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2015年04月10日

低音障害型感音性難聴による耳鳴りと耳閉感

一週間前に初診の60歳代の会社経営者。二人の医者から治りませんと言われ井穴刺絡でよくならないかとの期待をもって来院された。症状は右低音部の耳鳴り、頭鳴と耳閉感。発症は昨年12月25日中国へ出張3日目、帰国して12月5日に開業耳鼻科を受診。2週間薬を飲んでもよくならず、総合病院を紹介されて受診したが、突発性難聴による耳鳴り耳閉感で治らないと宣言されたそうだ。

それから3ヶ月経つがひどい時は気になって何にも出来ないと言う。普通に会話できるので聴力はどうかとお聞きすると生活に支障はないと言う。また一日の様子を尋ねると起床時は楽でだんだん悪化して夜がひどいが、布団に入ると楽になる。お話をしていて本当に突発性難聴によるものか疑問に思えてきた。

初回はH5F5井穴刺絡。三日後の2回目はあまり変化がないと言うのでF3F4H6の井穴刺絡を試してみた。それと医者を変えてもう一度検査をするように勧めた。二日後3回目の治療、昨日別の耳鼻科に行き突発性難聴ではなく右耳の低音部の聴力が40~50㏈に落ちている低音障害型感音性難聴と診断され丁寧な説明を受けてきたとのこと。特効的な薬はないが念のため虎の門病院で詳しい検査をするよう紹介された。治療はやはり副交感神経抑制が正解だと判断してH5F5井穴刺絡2回。

いろいろお話を聴いていると昨年6月にも程度は少し軽いがやはり中国出張に行って同様の症状が起こり1ヶ月程して自然によくなったことがあったと言う。中国に行くと何か変わるのかお聞きすると日本に居るときの緊張感から解放されほっとするそうだ。それが発症の誘因になっているかもしれない。

本日4回目の治療。昨日虎の門病院で詳しい検査を受け診断は低音障害型感音性難聴。メニエール病や耳管狭窄症などはない。この病気はストレスが原因のことが圧倒的に多いと言われ、特効薬はないが気分を安定させる薬をしばらく飲んでまた来るように言われたそうだ。

この一週間ピソマとお灸のセルフケアをやってもらっているが、少しずつ耳鳴りと耳閉感の程度が軽くなっているようで初診時から10→5くらいに改善していると言う。治療はH5F5井穴刺絡2回と右頚部耳の周囲にハペパッチを貼る。自宅でピソマによるH5F5刺激をもうしばらく続けるよう指示。一週間で4回治療してお話を伺ううちに少しずつ患者さんの背景も分かってきた。ストレスとどう付き合うかや10年間続けている喘息治療のステロイド剤と気管支拡張剤の対処など少しずつ話し合って行きたい。

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  • Posted by へんせき at 20:11Comments(0)感覚器疾患

    2015年04月05日

    小学生仮性近視の鍼灸治療

    昨年12月の視力検査で1.0と0.6だった視力が先月0.8と0.7になっていた。これ以上悪くならないようにと小学4年生の子供を治療に連れて来られた。まだ黒板の字が見えにくいこともなく本人はそれ程の自覚はない。

    今は仮性近視の状態なので治療をして目の養生をすれば元に戻るが、ゲームなどで目を疲れさせる状態が続くと本当の近視になり眼鏡やコンタクトレンズの不便な生活になると話をした。子供は眼鏡の生活がどんなに不便か経験してなく実感がないので親が十分注意してやらないといけない。

    視力検査表で見え方をチェックして右F2F6井穴刺絡。後頭部の刺絡をして目の周囲にパイオネックスを貼ると部屋が明るくなり視力検査表がくっきりなったと言う。目が悪かったから変化したのだと説明したら納得した。

    ゲームの時間を減らす。休み時間に1分間遠くを見る。星を見る。お風呂入ったとき蒸しタオルで目を温める。目の周りのツボを軽く押す等、自分で出来ることを先ず一週間やってみようと約束して治療終了する。

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  • Posted by へんせき at 21:21Comments(0)感覚器疾患

    2015年02月19日

    飛行機に乗っての耳の痛みと耳鳴り

    どなたも飛行機に乗って耳が詰まったり痛くなったりした経験はお持ちだと思う。原因は離着陸時の気圧の変化。鼓膜の内側の鼓室は耳管という細い管で鼻の奥の上咽頭とつながっている。この耳管を空気が通ることにより外との気圧を調節している。離陸時は耳管を通し空気を逃がし着陸時は空気を取り込むが、後者の方が耳管が開きにくく痛みを感じる。

    耳管は普通閉じているので急激な気圧の変化があると外との調節が上手く行かず耳が詰まったり痛くなったりする。唾を飲んだり飴をなめたりして顎を動かすとその瞬間耳管が開くので楽になるが風邪をひいたりアレルギーで粘膜が張れていたりすると耳抜きがうまくできずひどい時は航空性中耳炎になる。

