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2022年05月15日

足首の痛み・シーソー法

緑内障の治療で来院中の50歳代の男性。入室されて来るとき足に痛みがあるような不自然な動き。どうされたか聞くと昨日から急に左足首の内側が体重をかけると痛いとのこと。

目の治療の前に足首の痛みの治療をする。痛い部位は足首内側、太谿付近。腎経上なのでF3井穴刺絡をしたが変わらない。もう一度やってみたが変化なし。痛い部位に激痛の圧痛点はない。体重をかけて痛いところに印をつけそこに鍼をしてみるが効果なし。

次に太谿の反対側、崑崙付近に5か所速刺速抜の鍼をする。この治療で歩いて体重をかけてもほとんど痛みを感じなくなった。ふくらはぎに2か所パイオネックスを貼り足の治療は終了し目の治療に移った。

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  • Posted by へんせき at 10:15Comments(0)運動器疾患

    2022年05月12日

    脊柱側彎症による腰痛

    過去に3回ギックリ腰の経験がある40歳代の女性。慢性的な腰痛があるが10日ほど前から痛みがひどくなってきた。小さいときから脊柱側彎症と言われているがとくに治療したことはない。

    動診をすると前屈と左側屈で左腰と臀部に痛みが出る。左足甲に2ヶ所アキレス腱に1ヶ圧痛がある中足骨間の圧痛点に刺鍼すると前屈の痛みが取れた。左側屈の痛みは井穴刺絡や頭部刺絡で10→5くらいになり局所の鍼でほぼよくなった。

    脊柱側彎症のせいか背中の筋肉が左右アンバランスで筋肉も弛緩している。コロナになって通っていたスポーツジムも止め今は犬の散歩くらいしかやってない。まだ先のことで実感がないと思うがこのままでは70歳代後半から生活に支障が出るかもしれないとお話しするとどうしたらいいかお尋ねになる。

    簡単にできる運動とストレッチを毎日続け3か月後にロールアップができるようになるよう目標を設定した。痛みがぶり返さないか様子を見てもらい次回内臓がどうかチェックすることにした。

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  • Posted by へんせき at 19:49Comments(0)運動器疾患

    2022年03月10日

    顎関節痛(口を大きく開けられない)

    ご主人の治療に付き添ってこられた奥様。遠方からの来院で自宅治療をやってもらうべく井穴刺絡のやり方を指導した。手先も器用でこれならうまくやれるだろうと思った。治療を終えた後、時間があれば自分の治療もして欲しいと言われた。

    一年半前に歯の治療に行ってから、口を開けようとすると左顎関節に痛みが出てよくならないとのこと。歯科でマウスピースを作り装着しているが変化がない。指2本を入れようとすると痛みが出る。

    治療は左F6H6の井穴刺絡を2回する。少し開きやすくなる。次に咬筋や側頭筋の凝りや圧痛点を調べ(頬車、外関、大迎など)1番鍼を置鍼。
    側頭部の圧痛点二か所は頭部刺絡。ここでもう一度口を開けてもらうと開きやすく、痛みも軽くなり指二本は楽に入るようになった。

    最後に胸鎖乳突筋の圧痛点に鍼をして治療終了する。セルフケアするならH6H4F6の井穴刺絡と口を開けようとしたら痛くなる部位へ寝る前に円皮鍼を貼ること。しばらくやっていただくことにした。



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  • Posted by へんせき at 23:05Comments(0)運動器疾患

    2022年03月06日

    不整脈(期外収縮)と下腹部痛

    一ケ月前期外収縮の治療をした60歳代の主婦。期外収縮は全く自覚症状がない場合と起こるたびに胸に違和感を感じ気持ち悪い場合がある。どちらも危険な不整脈ではなく病院を受診しても大丈夫です、様子を見てくださいとなる。この方も自覚があり受診したが様子見となって一週間ほど経っての来院となった。

