たまりば

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2011年08月18日

帝王切開手術後に発症した慢性硬膜下血腫

2ヶ月前帝王切開で女児を出産した30歳代女性から前日から右腕がいつもと違うのでどうしたらいいかと相談の電話があった。痺れるような痛いような感じで字を書こうとして思うように書けないとのこと。子供が5㎏になりその世話で腕が疲れているのではないかと思うとのこと。

話を聞いていて何となく脳の障害も気になるのでそれを指摘すると、本人もそれを心配して私に電話する前に脳外科に尋ねてみたら足や言葉に問題ないので様子を見なさいとの指示だったそうだ。それなら1回鍼治療して様子を見てもいいと思い夕方来院してもらうことにした。

最初の電話から3時間くらいしてまた彼女から連絡があり、急に痙攣が起きたので病院に行きCTを撮ったところ慢性硬膜下血腫と言われこれから治療の説明があるとのことであった。夜、ご主人から無事手術が終わったと連絡をいただいた。原因は帝王切開時の麻酔注射とのこと。

普通慢性硬膜下血腫の原因は軽い頭部打撲でその時は異常がなくても少しずつ出血が続き1~2ヵ月後に頭痛、ふらつき、痺れ、物忘れなどの脳症状を現すといわれている。だが稀ではあるが帝王切開時の脊髄麻酔が原因となることもある。

帝王切開のとき使う麻酔は脊髄麻酔か硬膜外麻酔かになる。この麻酔はどちらも腰椎の間から針を指すが硬膜を貫くか否かの大きな違いがある。後で確認したところ彼女は最初硬膜外麻酔をしたが効きが悪く、脊髄麻酔に切り替えてそうだ。脊髄麻酔は効きがいいが髄液まで針を指すのでいくらか髄液が漏れ、髄液が減り脳が引っ張られるので術後しばらく頭痛に悩まされることがある。彼女は5日間頭痛が続いた。

慢性硬膜下血腫は原因を忘れた頃急に症状が現れるので、頭部打撲同様脊髄麻酔が原因となることも覚えておかなければならない。術後1週間経つが順調に回復されているので一安心である。

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