    60歳男性先週九州に出張で飛行機を利用した。復路の着陸時やけに耳がつまり痛みも感じていたが飛行機を降りてしばらくしたら気にならなくなった。ところが翌日からゲップを飲み込もうとしたりあくびをしようとした時に左耳の奥でゴワゴワと音がするようになった。耳閉感も痛みもないがとてもうっとうしい。軽い耳管狭窄症を起こしているのかも知れない。

    耳管がむくんでいるのか炎症があるのか、着陸時の気圧の変化で耳管の働きが悪くなったようだ。症状が出て4日目に来院された。むくみならH5F5、炎症ならH1かF3。耳管は上咽頭に開口しているのでH1とH5F5の井穴刺絡を試してみた。その場で顕著な改善なし。副交感神経抑制の治療は半日から1日経って変化が出ることも多いので1日様子を見てもらうことにした。

    翌日、ゴワゴワと音はするが前日よりも小さくなった。そしてその翌日まったく音がしなくなり今日もその状態が続いていると連絡があった。

    私も年に10回以上飛行機を利用するが体調によって耳の痛みが違うように感じている。毎日何回も離着陸を繰り返すパイロットや客室乗務員は何か特別な対策をしているのか今度飛行機に乗ったとき聞いてみたい。

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  • Posted by へんせき at 20:31Comments(0)感覚器疾患

    2014年12月26日

    低音障害型感音性難聴と不眠症

    61歳女性。11月15日左耳に軽い耳閉感を覚える。20日ブーンという低音の耳鳴りを感じる。21日近所の耳鼻科を受診して低音障害型感音性難聴と診断されプレドニン30mgとイソバイドでの治療が始まった。28日には耳鳴りも治まり低音域の聴力も回復した。

    ところが2日後プレドニン10mgを飲んでいるにもかかわらず耳の閉塞感と耳鳴りが始まった。12月1日総合病院の耳鼻科を受診したところ左低音域の聴力が低下していた。(125Hzー45㏈ 250Hzー55㏈ 500Hzー30㏈) 再度プレドニン30mgとイソバイドの治療が始められた。

    鍼灸治療に来られたのは11日、その時の聴力は125Hz-35㏈ 250Hzー35㏈ 500Hzー20㏈といくらか改善していたが耳鳴りと詰まる感じが続いていた。他にはステロイド剤の副作用か血圧が150/90mmHgくらいに上がっていた。不眠症も気になり11月からマイスリーを12月になりメイラックスを飲んでいた。

    治療は不眠症、血圧上昇などがあったので交感神経抑制のH6F4を中心にH3や百会の刺絡と頸部の凝りを緩める治療を4日続けた。その結果血圧は安定してきた。耳閉感と耳鳴りは10→7となったがまだ気になると言う。18日に聴力検査をすると11日よりいくらかよくなっていた。(125Hz-30Hz 250Hzー30Hz 500Hzー10㏈)

    血圧が安定してきたので19日の治療からH5F5井穴刺絡をメインに治療をする。また前日から紅斑が顔を除くほぼ全身に出てきたと言う。どうも薬疹と思われたの総合病院で診てもらうように指示し、翌日から自宅でH5F5井穴刺絡をやっていただくことにした。22日耳鼻科と皮膚科受診の後来院された。

    低音部125Hz-15㏈ 250Hzー15㏈と改善。皮膚科で薬疹と診断されステロイドの塗り薬と抗ヒスタミン剤を処方された。耳鳴りはほとんどなくなり今日は頭がブーンとする。降圧剤は止めているが、イソバイドも止めてみることにされた。治療はH5F5を2回、照海、手三里に灸。

    26日耳鼻科での聴力検査で125Hz-250Hzともに10㏈。皮膚の紅斑もイソバイドを中止して急激に改善した。耳鳴りが少し残っているが気にならないレベルまでよくなっている。不眠症は当院受診以後ずっと薬を止めているが眠れていると言う。年末年始の休業になるのであと一週間1日おきに自宅で井穴刺絡をするようにした。

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  • Posted by へんせき at 21:07Comments(0)脳・精神・神経感覚器疾患

    2014年10月30日

    10年続く舌痛と口唇痛に井穴刺絡

    80歳女性一人暮らし。10年くらい前に舌の先が痛くなりいくつもの病院に通ったがよくならない。最近は舌痛よりも上唇と下唇の接触部が痛いそうだ。唇を合わせると痛いのでいつも少し口を開いている。痛みはヒリヒリ感で熱をもっているように感じ、冷やすといくらか楽になる。指で触ったり食事では痛くない。

    2年前からは大学病院の歯科にかかり入れ歯を3回作り直したが効果なく、今は歯科心身医療外来で安定剤と抗うつ剤を処方されている。SSRIは副作用で飲めず鍼灸治療で痛みが取れないか姪御さんが大阪のN先生に相談され当院を紹介されて同伴して来院された。