    三年前に心房細動でカテーテルアブレーションを受けていて再発したのか心配もあったがそうではなく一安心したが、何とか止めて欲しいとの要望。H3→H2→H1と井穴刺絡その後H5と百会の刺絡で期外収縮の間隔が伸びてきた。最後に胸骨の圧痛点にパイオネックスを貼り治療終了。治療後1時間後には止まりその後は出てないとのこと。

    今日は右の下腹部盲腸付近に凝り感と前屈すると痛みが出るとのことで来院された。触診してもその部は痛くない。少し下の鼠径部に圧痛点がある。そこに鍼をして前屈してみると痛みが軽くなっている。右F1F6 井穴刺絡をしてもそれ以上の改善がない。足指から甲を調べると行間付近に激痛がありそこを抑えて前屈すると痛みが消えている。

    パイオネックスを貼りもう一度試してみると違和感もなくなり手の指が床に着くようになっていた。また痛みが出るようなら圧痛点を調べてパイオネックスを貼るように指示して治療終了する。腰椎の側弯症がこの2年でひどくなっていると整形外科に言われているそうだが腰も楽になったと喜ばれた。

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  • Posted by へんせき at 13:46Comments(0)呼吸・循環器

    2022年02月02日

    鼻のどの違和感、右手首の痛み、片頭痛

    50歳代の主婦。鼻の奥の痛みとのどの違和感(特に右側)続いている。のどに何か引っかかっているようですっきりしない。耳鼻科で半夏厚朴湯をもらい飲んでいるがよくならない。鼻は鼻うがいを試したがかえって鼻声になった。

    H3H1と井穴刺絡をするとのどの不快感が楽になり呼吸が深くなる。上星の刺絡で鼻が通る。右手首は手のひらをつけて体重をかけるような動作で痛みが出る。また手首の撓屈でも痛い。母指球に圧痛点が3か所、そこにパイオネックスを貼り前腕肺経ラインの圧痛点の刺鍼して手首を動かす運動鍼をやると手首を動かしやすくなる。体重をかけての痛みは半分になる。

    片頭痛は今は起きてないが20年位前に発症して予防薬をもらっている。今日は治療しない。便秘があり薬を飲んでいるという。おなかを触るとみぞおち部が硬い。右F1F6井穴刺絡をするとおなかがごろごろ動き出しみぞおちに指がはいるようになった。のどもさらによくなった。

    運動はダンスを週に3回やっているが血圧が低く上が100mmHgいかない。これも今日は治療せず様子を見てもらうことにした。5日後に二回目の治療予定。


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  • Posted by へんせき at 00:12Comments(0)不定愁訴・体調管理

    2022年01月23日

    風邪の後に耳鳴りが始まる

    先週幼稚園児の子供から風邪をもらった。熱は38度くらいで呼吸器症状よりも消化器症状がひどく内科を受診した。コロナ抗原検査陰性で薬を処方された。数日で症状はだいぶ治まってきたが左耳にブーンというやや低音の耳鳴りが始まった。

    風邪もまだすっきりしてないので先ず風邪の治療でおなかをチェックしてF1F6井穴刺絡。百会の刺絡でおなかがすっきりする。耳の聞こえは問題ないようで突発性難聴ではないようだ。風邪の後の発症で何かウィルスが関係しているのかもしれない。

    首の緊張を取り内耳の血流をよくして耳鳴りがどうなるか治療してみる。左胸鎖乳突筋の圧痛点にパイオネックスを貼り、側頭部耳の周囲の圧痛点から刺絡。H6H5H4F5井穴刺絡で首のコリが軽くなる、耳鳴りも最初の半分くらいになる。

    自宅で胸鎖乳突筋と血行をよくする耳のマッサージをやってもらうことにして治療終了する。

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  • Posted by へんせき at 16:37Comments(0)感覚器疾患

