手術を提案された足の痛み
73歳の女性が少し足を引きずりながら入ってこられた。仙骨部と右の下肢外側、特に外くるぶしの上10センチ付近が痛いそうだ。
整形外科医はMRI画像を見て、手術を提案されたそうだ。しかし
高血圧と腎臓の持病がありとても手術は無理と思いかかりつけの腎臓内科の医師に相談の上鍼灸を試してみようと思い来られたそうだ。鎮痛剤は腎臓に負担をかけるので
薬を使わない治療を考えられた。
じっとしていると痛みはないが、歩行時右に重心がかかると痛い。また椅子から立ち上がる時や腰の前屈、後屈で仙骨部と右下腿外側が痛む。麻痺や知覚異常はない。特に痛みがひどくなったのはこの3ヶ月。
原因ははっきり分からないがおそらく
筋肉のスパズムが原因で、
痛みが慢性痛に移行していると思われた。外観的に骨の変形は想像されるが、このような場合大事なことは
先ず痛みを少しでも軽くすることだ。
1穴鍼をするたびに動作時痛を確認し、三つ目のツボに治療をしたところで仙骨部の痛みが取れた。右下腿の痛みはまだ7割くらい残っているが
足が温かくなり、少し眠くなってきたとおっしゃる。最初の治療なのでここで治療終了として、3回くらい1日おきに治療することにした。
慢性痛は一旦よくなってもまたぶり返したり、別の場所に痛みが出たりすることがあるので、効果が認められたら
最初数回はあまり間隔を空けずに治療した方が効果的だ。
関連記事