    舌も口唇も発赤や腫れはなく、痛みの原因は精神的なものか自律神経の過剰反応によるものではないかと思われた。唇を合わせると痛いのでこれを指標に先ずH3井穴刺絡で効果なし。次にH5F5井穴刺絡でほとんど痛みがなくなる。5分間をおいてもう一度H5F5。ここで治療終了して1時間後にもう一度確認のため来てもらう。

    治療直後は⑩→①だったのが①→⑤に少しもどっている。水溝とH5にパイオネックスを貼るとまた痛みが引いたのでこれで様子をみていただき3日後にもう一度予約していただいた。


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  • Posted by へんせき at 15:22Comments(0)感覚器疾患

    2014年10月25日

    井穴刺絡・頭部刺絡によるめまい治療

    3週間くらい前からめまいが起こり次第に悪化してきた50歳女性。仕事に支障が出るようになりかかりつけの内科医に相談して紹介された耳鼻科を受診しめまい検査やMRI検査もしたが異常なく様子を見てくださいと言われ途方にくれて来院された。

    歩くのは何かにつかまらないと危なくご主人に支えられて来られた。めまいは小舟に乗って揺れている感じ、横ではなく縦に回っていると表現される。めまい(揺れ)は一日中強弱はあるが止まることなく続いている。他に後頚部が凝って鈍痛がある。

    仕事は保育士で24時間保育の保育所を開設されて休む間もないほど忙しいとのこと。数日前には膀胱炎に罹った。座位で治療することにした。首を左右に振る、上下に動かす動作でめまいがひどくなるが、一番ひどいのは首を下に動かす動作、次が左右、不思議と首を後ろにそらす動作ではひどくならない。

    H5F5井穴刺絡でほとんど変化なし。百会の頭部刺絡で左右に首を振るめまいが軽くなる。次にF4井穴刺絡をすると首の前屈での揺れが楽になる。立って歩いてもらうと少し揺れるが最初よりずいぶん歩きやすいと言う。もう一度百会とF4の刺絡を繰り返す。左右は90%前屈は70%よくなる。目の疲れがひどいと言うので目窓の刺絡、後頚部の6ヶ所と後頭部のめまい点にEAPをすると首を動かしてのめまいはほとんど起こらなくなる。

    室内を歩く、椅子から立ち上がったり座ったりする動作も楽になる。この状態がどれくらい続くのか聞かれるが分からない。しかし治療の結果からみると自律神経特に交感神経の興奮が関係しているようなので神経が戻らないようあまり間隔を空けず数回治療することを勧めたが一週間後にしか来れないそうだ。完全に戻ってしまうと次の治療がうまくいかないこともある。

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  • Posted by へんせき at 22:17Comments(0)感覚器疾患

    2014年10月05日

    突発性難聴後の耳鳴り、ふらつき、頭部圧迫感

    66歳男性会社員。2年半まえに慢性骨髄性白血病を発症して現在スプリセル服用して経過良好。白血病のストレスか分からないが半年後激しいめまいをともない左耳の聞こえが悪くなった。当時かかっていた整体師の助言に従いめまいが治まるまで3週間ほど安静にしてその後耳鼻科を受診して突発性難聴と診断された。

    治療開始が遅くなってしまったせいか聴力は回復せず125Hzから2000Hzは60~70㏈、4000Hzから8000Hzは100㏈。耳鳴りと軽いふらつき感は残った。仕事が出来るくらいになっていたが、今年5月に大腸がんの開腹手術で2週間入院して退院後に耳鳴りが増大してそれによりふらつき感、耳から側頭部の圧迫感が強く外出も制限されるようになってきた。

    一時すこしよくなっていたが3週間前からまたひどくなってきた。耳鳴りの音はキーンという高い音、ブーンというやや低い音が混じっている。治療はF3F5H5井穴刺絡、左側頭部4穴の頭部刺絡の後、左胸鎖乳突筋の硬結部にパイオネックスを2個貼る。治療効果は直後からふらつき感が減り、頭部の圧迫感がかるくなった。2日半ほどその状態が持続しその後少しずつ戻ってきた。

    突発性難聴は治療開始の時期がかなり予後を左右する。なかでも激しいめまいを伴うものは入院治療が望ましい。この方もどうしてはやく来なかったのか医者から言われたとのこと。現段階で聴力の回復は難しいが、3週間前の状態に戻すことは十分可能と思われる。

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  • Posted by へんせき at 16:07Comments(1)感覚器疾患

    2014年08月24日

    低音障害型感音性難聴と不妊治療

    44歳主婦。結婚が遅くなり出産適齢期を過ぎてしまったが子供が欲しくて2年前より不妊治療を始めた。1年前から体外受精を始め5回胚移植をしたが着床しなかった。

    A病院では4回治療して難しいと言われ、今月B病院に転院して1回治療したところ。彼女の母親が「ぎんなん治療院」の勉強会に参加されていて井穴刺絡の治療を受けてみるようにアドバイスを受けたとのこと。この7月には7年ぶりに再発した低音障害型感音性難聴を母親から送ってもらったハイタッチで1週間治療してすっかりよくなったそうだ。