    2021年12月29日

    帯状疱疹による痛み、ひきつれ感、4回の治療で完治

    50歳代のパート勤務女性。一か月ほど前に帯状疱疹を右の腰部、臀部、大腿部に発症した。水疱が出てから皮膚科を受診して抗ウィルス薬と鎮痛剤を処方された。

    来院時、皮膚症状は乾燥して紅斑は残っているが新しい水疱はできてない。痛みとひきつれ感が取れず精神的に参って仕事も休んでいるとのこと。他に緑内障の疑いで通院している。また両手首にひどい湿疹があり1年前まで治療していたがよくならずその後そのままにしている。

    H5F5井穴刺絡で体の疲労感が楽になり目がはっきりする。鼠径部から上前腸骨棘、臀部にかけての症状に対して右F1F2F3井穴刺絡。これで70%くらい楽になったという。

    目の治療にこめかみと目窓の刺絡と上まぶたと太陽の施灸をして治療終了。

    その後3回井穴刺絡をメインにハペロールや石黒式注熱器の治療をしたところ初診から20日後にはツッパリ感や痛みはすべてよくなった。発症から割と早い時期に来院され自宅でも井穴刺絡をされたことが早期の治癒につながったようだ。

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  • Posted by へんせき at 23:59Comments(0)脳・精神・神経

    2021年11月16日

    頭部刺絡による視力、瞳孔の改善

    私事だが二か月前に久しぶりに眼科検診に行った。特に問題はなかったが遠近両用の近くを見る方が少し見えにくくなっていた。そこで次月、眼鏡制作技能士の宮下先生の予約を取った。

    先月の検眼で分かったことは右目の視力がいつも1.2~1.5出ているのが0.9に落ちている。左の近視の度数が3段階よくなりレンズの度数が強くなっている。そのため近くが少し見えにくくなっているのではないか。また瞳孔の開きが悪いとのことだった。視力や瞳孔の状態は体調によっても変わるので一か月後もう一度検眼することにした。

    先週宮下先生の二度目の検眼を受けた。右目の視力は0.9が1.5によくなり瞳孔の開きも正常になっていた。左目の状態は同じでレンズが3段階強い。この日は検眼に行く直前に後輩の鍼灸師の先生が来られたので後頭部の刺絡をしてもらった。

    たまたま体調がよかったのか、頭部刺絡をしたせいでよくなったのか断定できないが刺絡をして検眼をするとしない場合と比べてどうなるか統計を取ると有意に効果的という結果が出るのではないかと宮下先生をお話しした。

    眼鏡を新調するかはもう一度検眼してから決めることにした。宮下先生は納得するまで検眼したうえでないと眼鏡を作らない。

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  • Posted by へんせき at 00:07Comments(0)感覚器疾患

    2021年11月07日

    股関節の痛み、最後まで自力で歩きたい

    95歳の女性。一人暮らしで何の介助も受けずに自活されている。7月くらいから左足が痛くなりだんだんひどくなってきた。痛い場所は股関節(鼠径部)付近。9月中旬整形外科に行ったが骨に異常はないと言われた。その後近所の鍼灸院で3回治療したがよくならなかった。

    当院の患者さんの紹介で来られた。今まで右足は痛くなかったが昨日から右足も少し痛くなったと言う。歩き方を見ると足(膝)が上がらない。ベットに座り膝を組んだり抱え込んだりする動作で股関節の動きを調べる。寝てパトリックステストをやってみる。動きはそんなに悪くない。

    圧痛を調べると大腿内側の内転筋と恥骨の外側、鼠径部に圧痛がある。今日は左側だけ治療してどうなるか診てみることにした。左のF2,F5井穴刺絡と圧痛点の円皮鍼で歩く時の痛みが半分以下になる。内側の痛みなのでF1F3の井穴刺絡も追加する。側臥位で触診すると環跳付近に圧痛点があるのでそこに鍼をして治療を終わる。

