慢性骨髄性白血病の補助治療

へんせき

2010年03月17日 23:11

3年半前に慢性骨髄性白血病を発症して投薬治療を継続中の60歳代の女性が体調管理と服薬している薬の副作用軽減のために月2~3回来院されている。

慢性骨髄性白血病の治療は2001年に承認されたグリペックにより画期的な進歩をとげた。しかし人により副作用が出る。彼女も標準量を飲むと白血球が減り体調も悪くなるので休薬や減薬で対応していた。彼女は私と同じ趣味の会の会員で、知り合った当時私は子宮がんの術後抗がん剤治療を受けている患者さんの往診をしていた。

目的は抗がん剤治療後の副作用軽減の為であった。その方は抗がん剤点滴のあと必ず白血球が減ったが3日間お灸をすると回復が早かった。その経験を基に鍼灸を試してみることにした。治療前2600だった白血球がその後3100から3900と増加した。

2009年3月に新しい分子標的薬タシグナとスプリセルが発売されグリペックが使いにくい人に福音がもたらされた。彼女も12月からタシグナに変え副作用が減った。この病気は一生薬をのみ続けなければいけないので副作用の有無は大問題である。副作用は減ったがはり灸は継続されている。

この病気は10万人に一人と珍しくもし疑いがあれば必ず専門医の診断治療を受けなければならない。近くでは慈恵第三病院の血液内科 薄井紀子先生がJALSGのメンバーで活躍されている。都立大塚病院の宮脇修一先生や都立駒込病院の坂巻壽先生はこの分野の第一人者だ。

関連記事