    もう年齢的に無理なのかと思う反面、転院した病院で計ったAMHが2年前の0.3から0.67に上昇していたこともありもう少し不妊治療を続けようと決め来院された。鍼灸治療は今年の5月まで約2年間別のところで定期的に受診していたそうだ。

    不妊治療は足の陰経F1F2F3がメインとなる。お腹を触診するとみぞおち部とお臍の左側に圧痛がある。F1F3井穴刺絡でこの圧痛は消失する。F2井穴刺絡もやってから三陰交、志室、下腹部、仙骨部に8分灸をする。ご主人が付き添われていたのでお灸の据え方と井穴刺絡の充分な出血を指導した。最後に百会の頭部刺絡で治療終了。

    患者さんは20年前に右突発性難聴、7年前と先月左低音障害型感音性難聴を患い幾らか「腎」が弱いのかもしれない。自宅で先ずは一週間井穴刺絡とお灸を続け足湯も毎日やっていただくことにした。

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  • Posted by へんせき at 20:25Comments(1)感覚器疾患

    2013年10月14日

    視力が安定しないぶどう膜炎で通院中の女性

    40歳代の女性。二年前に白いもやがかかったように見えるようになり眼科を受診した。ぶどう膜炎と診断され原因疾患を調べるために大学病院を紹介され色々な検査をしたが、原因は分からなかった。それ以降開業医に戻り定期的に診察を受け点眼剤の治療を続けている。最近軽度の白内障が見つかった。

    眼鏡で視力矯正しようと検眼をするが、何度やっても検査結果が一定せず何か機能的な問題があるのではないかとのことで眼科からの紹介で来院された。

    目の症状の他に肩こり、足裏の痛み、人ごみに入ると気持ちが悪くなる等の自覚症状がある。腹診をすると心窩部に圧痛がある。これは左F1F6井穴刺絡でよくなる。目のくっきり感は目の周囲の円皮鍼やF2の井穴刺絡で変化がなく、前頭部後頭部の刺絡でいくらかよくなりH5F5の井穴刺絡で頭がすっきりしたと言う。

    次回は鍼灸治療のすぐ後に眼科に行って検眼が出来るように眼科の予約も取っていただくことにした。ぶどう膜炎の原因は不明だが母親が膠原病の既往があり何か関連があるのかもしれない。またご本人は酒、たばこを止められないそうだが度を超すと血流や血管に悪いことは自明。すべての病気に生活習慣や神経のバランス、抵抗力など関係している。

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  • Posted by へんせき at 23:04Comments(0)感覚器疾患

    2013年08月16日

    後部硝子体剥離による飛蚊症(ピカピカ光る)

    月に一度健康管理のために来られる60歳代女性。数日前から左目が何となく変な感じがしていたが二日前から黒い糸くずのようなものが飛んでいるのがはっきりしてこれは飛蚊症だと思った。飛蚊症は2年前に眼科で診断を受けていたが、その後特に気になることはなかった。しかし今回は黒い浮遊物の他にピカピカ光るので前とは何か違うようだとのことで来院された。

    丁度かかりつけの眼科がお盆休みなので先に鍼灸をしてみようと思ったそうだ。ピカピカ光るのは網膜が刺激されているときに感じるので、おそらく後部硝子体剥離による飛蚊症ではないかとお話しした。網膜裂孔や網膜剥離を起こしていなければ心配ないので眼科で眼底検査を受けてそこだけチェックするように勧めた。

    今の症状は黒いものが飛ぶ、ピカピカ光る、目の奥が重い感じがする。治療は眼精疲労の治療に準じて行った。井穴刺絡で(F2F6F4H4)頭部刺絡で(前頭部、頭頂部、後頭部)。目の奥の重たさが楽になり、ピカピカが少し減ったような気がすると言う。最後に左目周囲の圧痛点3ヶ所にパイオネックスを貼って治療終了。

    治療後二日目の今日、眼科の帰りに立ち寄られ「眼底検査の結果典型的な後部硝子体剥離と診断された。治るまで約3ヶ月、月に1度の経過観察で特別な治療はなかった」と報告に来られた。初回治療後目のピカピカは減っているとのこと。視力や視野に問題はないが浮遊物やピカピカが鬱陶しく、10月に予定している海外旅行までに治したいので鍼灸を続けるとのこと。 

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  • Posted by へんせき at 22:07Comments(0)感覚器疾患

    2013年06月13日

    耳鳴りが取れない突発性難聴

    70歳女性。自宅で激しいめまいと吐き気を覚え救急車で搬送され、10日間入院した。診断は左耳の突発性難聴でステロイド剤点滴を中心の治療を受けられた。退院後はアデホスコーワとメチコバールの服用を続けているが耳鳴りが変わらないとのことで退院3週間後に来院された。