    コロナ禍で運動量が減り筋肉(特に足を上げるインナーマッスル)が弱って痛みがててきたのではないか?大腰筋や腸腰筋の運動を少しやってもらうことにした。

    3日後来られて治療の後左は楽になり帰りに買い物をして重いものを持った。今日は左よりも右の鼠径部付近の痛みを感じるので右側も治療して欲しいとのことだった。

    治療に先立ちB5用紙1枚にご自分の今までの病歴を書かれて持参された。腸チフス、結核、骨折、乳がん全摘、気管支喘息、リュウマチ性多発筋痛症、狭心症ステント挿入、喉頭部前がん症状など。結核になっても乳がん、気管支喘息、狭心症になっても煙草を止めることはなかった。30歳から55年吸っていたが10年前声が嗄れのどの不調を感じ有明のがんセンターを紹介された。

    いろいろ検査をして初診から2か月後来るように言われた。少し進行しているがもう少し様子を見ようといわれた。25本煙草を吸っていたが5本減らして2か月後診察を受けたら少し良くなっていると言われた。そこで今度は煙草を完全にやめて2か月後診察を受けた。医者がとてもよくなっているうまくいけばこよくなるかもしれないと言ってとても嬉しそうな顔をした。

    そこで医者に長年吸っていた煙草を止めたことを話し、半年後には完治を宣言された。私が禁煙を決心したのは医者の笑顔だったと話してくれた。

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  • Posted by へんせき at 15:45Comments(0)運動器疾患

    2021年11月07日

    腰痛、食欲亢進も胃腸不調

    40歳代の女性会社員。半年前に海外から帰国して転居や職場環境の変化でストレスがたまり自律神経が乱れているとのこと。特に睡眠、胃腸の不調、頭がすっきりしないなど。慢性的な腰痛はあったが前日夕方から痛みが増してきた。

    7~8年前スノボでふくらはぎと腰を痛めたとき頭に鍼をしてよくなったことを思い出し頭部刺絡を希望されて来られた。先ず腰の動診をすると後屈、左側屈で右腰に痛みが出る。立って右足に靴下をはく動作でも痛みが出る。

    右F4井穴刺絡を2回、右F5を1回やったところで痛みは半減した。腹診をしておへそと鳩尾の中間付近の圧痛は左F1F6井穴刺絡でよくなった。百会の刺絡を2回すると残っていた腰の痛みもほとんどよくなった。頭がすっきりせずモヤモヤ感があるというので百会の前後左右の刺絡をして治療終了。

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  • Posted by へんせき at 14:32Comments(0)運動器疾患

    2021年09月19日

    バセドウ病 薬を飲みたくない

    50歳代の会社員の女性。6月足のむくみが気になりAクリニックを受診した。血液検査で甲状腺機能更新を指摘されたがサプリメントで栄養不足を補う食事療法を始めた。

    八月中旬に動悸が激しくなり内分泌専門のBクリニックを受診した。バセドウ病と診断され服薬指導をなされた。しかしどうしても薬を飲む気にならず当院に来られた。

    動悸が激しいときは120回/1分、今は安静時90回くらいだが運動量が増えると苦しい。Aクリニックの検査とそれから1か月半後のBクリニックの検査を比べてみるとTSHはどちらも最低、T3T4の数値は悪くなり、TRAbも24と悪い。また肝機能も悪くなっている。通勤と事務仕事は可能。

    のどを診ると目立つほどではないが少し腫れている。目もほんの少し出ている感じ。身長160cmで体重40Kgと痩せているが食欲はある。血圧はやや低めで花粉症のアレルギーがある。体にややほてり感がある。

    心臓に負担がかかっているのでH3井穴刺絡をすると呼吸が楽になる。もう一度やるとさらによくなる。その後H1をやっても変化なし。靴下の痕がついているのでF3井穴刺絡。のどを通る経絡F6井穴刺絡の後交感神経抑制のH6F4井穴刺絡を2回やる。目の治療に太陽穴に施灸7壮。百会の刺絡をして治療終了する。楽になる。

    症状がひどくなると内臓に負担がかかり仕事も大変になるのでその時は服薬も再考し、体調と検査結果を見ながらしばらく井穴刺絡を続けることにした。

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  • Posted by へんせき at 12:06Comments(0)膠原病・内分泌

