不妊症治療に鍼灸をどう生かすか

へんせき

2011年02月18日 02:15

最近不妊症を主訴に来られる患者さんは、医療機関で先進生殖医療を受けた又は受けながらの方が増えた。以前と比べ年齢もあがり、30歳代後半から40歳代前半の女性が多い。不妊症は女性だけの問題ではないが、女性の社会進出や晩婚化とも無関係ではないと思う。

不妊症治療でいちばん大切なことは、その原因が何かを見つけることとだが原因を特定できない不妊がとても多い。卵子の質も大切で年齢とともに老化するそうだ。女性側の原因は①排卵 ②卵管 ③着床 ④頸管に問題がある場合に分けられ、男性側の原因は精巣で精子を作る機能に問題がある場合が90%を占める。

不妊治療はある意味時間との勝負でもあるので、早く最適の治療法を行なうべきだ。「タイミング療法」で自然妊娠を目指すのが基本だが、検査しだいでいきなり「人工授精」や「体外受精」を選択した方がいい場合もある。しかし費用として人工授精は1回1万円から3万円、体外受精は30万円から50万円かかる。また1回で成功するわけではなく、人工授精の妊娠確率は1回5%、数回の治療で約20%、体外受精は女性の年齢によりかなり差が出るが妊娠確率は平均25%、出産確率は15%といわれている。

さて鍼灸治療をするとどのような効果がでるのか。先ず基礎体温をつけていると高温期への移行が早くなり高温期が長くなる。「手足の冷え」「肩や首のこり」「便秘や下痢」などの不定愁訴の改善や子宮内膜の厚さが改善する。治療をして妊娠に至った人は明らかに不定愁訴が減っている。どの臓器も血流低下は機能不全の原因となる。公的なエビデンスは途上だが不妊症の方は期間を決め鍼灸治療により体調がよくなるか、またホルモン検査や子宮内膜検査がどうなるか試してみられるといい。


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