    オージオグラムの検査表をお持ちでないのでどの音域がどのくらいの難聴なのかはっきり分からないがお話から高音域が障害されているようだ。耳鳴りの音はチィ、チィ、ポーゥという高い音。換気扇の音、甲高い音、救急車のサイレンなどが気になる。テレビや電話の声は何か言ってるのは分かるが、はっきり聞き取れないという。

    平衡感覚は退院時より改善しているがまだ用心しながら歩いているそうだ。急な発症だったがいま思えば発症一週間ほど前にスポーツジムでめまいを起こし休息室でしばらく休んでいたとのこと。患者さんにお話を聞くと発症前に一過性のめまいや耳鳴りを感じていた人は多く、ストレスや仕事、育児、介護など多忙であった人も多い。

    鍼治療で聴力が完全に元に戻り、耳鳴りが全くなくなるとは保障できないが耳鳴りが生活に気にならない程度に改善することを目標に先ず5回、変化があればもう少し継続治療することで治療開始。首肩の凝りをとるために首の動診をして手の井穴刺絡。耳と関係しているF3F5の井穴刺絡。左耳周囲に4ヶ所刺鍼。耳鳴りの音が少し低くなっていると言う。降圧剤を飲んでいるので最後に百会の刺絡で治療終了。

    付き添いの娘さんから病院での治療は薬を飲むだけしかないのかと質問を受けたので、他には①星状神経節ブロック療法②高気圧酸素療法③デフィブラーゼ点滴療法④ステロイド剤中耳腔投与などがあるので担当医に相談してみることをお勧めした。

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  • Posted by へんせき at 23:23Comments(0)感覚器疾患

    2013年01月24日

    十年来の耳鳴治療と生理痛

    高校生の時一日3時間睡眠で1年ほど過ごしていたら、急に大きな耳鳴とめまいに襲われた28歳の女性。睡眠を充分取ったら大きな音の耳鳴は治まったが、それ以来ジィーとかボーという高い音の耳鳴がずっと続くようになった。聴力の低下はない。

    現在耳鳴は続いていてときどきめまいや大きな音の耳鳴が急に来るので心配がたえない。他に2年前から職場の人間関係からパニック障害になり、だいぶ安定してきたが睡眠剤と漢方薬を飲んでいる。耳鼻科は10軒ほどまわり治療を受けたが改善しない。半年前から耳鼻科の専門病院で抗アレルギー剤と漢方薬を処方されている。

    いろいろな治療をして治らず10年も長引いている耳鳴りの治療は難しいが、可能性のある鍼灸治療を一つひとつ試して解決の糸口を見つけるしかない。①交感神経の異常 ②副交感神経の異常 ③首や肩の凝り ④内臓の機能低下 ⑤耳鳴の特効穴が効くか ⑥頭部や手足にある耳の反射部位の反応 ⑦冷え性の体質改善と耳鳴の関連等。

    初回の治療は足湯をしてH5F5の井穴刺絡。直後効果はなかったが、5日間自宅で続けてもらい変化を観察していただくことにした。5日後2回目の治療。手の刺絡は上手く行くが足は充分出血しないとのこと。充分足を暖めて左F1F6左右F4と百会。また5日間続けて頂くことにした。

    ぜんぜん効いていないのかと思っていたがこの半年毎月生理痛で困っていたが、今回は生理痛がないのに今日気付いたとのこと。おそらくH5F5の効果だと思われる。耳鼻科では聴力低下がないと耳鳴に慣れてくださいと言われることも多いが気になると気分まで沈んでQOLが低下する。何とかポイントを探し出したい。

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  • Posted by へんせき at 21:29Comments(0)感覚器疾患

    2012年12月16日

    突発性難聴退院後の鍼灸治療

    38歳主婦、11月22日午前中に急に左耳が聴こえ難くなった。午後耳鼻科を受診中にめまいと吐き気がひどくなり大学病院に運ばれ入院となった。ステロイド剤を中心とした点滴治療を一週間続け退院した。

    退院2日後に来院される。現状は左耳の聴力が戻らず聞き取りずらく、平衡感覚が上手く取れず船酔い状態、頭が重く食欲もなく日常生活に支障があるとのこと。医者は初期治療はやったので後は薬を飲みながら経過をみていくそうだ。

    今はふわふわ感がありゆっくりとしか歩けなく、首を動かし難く左を下にしては横になれない。体がとても冷たいので15分足湯をしてから治療を始める。H5とH6で首の動きが少しよくなるが聴力は変化なし。耳の周囲と頭部に鍼をして同時に左胸鎖乳突筋の緊張を緩める。自宅でF3H5F5の井穴刺絡を指示。

    三日後2回目の治療。首が楽になり左を下にしても寝られるようになった。治療はH5F5F3の井穴刺絡。首の後屈で突っ張りがあるのでF6F4。左側頭部3ヶ所から刺絡をする。足湯と自宅治療は続けて頂くことにして治療終了。