    2021年09月01日

    複視(滑車神経麻痺)ものがダブって見える

    複視とはものを見たとき上下、左右、斜めなどにずれて二つにダブって見えることで、片方の眼球の動きが悪くなって両眼で見たとき視線のずれで起こる現象だ。

    ぎんなん治療院の紹介で来られた50歳代の男性。二週間ほど前に突然発症した。朝起きて何か変だなと感じ階段を降りようとしたとき階段が交差して見え手すりにつかまり恐る恐る降りた。疲れかなと思いしばらく様子を見ていたがよくならないので眼科を受診した。その後神経内科と目の神経専門医の診察を受け左目の滑車神経麻痺と診断された。

    治療としては特別のものはなく半年から1年で自然回復を待つということだった。薬はビタミンB12のみ。しかし現状では仕事もできないし車の運転もできないので少しでも早く回復可能か稲舛先生に相談して井穴刺絡をやってみたいということで当院を受診された。関連は不明だが発症二日前にコロナワクチンの二回目の接種をした。

    過去に目の病気としては左目の中心性漿液性網脈絡網膜症を4年前に発症して半年ほどで自然治癒するも今も時々症状が出るとのこと。

    治療はむくみの体質があるとのことでH3F3井穴刺絡。H5F5井穴刺絡で回りが明るく見えるとのこと。左右F2F6井穴刺絡をするがダブって見える症状は変わらない。最後に玉枕と山元式頭皮鍼の滑車神経の部から刺絡して治療終了する。

    翌日2回目の治療。昨日帰り道で階段のずれが少し小さくなっているのに気付いた。そして今朝明らかに交差が減っていると感じた。昨日と比べて10→6~7くらいに改善した。このままよくなっていくのか、またぶり返すのか分からないが週3ほどの治療を続けてみることにした。

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  • Posted by へんせき at 17:52Comments(0)脳・精神・神経

    2021年07月18日

    バセドウ病と妊娠

    2018年会社の検診で甲状腺の腫れを指摘されその後半年毎に検査を受け経過観察していた30歳代の女性。今年五月に急に体調が悪くなった。症状は微熱、倦怠感、手の震え、動悸、息切れ、体重減少など。

    かかりつけの病院で調べるとバセドウ病と診断されチウラジールが1日300mg処方された。服薬を始めて二週間後に来院された。薬が効いて微熱等の自覚症状はだいぶ取れてきた。しかしこのまま薬を飲み続けると妊娠に障害が出そうで早く薬を減らしたい。またのどの腫れも目立つのでもう少し小さくできればとの希望であった。

    最初の治療はH3、F3、F6、H6、F4井穴刺絡と百会の頭部刺絡をする。補助治療として体幹部に石黒式注熱器を頸部にテルミー温熱器を使用する。治療後呼吸が楽になり体が軽くなるという。

    二週間に一度通院して検査があるそうなので、検査結果を持って当院にも二週に一度来てもらうことにした。その後3回治療したが毎回検査の結果がよくチウラジールが300mg→200mg→100mg→50mgと減り通院も1か月後に伸びた。また最初少し数値が悪かったAST50,ALT75も23,17と正常に戻った。4㎏減っていた体重は1㎏増えた。

    またのどの腫れも少し小さくなったようで次回エコー検査してもらうそうだ。確かに触診してみると小さくなっている。FT4,FT3,TSHは正常値になっているがTRAbはまだ高値でもうしばらく刺絡治療を続けてみようといっている。

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  • Posted by へんせき at 23:25Comments(0)膠原病・内分泌

    2021年06月03日

    口角炎の簡単な手当法

    唇の端が切れて痛い口角炎。普通はほっといても一週間くらいで治ることが多い。傷薬を塗ろうにも原因を確定しないとかえって悪化させるので自己判断で薬を塗るのはお勧めできない。

    ではどうするかというと細菌や真菌感染でない口角炎にはワセリンが効果的だ。ただ塗り方にコツがある。普通に少量すり込むように塗ると一時的に痛みは軽くなるがなかなか完治しない。ところが小豆粒の半分くらいの量を傷口にくっつけるように厚く塗ると非常に効果的だ。これを一日3~4回繰り返す。

