たまりば

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2011年05月31日

掌蹠膿疱症性関節炎の痛みの治療

鍼灸院ではめったに診ることがない病気に「掌せき膿疱症」がある。この病気は最初、手掌や足の裏に無菌性の膿疱が多発しやがてそこがガサガサになりそれを繰り返す。この病気を発症したら初期には痛みはなくてもほとんど骨(鎖骨、胸骨、肋骨、脊椎など)に関節炎や腫脹、骨破壊を起すことが知られている。皮膚に症状が出るが本態は免疫の異常があり関節にも症状がでる難病である。

専門医が少なく発症しても正確な診断をくだされず適切な治療に至るまで長期間を要することもある。以前は原因不明、病気の本態も分からず治療法もない難病とされていた。しかし、今では秋田県の本荘第一病院の前橋賢先生が提唱されたビオチン療法で治る病気となっている。

先週来院された50歳代の女性は10年以上前に掌せき膿疱症を発症したが、前橋先生にたどり着くまで数年を要し、現在5年ビオチン療法を続けている。左の肩鎖関節と仙骨に骨破壊があり、かなりよくなったものの肩と腰の痛みがすっきりとれず鎮痛剤を服用している。

2ヶ月前からトリガーポイントブロック注射を始めたが、鍼灸治療も試してみたいとのことで来院された。左肩関節は少し腫れているが熱感はない。腰の痛みは左側がじっと座っていたり、重心がかかったときに痛くうつ伏せに寝ることが出来ない。骨そのものの痛みより「筋筋膜性」の痛みと思われた。初回なので刺激量を少なく円皮針の治療にした。免疫異常がかかわっているので鍼灸治療でも症例が多い関節リウマチやアトピー性皮膚炎などとの関連も考えてみたい。

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  • Posted by へんせき at 02:53Comments(0)皮膚疾患

    2011年05月29日

    脳出血後の片麻痺治療

    4月16日の「脳卒中後遺症の鍼灸治療」で報告した患者さんのその後の経過。4月13日初診で5月25日まで6回治療した。

    一週間1回の鍼灸治療の他に、二週間に1回慈恵会第三病院でrTMS(経頭蓋磁気刺激療法)と一週間に3回東京都多摩障害者スポーツセンターで筋トレや歩行訓練を行なっている。

    初診から約一ヶ月半経つが幾つかの変化が認められる。①麻痺側の皮膚感覚、特に冷たさの感覚が戻ってきている。②難しい言葉を使える感じがする。③睡眠がよくなる。④麻痺側の顔の腫れぼったさが減ってきた。⑤右腕(麻痺側)を挙げるとき今までは意識して挙げていたが、今はそれほど意識していない。⑥トイレを流す時レバーを左手で操作していたが、右手で出来るようになる。指の動きが少し改善したようだ。

    この患者さんのよくなろうとする意欲と努力は感心する。自分が諦めない限り改善の余地はいくらでもあると思う。努力せずにすぐ諦める人もいるが、諦めるとそこが終点になる。この方には表情筋のリハビリのために来週からパタカラを自宅でやってもらう予定でいる。

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  • Posted by へんせき at 00:20Comments(0)脳・精神・神経

    2011年05月26日

    頚椎ヘルニアと瞑眩(めんげん)

    5月20日に首の痛みとビリビリした痺れの治療をした50歳代の女性から昨日電話があった。治療の当日は痛みが半減してよかったが、翌日吐き気がして苦しかった。鍼治療の影響だろうと思い一日我慢していた。するとその翌日には吐き気がなくなりあれほど辛かった首の痛みと痺れがうそのように引いていったとのこと。これで今まで休んでいた仕事にも復帰できそうで嬉しいとの報告だった。

    過去の病歴は数年前に頭痛が続きCT検査でストレートネックを指摘されていた。昨年夏から何度か首、肩が痛くなったが、その都度湿布を貼ったりすると治っていた。今年3月、朝起きたとき首にいつもと違う痛みとしびれを感じて医療機関を受診して頭部のCT検査をしたが脳に異常はなかった。

    その後しばらく薬物治療をして整形外科に回された。頚部のレントゲン検査をしてヘルニアの可能性があるのでMRI検査をするまで低周波治療で様子を見ようとなり1週間その治療を受けたがめまいがして続けられなくなった。自宅で内服薬を飲みながら湿布をしていたが、検査をしてヘルニアを指摘されても手術をする気はないので鍼治療を試してみようと来院された。

    首の前屈と後屈で痛みがひどくなるが、随伴して肩や腕にしびれが走ることはなかった。筋肉の萎縮も麻痺症状もないので、鍼灸適応と判断して痛みの軽減を目安に治療を進めた。最初の半分以下に痛みが軽くなったので治療終了とした。極力軽い刺激を心がけたが翌日吐き気という反応が出た。

    時として治療の後で予想しない反応が起こることがある。例えば、発熱、発汗、多尿、吐き気、下痢、痛みが増す等である。これが一過性でその後症状がスッーとよくなればその反応は「瞑眩」という好転反応という。しかし、治療を間違え悪化しているのを瞑眩と言っていることもあるので注意が必要だ。「瞑眩」という言葉をよく理解するには江戸時代の漢方医「吉益東洞」の著書に詳しい。