    三日後3回目の治療。寝返りが出来るようになり首も回せるようになる。平衡感覚は少しずつよくなっているが、まだふわふわ感がありゆっくり歩いている。耳鳴は続いているが高い音が幾分抑えられた。乗り物に乗るのは嫌だったがバスに乗り始めた。周りに騒音があると気分が悪い。治療はF34H46と百会の刺絡。耳介の交感神経点にパイオを貼る。

    四日後4回目の治療。首の動きは全てOK、家事も出来るようになった。耳鳴はキーンピーンとした高音で聴こえ具合は左耳は水中で聞いているような感じ。平衡感覚はだいぶよくなり片足立ちで靴下を履けるようになり歩きも早くなった。日常生活も退院直後に比べるとよくなっているので聴力がもう少し上がって欲しいとのこと。

    突発性難聴はあるとき突然片耳が聞こえなくなる病気と言われるが、後で思い返すとしばらく前から軽い耳鳴りや詰まり感があったりするようだ。発症の程度も聞こえが少し悪いくらいからまったく聴こえないまでいろいろある。この方のように激しいめまいを伴ったものは聴力の回復が難しいと言われているが鍼治療が奏効する例もあるのでもうしばらく継続予定。

    病院での治療としては他に高気圧酸素療法やデフィブラーゼ点滴療法などがあるので担当医に相談してみるようにお話している。突発性難聴は時間との勝負という一面もあるので無駄に時を過ごしてはいけない。

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  • Posted by へんせき at 21:46Comments(0)感覚器疾患

    2012年08月05日

    井穴刺絡によるメニエール病(難聴・耳閉塞感)治療

    今年2月にメニエール病を発症した50歳代女性。5月中旬以後強いめまいは治まっているが、耳のつまり感がだんだんひどくなりこの二週間くらい聴力も落ちてきているようだとのことで来院された。

    これまで強い回転性めまい、嘔吐、強い耳閉塞感で3回入院している。薬も抗めまい薬、浸透圧利尿薬、ビタミン剤、ステロイド剤など処方されていたが、現在は薬を飲まずに有酸素運動でめまいやメニエール病を治療する「めまいメニエール病センター」の高橋先生の治療を受けている。高橋先生は角川SSC新書から「薬も手術もいらないめまい・メニエール病治療」を出版されているので、耳鳴り難聴めまい等でお困りの方は参考になさるといい。

    今の症状はキーンという耳鳴り、耳のつまり感、右耳の難聴。鍼灸治療は4月18日、20日に受けたが21日に酷いめまいが再発して3日入院している。(めまいの再発と鍼灸治療の関係は不明という。)有酸素運動としてスポーツセンターでダンスを週に2~3回やり始めたが最近右膝が少し痛くなったとのこと。

    井穴刺絡治療を希望されるので耳のつまり感と左耳を塞いでの聞こえ具合を目安に治療をする。先ず首を前後左右動かしてみても耳鳴り、耳閉塞感に変化はない。メニエール病は内リンパ浮腫が原因といわれているので内耳のむくみを取るH5F5から刺絡。直後鈴の音を聞かせると最初より聞こえがいいという。次に左F3変化なし。右F5の途中つまり感が軽くなると言う。もう一度H5F5を井穴刺絡するとまた少し聞こえがよくなった。

    膝の治療は足の親指の股付近に2ヶ所、右内踝の前1ヶ所いずれも肝経にパイオを貼ったら屈みこんでの痛みが半分以下になった。自宅で井穴刺絡をやりたいとのことなので消毒や出血量などを詳しく説明して先ずは1週間続けていただくことにした。

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  • Posted by へんせき at 00:35Comments(0)感覚器疾患

    2012年07月12日

    あきらめないで耳鳴りの鍼灸治療

    耳鳴で困っている人は多い。相当ひどい耳鳴でも耳や脳に検査で異常がなければ精神的なものとして精神科や心療内科に回されることもあるようだ。

    2月上旬に左にキーンという高音の耳鳴が始まり、その1ヵ月後に反対側にボォーンと鐘が響くような耳鳴りも併発した58歳の男性が5月下旬に来院された。耳鼻科を3件受診したがMRI検査や聴力検査では異常なく、安定剤と漢方薬を処方されたが、耳鳴が治まらずこのままでは精神的に参ってしまいそうだと訴えられた。鍼灸の経験はない。

    5月19日から7月10日まで12回治療したが、10回治療したころから明らかに耳鳴の程度が軽くなり週のうち4~5日はあまり気にならなくなってきたそうだ。7月10日の診療ではやっと治るような気分になってきたと笑顔でお話になった。

    治療点はF3F4H6H5F5と百会の刺絡と乳様突起周囲の鍼を適宜行なったが、6月下旬からH3の井穴刺絡を追加して効果があるような印象をもった。ある先生にそれは深谷灸法で耳鳴に少海(心経)を使うことと関係があるのではないかと指摘された。