    ほとんどの場合翌日にはよくなる。もし三日やっても治らないなら皮膚科で原因を調べてもらうといい。このワセリンの塗り方は以前知り合いの皮膚科医に教えてもらった。井穴刺絡で治療するならF6が第一選択。ワセリンも井穴刺絡も体に副作用がない。もし自分や家族が口角炎になったときは試していただきたい。

    先日腰痛治療の患者さんが口角炎になっていたのでF6井穴刺絡をしてワセリン治療をしたら翌日には全く痛みが取れ傷もほとんど治って喜ばれた。

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  • Posted by へんせき at 23:24Comments(0)皮膚疾患

    2021年05月06日

    二週間経過した帯状疱疹

    昨日は休診日だったが帯状疱疹の痛みが辛いという電話がありこの病気は一日でも早く治療した方がいいので来ていただくことにした。時間が経つと神経が障害される帯状疱疹後神経痛に移行する場合もある。

    患者さんは70歳代の女性で会社経営者。患部は右脇肋骨に沿ってチクチク、ピリピリとした痛みがあり夜痛みで目が覚めるとのこと。痛み始めたのが二週間前で発疹が出たのが五日前、体質的に薬は合わないのでなにも治療はしていない。お風呂に入っているときはとても楽。7年前にも同じ部位に発症した。

    今回はインプラントの再手術で骨移植や歯茎の移植などで流動食しか食べられず抵抗力が落ちていたのではないかという。井穴刺絡に期待しての来院だがやってみるととても痛がりで特に足の薬指は触るだけでも痛がる。

    ソフトタッチで何とかH5F5井穴刺絡を2回やって右脇を触ってみると最初の半分ほどに軽くなっている。右足甲の胆経ラインに二か所圧痛がありそこにパイオネックスを貼り、右肋骨部に石黒式温熱気を肌着の上から当てているとさらに痛みが減っていった。

    自分は肝臓が悪くこの数日食欲がないのでその治療もして欲しいとのことで、おなかを診ると右季肋部に圧痛がある。また少し我慢していただき右F2F6井穴刺絡をすると圧痛解消。背部の肝兪にせんねん灸をして治療終了する。昨夜は食欲が出て普通の食事ができたと先ほど連絡があった。

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  • Posted by へんせき at 10:52Comments(1)脳・精神・神経

    2021年03月25日

    朝だるくて学校に行けない(体位性頻脈症候群)

    中学2年の男子。3月に入り朝だるくて起きられなくなり学校を休んでいる。頭痛も伴っている。昨年10月中耳炎と副鼻腔炎にかかり耳鼻科で抗生物質や抗アレルギー薬を処方されている。4か月服薬しているがいまだに鼻詰まりが取れない。

    そうこうしているうちに朝起きられなくなり学校に行けなくなった。今の治療を受けていてもよくなりそうもないと思い10日ほど前に病院を変え漢方薬を飲み始めた。効果をいまいち感じられなく中村先生のブログを見て当院を受診された。

    今の症状は頭痛、鼻づまり、午前中体がだるくて起きられない。肩こりがつらい。食欲はあり夜たまに寝つきが悪いが夜中目覚めることはない。アレルギーの検査を受けたが特別反応しているものはない。クラブ活動は陸上部に入っている。できればこれ以上薬を飲みたくないとのこと。

    血圧を測ると臥位で106/65脈拍66。立位で123/70脈拍87。5分ほど間をあけてもう一度測ると臥位116/64脈拍67。立位136/86脈拍86。立位になると収縮期血圧が20mmHg、脈拍が20拍ほど上昇する。おそらく起立性調節障害の一種体位性頻脈症候群ではないか?

