2011年07月03日

小児起立性調節障害の鍼灸治療

起立性調節障害(OD)は思春期に起こりやすい自律神経の機能失調と考えられているがはっきりした原因は不明である。一番多いタイプは起立直後の血圧低下で脳貧血により立ちくらみやめまいを起すものである。しかし血圧の異常を認めない症例もあり病気の本態は同じでなく、こども一人ひとりについて心と身体両面からの心身医学的アプローチが求められる。

中学1年生、女子、身長162cm、体重45㎏。6月中旬から起立性調節障害のため午前中は登校できず、疲労感、朝起き不良、頭痛、腹痛などの症状で母親と一緒に来院。この症状は小学3年生の春に始めて発症し、4年生、5年生といずれも春から初夏に1週間から1ヶ月続いた。5年生の時は秋にも1ヶ月続いたが6年生の時は起きなかった。今回は1年半ぶりの発症とのことである。

病院の検査では起立直後に血圧が低下するタイプで交感神経を刺激して血圧を上げるミドドリンと鎮痛剤のアセトアミノフェンが処方されている。早く学校に行きたいので自律神経の調整には鍼灸治療が効果があるとの記事を見てお出でになった。起立性調節障害は体のどこかに器質的障害が起きているのではなく、自律神経のうち交換神経の働きが少し悪くなっているだけなので治る病気だ。

治療は交感神経の働きをよくするために亢進しすぎている副交感神経の働きを抑える刺絡とお灸が第一で、先ず母親の肩こりの治療を本人に見せ安心させてから、自宅で治療が出来るように母親に指導しながら行なった。血圧は治療前90/55が120/60に上昇した。平熱が低く足が冷えているので督脈のお灸と足湯も続け、毎日の血圧と体温を記録することにした。

ODのこどもは心理的側面から見ると過剰適応な性格で他人に気遣いしてストレスをためやすいと言われている。この子も初めての鍼治療のせいでもあろうか、自分の気持ちをはっきり出せないように感じた。治療の原点に信頼関係がある。子供との信頼関係は大人以上に大切でこれを築けない限りいい治療はできない。

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