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  • Posted by へんせき at 00:10Comments(0)運動器疾患

    2011年05月23日

    ギックリ腰と運動鍼

    ギックリ腰になったようだとの電話があった。昨日、配達された30㎏の米袋を玄関先から台所に運ぼうと持ち上げた時ミシィと左腰に痛みが走り動けなくなり、その後湿布をしてずっと横になっていたとのこと。今日は痛いながらも動けるようになったので鍼治療をしたいとのお話である。

    一番痛い動作は前屈で30度くらい倒すと痛みがでる。もちろん靴下を履く動作は辛い。足にしびれはなく、痛いところは腰椎の2番から仙骨上部の高さでやや左側である。腰椎左側の脊柱起立筋が右に比べやや盛り上がっている。

    遠隔部の膀胱経から治療を始めたが、この患者さんに一番効果があったのは局所の脊柱起立筋に0番鍼を4本約5mm刺入しての運動鍼であった。運動鍼とは鍼を局所または遠隔部に刺した状態で損傷部位を軽く動かすやり方で、腰だけでなく肩でも膝でも応用できる。運動を加えることにより筋肉の緊張がより緩む。

    ベットに腰掛け鍼を刺したまま痛みが出ない範囲で前屈を10回してもらった。その後鍼を抜いて腰を前屈してもらうと90度近くまで曲がる。痛みの程度は最初を10とすると2に減っている。治療効果を維持するために円皮鍼を貼り治療を終える。

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  • Posted by へんせき at 22:39Comments(0)運動器疾患

    2011年05月21日

    腰椎椎間板ヘルニア手術後の腰痛

    昨年11月に腰椎椎間板ヘルニアの手術をした30歳代の女性が腰痛で来院された。3月に仕事に復帰して順調に回復していたが、5月の連休中に何となく腰にツッパリ感を感じていた。一週間ほど経った12日にギックリ腰のような痛みになり特に動作開始時に痛く、腰の前後屈やひねりで痛い。

    またヘルニアが再発したのかと心配したが、何とか動けるので近所の整骨院に4日連続して通院しマッサージと低周波治療を受けたが効果が感じられないので鍼灸を試してみようと思われた。

    診察してみると神経症状はなく、筋筋膜性の疼痛と判断して痛みを発している足の膀胱経の遠隔部位から治療を始めた。手足や頭部の遠隔治療ではなかなか痛みの軽減が認められず、腰部と臀部に針の直径0.14mmの鍼を4本刺鍼して筋肉が緩むのを待った。

    この段階でも痛みは80%くらい残っていてたが、刺激量を増やすと副反応が起きやすい体質と思われたのでここで治療中止した。鍼の効果は治療直後に現れることが多いが人によっては1~2日後に認められることもある。この方は翌日お昼から調子がよくなったそうだ。

    昨日痛みはほとんど取れていたが、念のため手術を受けた病院を受診して腰のストレッチと筋トレをするようにとの指示を受けたそうだ。今日来院されたが3日前とは歩き方や腰の動きもずいぶんよくなっていた。腰の筋肉を緩める鍼をした後、自宅での運動療法をお話して終了した。

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  • Posted by へんせき at 00:07Comments(0)運動器疾患

    2011年05月17日

    アトピー性皮膚炎と喘息の再発

    35歳の男性会社員がアトピー性皮膚炎が最近ひどくなったと来院された。今までの病歴をお聞きすると、子供の時に発症して症状に応じて薬の治療を続けていた。20歳代は割りと安定していたが30歳なり、痒みと喘息発作のためまた病院に通い始め、皮膚科でステロイド剤や免疫抑制剤、内科で吸入ステロイド剤を処方されていた。

    昨年5月、アトピー性皮膚炎がひどくなった。薬を塗っていても一進一退でなかなか改善しないので思い切って薬を中止して生活改善(ビールを中止、間食中止など)を徹底してビタミン剤と乳酸菌を摂取し月に2回他院で鍼灸治療を始めたところ2ヶ月ほどでずいぶんきれいになったとのこと。

    昨年末風邪をこじらせ肺炎になり1月中旬に完治したが、その後夜中や明け方に喘息が始まった。3月になり漢方薬を飲みだし1ヶ月半ほどしたら発作は半減したが、4月の下旬から今度はアトピー性皮膚炎がひどくなってきた。風呂上りや汗がでたりすると痒みがひどく、首、肩、胸、脇の下などの上半身は皮膚がかさつき発赤している。

    アレルギー性の慢性疾患は薬物だけではなかなか完治しない。生活習慣が大きなウェイトを持つ。生活習慣を見直す場合いいと思ってやっていることが逆効果になっていることもあるので注意が必要だ。(例えば、水をたくさん飲むと代謝がよくなる、牛乳を飲むとカルシウムが増える、〇〇体操をすると腰痛にいい)この方は昨年5月を思い出してもう一度徹底することが必要だ。