    鼻詰まりの治療でH1井穴刺絡をすると通りがよくなり上星の刺絡でさらによくなる。H5F5井穴刺絡を二回すると頭のもやもやもほとんどとれる。志室にせんねん灸をして治療終了する。

    母親が自宅でやりたいと言うが息子は母親を信用しない。それなら自分でせんこう灸を井穴にして上星を爪楊枝で刺激するように指導した。鼻うがいのやり方も教え次回の治療まで続け鼻詰まりがどうなるか様子を見てもらうことにした。治療に慣れてきたら井穴刺絡にも挑戦してもらおう。

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  • Posted by へんせき at 23:48Comments(0)不定愁訴・体調管理

    2021年02月22日

    足底筋膜炎とモートン病

    60歳代女性。右足かかとの痛みで来院された。最初昨年10月に痛くなり整形外科を受診した。骨棘による足底筋膜炎と診断され局所に注射をした。それはよく効いて痛みは治まった。ところが今年1月末に竹踏みをやったところ翌日痛みがぶり返した。

    整形外科にまた行き注射をしたが今度はよくならない。注射をしても痛みの軽減がほとんどなく数日様子を見たが痛みが引かず7年ぶりに当院に来られた。

    かかとの圧痛点を調べるとかかとの内側と内くるぶしの斜め前(然谷付近)に認めた。F3井穴刺絡を30滴3回行い歩いてもらうと楽になっている。次に然谷に灸点紙をしいて10壮。これで最初の痛みが8割減となる。あとは自宅でアキレス腱からふくらはぎのマッサージをしてもらうことにした。

    他に左足のモートン病がある。発症して1年3か月たっていてハイヒールを履くと痛くなるという。スニーカーでは痛くない。指、足裏の圧痛点に円皮鍼を貼り自宅でハイヒールを履いて痛みが出るかどうか試してもらい、痛いようなら次回ハイヒールを持参していただくことにした。

    最近血圧が少し高くなり時々頭が痛くなるそうだ。測定すると153/93mmHgとやや高いのでH3H6F4井穴刺絡をすると上下ともに10mmHg下がった。これくらいなら運動と食事を見直し体重を5㎏落とせば正常になると思われる。そのようなお話をして治療終了。


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  • Posted by へんせき at 22:29Comments(0)運動器疾患

    2021年02月11日

    帯状疱疹・帯状疱疹後神経痛知っておきたいこと

    先週YouTubeで稲舛先生が帯状疱疹・帯状疱疹後神経痛について詳しく解説されていた。興味がある方は是非ご覧いただきたい。改めて帯状疱疹について知っておきたいことをまとめてみた。

    帯状疱疹はなぜ起こるのか。原因は過去にかかった水ぼうそうが関係している。子供のころにかかる水ぼうそうは自然に治るがそれを引き起こす水痘帯状疱疹ウイルスは体の神経節に潜み消滅するわけではない。ところが中高年になり加齢、ストレス、疲労など免疫力を下げるようなことが重なると潜んでいたウイルスが活動を再開して神経節から神経に沿って皮膚へと移動して症状が現れる。

    最初に出る症状は皮膚症状ではなく手、足、体幹、顔、頭などの部位の左右どちらかに痛みを感じる。その痛みは人によりピリピリ、ズキズキ、痺れる、何となく痛い、刺すように痛いなど様々である。その後皮膚が赤くなり水疱ができる。この段階になって帯状疱疹と分かる。痛みの段階では例えば顔の場合三叉神経痛、虫歯、胸なら肋間神経痛や心疾患などの内臓の病気も考えられる。

    帯状疱疹の治療を早期に開始するには皮膚症状がでたら一刻も早く医療機関を受診することが大切である。それは帯状疱疹の痛みや水疱を早く治し帯状疱疹後神経痛の合併症を防ぐ目的がある。帯状疱疹の広がりを軽くし早期に治すと帯状疱疹後神経痛の発症は抑えられる。

    帯状疱疹後神経痛の痛みはひどいと服が触れるだけで痛い、顔を洗えないなど生活に支障をきたし長期にわたると精神的にも落ち込み外出もできなくなる。そうならないためにも痛みの後に水泡を見つけたらすぐに治療を始めよう。皮膚科では抗ウイルス薬と鎮痛薬が処方される一般的でそれで治まるならいいが、同時に井穴刺絡H5F5はその場で効果を実感できる治療法だ。

