RS3PE症候群
勉強不足と言ってしまえばそれまでだが、時々聞いたこともない病名に遭遇することがある。70歳代の主婦が2か月ほど前に部屋の大掃除をした後から手指が痛い、腫れる、曲がりにくい、足指、足甲がむくむ等の症状で来られた。
整形外科では腱鞘炎と言われたそうだ。症状がすこしづつひどくなって朝方腕や肩が動かしにくく指のこわばりも感じると言う。腱鞘炎よりリウマチ系の病気のように思われたのでH5F5井穴刺絡を中心に治療した。そしてリウマチがないか調べてもらうように指示した。
血液検査でCRPは高いが抗CCP抗体は正常で整形外科医は大学病院のリウマチ膠原病科を紹介した。10月に入りレントゲン検査、詳しい血液検査、手のMRI検査、さらに全身のがん検査(胃大腸内視鏡、マンモグラフィー、婦人科検診等)。そして11月中旬にRS3PE症候群と確定診断が出た。
幸いステロイド剤がよく効く病気で予後はいいとのことで来月から治療が開始される予定だが、B型肝炎キャリアが見つかりステロイド剤の使用を慎重にする必要がある。
2か月ほど鍼灸治療を続けてきたわけだが最近は手の赤みが引き腫れも最初の三分の一位になった。足甲の圧痕性の浮腫も半分くらい、腱鞘炎様の痛みは残っているが指の動きはよくなった。CRPも4.46から2.82と改善している。このままよくなっていけば少量のステロイド剤でいいかもしれない。
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