    耳鳴の原因は様々で難聴を伴うもの、器質的な障害があるもの、薬や加齢によるものその人ごとに皆ちがう。目の治療をしたら耳鳴がよくなった症例もある。検査で異常がなく原因がはっきりしないような耳鳴はしかたないと諦めずにこの患者さんのようにしばらく治療を続けてみると改善することも期待できる。

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  • Posted by へんせき at 21:55Comments(0)感覚器疾患

    2011年04月25日

    メニエール病(めまい、難聴、耳鳴、耳閉感)

    メニエール病の主症状は ①めまい(突発的に起こる回転性のめまいで立っていられないほど激しい)②難聴(主に中低温域の障害)③耳鳴 ④耳閉感で随伴症状として吐き気や嘔吐を伴う。メニエール病には幾らかのタイプがあるが、典型的な発作では「回転性のめまい」と「聞こえ難さ」に加え吐き気、嘔吐を伴い体を動かすことが困難になる。

    メニエール病の本態は内耳の内リンパ液が過剰になった内リンパ水腫といわれている。内リンパ液が過剰になる原因は不明で一般的な治療は利尿剤(イソバイド)を使うことになる。その他病状により血液循環改善剤、ステロイド剤、ビタミンB剤、精神安定剤などの薬物治療が行なわれる。

    メニエール病を発症して1年6ヶ月になる30歳代女性。この方は典型的な発病ではなく最初は吐き気と嘔吐から始まり、消化器の治療をしていたがやがて耳の症状が出て耳鼻科で診察をうけてメニエール病と診断された。耳鼻科の治療を受けて1年経つが、ひどい症状は治まっているが吐き気と体がふわふわする浮動性のめまいが残っているとのこと。

    どうして内リンパ水腫が発生するかは不明だが発症にはストレスが関係していることははっきりしている。メニエール病と鑑別しなければいけない病気として外リンパ瘻、良性発作性頭位めまい症、前庭神経炎、突発性難聴、脳腫瘍などあるので最初に的確な診断を受けなければならない。症状がある程度落ち着いてきたら鍼灸治療も併用して体調のバランスをとることは有効と思う。

    この女性の治療は自律神経の調整を頭部と手足の井穴で行い、内臓の働きをよくする為に背中の兪穴にお灸をした。治療前後の腹診ではみぞおちの圧迫感が軽減していた。手足のツボ4ヶ所に自宅で施灸して1週間後に経過を知らせてもらうことにした。



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  • Posted by へんせき at 20:29Comments(0)感覚器疾患

    2011年04月11日

    パソコンと眼精疲労

    一般的にいい目とは遠くのものがよく見えることと理解されている。しかし、本当にいい目とは見たいところにすばやく焦点が合い遠いところも近いところもよく見える目である。

    近年、会社はもとより家庭でもパソコンが普及して一日のうちかなりの時間パソコンと向き合うことになっている。人の目は各自、自然にピントが合いやすい距離があり、その距離に近い範囲は目に負担が少ない。およそパソコンは50cmと近距離で見ているので遠くにピントが合いやすい人はより目に負担がかかることになる。最近流行のレーシック手術は遠くが見えるようにする手術でその反作用で近くを見るには目の疲れがひどい。

    目の疲れは「目の症状だけでなく、頭痛や肩こり、吐き気やめまい、首や背中の痛みなどの原因」になる。ピントの調節は毛様体筋の働きだが、この筋肉をリラックスさせることが大切でパソコン操作中は10分に1回程度、画面より遠くに焦点を移すことを心がけたい。近視の人は眼鏡の度数を落としたり、パソコン専用の眼鏡を作ることも対策になる。

    若い人はコンタクトレンズを使っている人が多いが、コンタクトレンズは目が乾く「ドライアイ」になりやすい。パソコン操作中は意識が集中して交感神経が高まり涙や唾液の分泌も少なくなるのでまばたきの回数が減らないように気をつけたい。余裕があれば1時間に1回蒸しタオルで目を温めると血流がよくなり涙の分泌が増える。

    鍼灸で目の疲れをとる方法は幾つかあるが治療前後で明らかな変化を実感できる。患者さんの言によれば「眼鏡のレンズをクリーニングした後」のようと表現される。直接的には頭のツボや顔面部のツボを使うが交感神経緊張症であれば自律神経の調節が効果的である。自分で簡単にできる自己治療として目の周りの円皮針を貼ることもいい。

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  • Posted by へんせき at 23:11Comments(0)感覚器疾患

    2011年03月23日

    めまい(地震酔い)の治療

    原発事故が一向に収束しない。この2~3日前からは大気中だけでなく野菜、牛乳、水道水から放射性物質が検出されたとの報道である。政府や専門家は「ただちに健康に影響を与える数値ではない」とのコメントを出しているが庶民の不安は解消されない。それにも増して地震、津波被害の上に放射能による健康被害や生活の糧を奪われる方々の心情は察するに余りある。