    予防法は他の病気と同じく睡眠や栄養、休養を十分とり疲れをためないことだろう。最近では50歳以上はワクチン接種という手もある。昨年新しいタイプのワクチンができ今二種類のワクチンがある。水ぼうそうに対しては2014年から定期接種が始まり生後12か月から36か月に二回接種となっている。

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  • Posted by へんせき at 16:05Comments(0)脳・精神・神経

    2021年01月31日

    スマホ首は軽く考えてはいけない

    50歳代の女性会社員、緑内障の進行予防のため月2回ほど定期的に来院している。コロナ対策でリモート勤務が続いている。最近不眠、頭痛、肩から上腕の痛み、胃痛など体調不良を感じるようになった。首凝りは慢性的に感じている。

    パソコン作業やスマホを見るときの姿勢はうつむき加減になり首に大きな負担がかかる。頭の重さは6㎏前後あるが前かがみの姿勢になると3倍ほどの負荷が首にかかる。そうなると最初は首肩の凝りが悪化する。進行するとこの患者さんのような全身的な症状が出てくる。理由は首凝りのため首から出ている自律神経が乱れてくるため。

    この全身症状をよくしようと各診療科をはしごして薬を飲んでも一時的によくなるだけで完治は望めない。大切なのは首のコリを取り自律神経の働きを正常にすることだ。自分でできることはパソコン作業やスマホ操作のうつむいた姿勢を長く続けないこと。(10~15分やったら首を軽く後ろにそらし休める) 首肩を温めて血行をよくすること。首をなでるくらいの刺激はいいが強くもんだりひねったりすることは危険で百害あって一利なし。

    治療は首の動診をして井穴刺絡。前後屈、側屈、左右振り向きに対しF4、H6、H5。背中の凝りや頭痛に対して後頭部の刺絡をする。目の疲れは遠赤美人で温め目の周囲の圧痛点に円皮鍼を貼る。腹診をすると胃部に違和感がありこれは右F1F6井穴刺絡で解消する。

    自宅で通勤時間分は歩くこと。蒸しタオルで首と目を温めること。首、背中、腰のストレッチをすること。長時間のパソコン作業をしないこと。これを一週間続けてもう一度来院していただくことにした。

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  • Posted by へんせき at 16:09Comments(2)脳・精神・神経

    2021年01月25日

    出産後の肩こり、頭痛、不眠症

    一週間前に第一子を出産した30歳代の会社員。出産前も感じていたが出産後から首から肩上部、肩甲骨にかけての凝りがひどくなり母乳の出や睡眠にも支障をきたらすようになって来院された。二日前に退院して今は実家にいる。

    夜中の授乳等、今までとは違った生活リズムになり睡眠が乱れ不眠になっているのではないかと言う。出産後は血圧が上がっていることが多いので計ってみると145/103mmHgと以前より高くなっている。出産に伴う交感神経の興奮が治まってないようだ。

    深呼吸をするとおなかまで息が入らない。H3H2井穴刺絡をすると楽になる。おなかはみぞおちに圧痛があるF1F6井穴刺絡で痛みは取れる。首肩の凝りに対して後頭部と首の付け根の刺絡をする。首の動診をすると左振り向きと左側屈で右の肩上部と右後頚部に痛みとツッパリ感が残っている。

    右H6H5井穴刺絡で半減する。交感神経抑制のためH6F4井穴刺絡をして血圧測定すると10mmHg下がっている。首をぐるっと回して違和感を確かめ百会とその右2センチの部位を刺絡して治療終了。

    自宅で首肩背中のストレッチ、血圧対策として足湯と軽い有酸素運動のやり方を指導する。幸い食欲はあるというので酢の物を勧めた。

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  • Posted by へんせき at 21:50Comments(0)不定愁訴・体調管理