手首の痛みと円皮針

へんせき

2011年07月18日 23:23

55歳男性。昨日夕方から急に左手首が痛くなったといって来院された。痛みは手首を掌屈(内側に曲げる)と痛む。背屈(反らす)動作では痛くなく、物をつかむ動作でも痛くない。痛い場所は手首の甲側上方ツボで言えば外関付近。

腱鞘炎でしょうかと尋ねられるが、前腕伸筋の筋筋膜痛と思われた。この数日何か普段と違うことをしなかったか問うと二日続けて朝の散歩の時、公園で高鉄棒に2~3分ぶら下がったとのこと。原因は間違いなくそれで、普段使っていない筋肉に負担がかかったことにあると思った。

痛い場所は前腕だが傷めたのは、鉄棒を握り締めた時に細かい手の甲か指の筋肉または腱と予想して手の甲の圧痛点を調べた。激痛点が1ヶ所ありそこを押さえて手首を曲げると痛みがほとんどない。そこに円皮針を貼ると痛みは消失した。治療は5分で呆気なく終了したが、中高年になると想像以上に筋力や関節の柔軟性は衰えているので普段と違う動作や運動をするときは注意したい。

すべてではないが1本の鍼や1ヶ所のお灸で症状がパッと変化することも臨床の場ではよく経験する。たぶん痛みの信号系の回路が変化するのだと思うが、その時は術者も患者も不思議ですねと言うことになる。


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