その後皮膚科でステロイド剤の治療や民間療法、食事療法などいろいろ試された。

    3年前から免疫抑制剤(プロトピック軟膏)を治療の中心にして割りと落ち着いていたが、最近少し痒みが出てきたので前から興味を持っていたはり灸治療を思い立ったそうだ。

    アトピーそのものを治せる薬はない。もちろん鍼灸でも治るわけではない。目的とするところは日常生活が支障なく送れるようにすることにある。だが巷にはあたかもアトピーが完全に治るかの様に宣伝するアトピー商法が横行している。患者さんはだまされないようご注意ください。

    アトピー性皮膚炎の治療は、病状や年齢、体の部位、またそのときどきの症状に応じて治療法を選びそれにスキンケア食生活の改善を中心に、長い目で気長に治したほうがよい結果につながる。 はり治療も1回で症状がすっきり取れる分けではないが直後効果として何となく皮膚の感じが違うというくらいだ。

    そこで日常生活の改善と自宅での治療が大事になる。自宅治療は技術的には難しいことはないが続けることはよほど決意しないと挫折する。この患者さんは1ヶ月こちらの指示通りになされた。やはり効果は出るもので首から背中上部の痒みが減ってきたそうだ。見た目も赤みとカサカサが減っている。

    自律神経を介する治療なので1ヶ月を1クールとして2週間ほど休みを入れ再開する予定だ。皮膚の症状は自覚症状と見た目で効果がはっきりするが、アトピーの本質を理解して取り組むことが肝要だ。  

  • Posted by へんせき at 23:39Comments(0)アレルギー

    2010年07月05日

    本物の按摩師

    一年に1回有志の医療従事者数名で意見交換会を行っている。今年は草津温泉で昨日から1泊の予定で開催し先ほど帰宅した。

    草津温泉は温泉番付で東の横綱に位付けられる日本を代表する名湯で時間湯という独特の入浴スタイルが江戸時代から続いている。泉質は酸性が強く温泉の一般的効能の他、水虫などの皮膚病には即効があると思われる。湯治体験記に30年間苦しんだ「尋常性乾癬」を克服した記事が載っていた。

    草津に限らず箱根や伊豆などの温泉地には昔ながらのあん摩さんがいらっしゃる。近年小泉規制緩和無資格者の営業拡大により職域が狭められ苦しい状況に立たされていると聞き及んでいる。私が宿泊したホテルも無資格業者が2軒(タイ古式マッサージ・東洋式整体)営業していた。

    久しぶりに長年にわたり培われたあん摩の手技を受けてみたいと思い、また盲人のあん摩師さんの現状をお聞きしたく部屋に来ていただいた。この方は70歳前後の小柄な男性で48年のキャリアをお持ち、さすがに上手い。なんと言っても手が違う。手が大きく軟らかい。すでに鬼籍に入られたが浪越徳次郎先生の手に似ていた。機会があればぜひ本物のあん摩・マッサージ・指圧を受けていただきたい。

    各人の課題発表の後、温泉、森林浴、ハイキングなどで英気を養ったのでまた明日からの臨床につなげていこうと思う。



      

  • Posted by へんせき at 23:03Comments(0)医療情報

    2010年07月03日

    研究熱心な患者さん

    自転車通勤歴5年、2ヶ月前にクロスバイクからロードレーサーに乗り換えた30歳代の女性。乗り換えてまもなく右膝の内側が痛み出した。それにも係らず自転車に乗っていたら階段の昇降や膝を曲げる動作(屈み込む、正座など)が出来なくなり先ず整形外科を受診した。

    その後スポーツ障害の鍼灸院と整体院に行ってみたが膝の痛みに変化はなかったそうだ。ここからがこの方の偉いところで自分で治そうと思い、いろいろ調べてネット掲示板を通じて自己治療の指導をしてくれる九州のG先生にたどり着いた。

    この先生は私も存じ上げているとても腕のいい鍼灸師で、G先生の指示に従い治療道具を購入し自己治療をした結果右膝とは遠く離れた反応点を見つけ自転車に乗ることは出来るまでによくなった。そこでG先生と同じ治療法の鍼治療を実際受けてみたいとのことで来院された。

    痛みの程度を調べる為、平地を歩く、階段の昇降、四つん這いからお尻をかかとに近づける、ベットに手を突いてかがみこむ、動作をして治療前のチェックをする。今日は時間の関係で遠隔治療頭部のツボ3ヶ所の鍼で6割程度の改善を見た。そしてご本人に今日の治療を参考に次回まで自宅治療を続けてもらうことにした。よく勉強されていて理解が早い。

    ご本人の感想「ネット上の指示では漠然としていた手技やツボの取り方がよく分かった」そうだ。最後に自転車での来院だったので自転車を調べるとどうもサドルのセッティングがよくないようだ。それが不自然なペダリングにつながり膝痛の原因になった可能性がある。もう少しサドルをフラットにしてみるようのお話した。  

  • Posted by へんせき at 00:00Comments(2)運動器疾患

    2010年07月01日

    変形性頚椎症のその後

    6月11日の記事で紹介した患者さんがMRI検査の結果を持って来院された。診断は変形性頚椎症。頚椎の右3ヶ所、左1ヶ所の椎間孔が狭くなり骨棘も形成されている。また手の痺れとは関係ないが甲状腺腫瘍があるので超音波検査をするように指摘されていた。

    頚椎に関しては整形外科の積極的な治療はないと思うがせっかく検査したので患者さんの職場に近い順天堂大学病院を紹介し甲状腺の検査も同時にしていただくことにした。

    主訴である手の痺れは明らかに減っているので患者さんはもう少し鍼灸治療を続け、8月の少年野球の合宿に参加したいとの意向だ。はり治療で変形が治るわけではないが症状が軽減していることを考えると痺れの原因は変形だけではないと推察される。

    この患者さんが検査されたMRIは3・0テスラの最新型で脳や関節の診断には威力を発揮する。あまりに精度がいいと過剰診療の心配もあり医療行為はあくまで総合的見地からなされるべきだろう。  

  • Posted by へんせき at 23:16Comments(0)運動器疾患