たまりば

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2010年11月23日

未破裂脳動脈瘤の経過観察

3年前から未破裂脳動脈瘤の経過観察をしている患者さんがいる。当時70歳であったこの女性は時々右の側頭部に軽い痛みを訴えられていた。鍼灸治療で痛みはすぐよくなったが何回か繰り返したので知り合いの医師に脳の検査をお願いした。

MRI検査の結果右内頚動脈サイフォン部に9mmの未破裂脳動脈瘤が見つかった。そこで聖路加国際病院の脳神経外科を紹介され、以後半年から1年間隔で造影CTによる経過観察をしてきた。昨年の検査まで大きさに変化はなかったが、今回は3.0テスラのMRIが導入されたので動脈瘤の位置と大きさを再確認し「くも膜下出血」の危険性を判断することになった。患者さんから一人で説明を聞いても理解出来ないので付き添いを依頼され同行した。

内頚動脈のサイフォンは海綿静脈洞部と脳部に区別されるが、今回の検査で部位は海綿静脈洞部で仮に破裂しても「くも膜下出血」の危険がない所と説明された。もちろん他の症状はでる。結果としてまた1年様子を見ることになった。脳外科医と話をするので久しぶりに解剖の本で脳の血管と神経を勉強した。人体の仕組みはどこも不思議で人智を超えた驚異であるが、その中でも脳の神秘はまた別格の感を持つ。私が教えを受けた先生(医師)は既に故人となられたが、脳・神経の勉強を強調され再現性のある治療を常に提唱されていた。

未破裂脳動脈瘤は一般的に破裂するまで無症状で、脳ドックなどで偶然発見されることが多い。発見されても今のところ破裂するかどうかは形や大きさでしかリスク予測できないが将来的にはコンピューターシュミレーションにより精度が上がると思われる。血管内治療は現在技術革新の最中である。未破裂脳動脈瘤をもつ成人は50人に1人、くも膜下出血は人口10万人あたり10~20人発症といわれている。

過剰な検査は必要ない不安を与えお勧めできないが、高血圧や糖尿病、家族にくも膜下出血を起した人がいるような方は一度脳ドックを受けてもいいだろう。しかし禁煙、節酒、運動、血圧管理などの生活習慣の見直しは検査以上に大切だと思う。

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