    アトピーも喘息も自律神経的には副交感神経の異常興奮なのでこの抑制が治療の中心になる。皮膚感覚の変化を確認しながら刺絡治療をした。治療開始から1週間くらいは毎日治療した方が効果が継続するので自宅での刺絡とお灸を治療後30分指導した。3日後に痒みは引いてきたが寝つきが悪くなったと電話があった。

    これは副交感神経を抑制した為に相反作用として交感神経が優位になったためで逆の治療をすれば治まる。自律神経の治療は交換、副交感のバランスをとるために微妙なさじ加減が求められるので細かな観察眼が必要だ。

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  • Posted by へんせき at 10:09Comments(0)アレルギー

    2011年05月12日

    腰椎椎間板ヘルニアと腰部脊柱管狭窄症

    腰痛は急性腰痛と慢性腰痛に大別できる。どちらも原因を特定できない原因不明の腰痛が一番多いが、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症はMRIの画像診断で容易に診断が可能となった。

    この二つの腰痛は発症年齢に明らかな違いがある。ヘルニアは20~50歳代と若い世代に多く、時には高校生の患者さんも診る。一方脊柱管狭窄症は高齢者に多く65歳以上の25%にこの病気が見つかると報告されている。

    昨日腰椎椎間板ヘルニアと診断された高校生が来院された。最初に腰が痛くなったのは昨年の11月、痛くなっても2~3日で自然に治った。その後何度か痛くなったが最初と同様2~3日で治っていたが、今年1月に痛みが続くので整形外科を受診した。レントゲン検査で特に問題ないとのことで湿布を渡されただけだった。

    約3ヶ月様子を見たが改善の兆しがないので、別の整形外科を訪ねMRI検査でヘルニアと診断された。鎮痛剤と鎮痙剤を処方され1ヶ月経過したところだ。現状は薬を飲んでいると日常生活はできるが、薬が切れると痛みが出る。医者は長期間の鎮痛剤は好ましくないと言っているそうだ。

    一般的に腰椎椎間板ヘルニアは薬物で痛みを抑えていればやがて治るいわれている。理由は椎間板の中心にある髄核が線維輪の外に脱出して血液にさらされると免疫作用により徐々に小さくなるからだ。椎間板ヘルニアは保存療法が基本の治療法でその中でも鍼灸治療は体の負担が小さい療法といえる。緊急でない場合はなるべく体に負担が小さく、やり直しが可能な治療法から試すのが無難と思う。

    この患者さんはじっとしていて左腰部と左臀部が重だるく、左側屈で左臀部に痛みが出る。痺れはない。また薬を飲んで来たそうで薬が切れた時ほど痛くはない。治療は左の胆経と膀胱経の遠隔治療と頭部と腰部に刺鍼して腰をゆっくり動かす運動鍼をして、腰を側屈しての痛みの軽減を図った。

    最後にポイントのツボ3ヶ所に皮内針を留置して、次回は薬を飲まずに治療に来ていただくことにした。その方が痛みに対するツボを正確に取れる。腰椎椎間板ヘルニアは手術が必要な場合は稀なので、症状の変化を正確に把握して適切な鍼灸治療をすれば必ずよくなると考えている。


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  • Posted by へんせき at 23:36Comments(0)運動器疾患

    2011年05月09日

    陶芸家の手指・肘の痛み

    50歳で会社を退職し、その後趣味でやっていた陶芸を本格的に勉強して今では全国規模の展覧会で入賞するまでに上達された62歳の女性が右手指と肘部の痛みと肩の重だるさで来院された。

    異常を感じ始めたのは約2ヶ月前で、最初は腕のだるさだけだったが次第に指や肘の部が痛くなってきた。湿布を貼ったりお風呂で温めて対処していたが、連休前から痛みがひどくなり物を握る動作で日常生活で支障が出てきたそうだ。

    ビンの蓋を開けたり、ものを掴み力を入れると指や手の甲に痛みが出る。前腕を回内、回外させると肘の外側に痛みが出る。首を動かしても痛みはない。触診していくと指、前腕、肘部に18ヶ所の圧痛点があり、頚部の胸鎖乳突筋がとても緊張していてここにも5ヶ所の圧痛点がある。

    圧痛点は治療ポイントとして大事だがすべてが治療点になるわけでなくその中で治療効果がある圧痛点を探す作業が必要になる。最初に探した圧痛点を先が丸くなったお箸のような木製の棒で何度か圧迫していると次第に圧痛点が減って18ヶ所は8ヶ所に頚の5ヶ所は3ヶ所に絞られた。その8ヶ所と5ヶ所の圧痛点に1ヶ所づつ皮内針を貼り指と肘の痛みを確認しながら治療を進めた。この中にも効く所とそうでない所がある。皮内針は鍼の痛みがまったくないので鍼灸治療が始めての方でも不安なく治療できる。

    頚と肩の重だるさははっきりした圧痛点がないので、頭部の鍼と刺絡で本人の自覚がどう軽くなるかを確認しながら4ヶ所の治療をした。初回の治療で約50%の改善で自宅で治療点となった所にお灸を1週間続けてもう一度来院していただくことにした。

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  • Posted by へんせき at 00:30Comments(0)運動器疾患