    来院される患者さんも異口同音に放射能汚染を心配されている。タバコに置き換えて考えてみよう。1本吸っても健康被害はない。毎日1本1年間吸い続けても健康を害することはほぼないだろう。では10年後はどうだろう。もし毎日20本30年吸い続けたら有意に健康被害はおこるだろう。いずれにしても放射能の発生源を止めることが先決で、現場での決死の復旧作業が成功するよう祈るばかりだ。

    ときどき来院されている76歳の女性から急に往診を依頼された。この方は慢性的な耳鳴が左にあり体調が悪いと音が大きくなったり、ふらついたりする。11日の地震のあとから体が揺れる感じがひどくなり耳鼻科を受診して脳のMRI検査をしたが異常なくビタミン剤と酔い止めの薬を処方されたそうだ。

    今回の地震とそれに続く余震は主に横揺れで、私も揺れが収まった後しばらく体が揺れているような感じがしていた。この女性のようにもともと三半規管の機能が悪い方は地震の揺れをきっかけにして平衡感覚に異常が出やすいのだろう。またストレスも関係していると思う。先日テレビでも地震酔いを報道していた。

    この方は今日外出の用意をしていてふらつき中止された。治療は手、足に円皮針を貼り30回圧迫刺激をした後、頭部の刺絡と頚部の浅い鍼を二ヶ所した。耳鼻科で首を回すリハビリのパンフレットをもらってきたが、それをやるとふらつきがひどくなるとのことなので、首を動かさず眼球を動かすリハビリのテキストをお渡ししてお灸と一緒にしばらく続けてもらうことにした。

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  • Posted by へんせき at 00:04Comments(0)感覚器疾患

    2011年03月08日

    眼の充血と強膜炎

    眼に充血を起す病気はたくさんあるが、2月上旬に右目が充血し眼科を受診して強膜炎と診断された69歳女性。ステロイドと抗生剤の点眼を3週間以上続けているが充血が引かないとのことで来院された。

    眼が充血する約一週間前に風邪気味になり鼻出血を起した。そして体調不良のままハワイで親戚の結婚式に出席され帰国の翌日眼が赤くなった。頭痛、食欲不振、微熱感などの体調不良は帰国後も続き近医で抗生物質と解熱剤を1週間処方されたが症状がとれないとのことである。

    強膜炎は上強膜炎より病変が深く炎症もひどいが、普通ステロイドと抗生剤の点眼で2~3週間で消失していく。しかし自己組織を攻撃する自己免疫疾患や血管に炎症を起すような炎症性疾患が原因のこともある。強膜炎は重症の場合は視神経に影響を及ぼしたり、強膜が壊死したりすることもある。軽く見てはいけない。

    経過が長いのことと、体調不良が気になるので内科的な検査も必要だと感じたので内科医を紹介した。針灸の治療は炎症処置を刺絡で胃腸の調整のためお灸を足と背中のツボに行なった。強膜炎の原因は確定されていないが、風邪を引いたこと、旅行で無理をしたことが遠因になっていると思われる。内科での検査結果を待ち治療を組み立てていきたい。

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  • Posted by へんせき at 00:11Comments(0)感覚器疾患

    2011年02月02日

    良性発作性頭位めまい症と鍼灸

    昨日の早朝趣味の仲間から、めまいがして気持ちが悪いと電話があった。私も十数年前一度だけめまいの経験があるが、症状よりも突然天井が回り動けなくなり5分ぐらいで治まったがその間これが続いたらどうなるのだろうという不安感が大きかった。

    めまい発作で一番多い病気が生死に全くかかわらない「良性発作性頭位めまい症」だ。メニエール病と違い難聴や耳鳴りはなく、脳の異常からくるめまいと違い次第に治まってくる。原因は耳の奥の内耳にある耳石器の耳石という炭酸カルシウムの石がはがれて三半規管に入り込み、リンパの流れを乱し平衡感覚が不調を起すことによる。

    良性発作性頭位めまい症の多くは後半規管型であるので、通常数日から数週で消失する。診断の為には頭位変換眼振検査が必須で、脳疾患との鑑別にMRI検査をすることもある。お話を聞いていて心配ないめまいと思ったがご本人は脳の異常を心配されるので神経内科か耳鼻科を受診するようお話した。

    良性発作性頭位めまい症のとき気をつけなければならないのは、めまい発作の再発を恐れ安静第一の生活を続けることだ。めまいや吐気が止まったら散歩をしたり、めまいを起した動作を繰り返すなどするとはがれた耳石が溶けたり、元の耳石器に戻ったりしてリンパの流れが正常になる。医療機関では理学療法を行なうところも多い。

    鍼灸治療では肝経、胆経、腎経を主に使い頭部の風池や完骨のお灸、足部の照海、太敦のお灸は自宅でも出来る。治療院では手足の要穴をつなぐ奇経治療や刺絡治療を組み合わせる。まためまいには心因性のめまいもありその鑑別診断も重要だ。

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  • Posted by へんせき at 10:09Comments(3)感覚器疾患