2010年11月03日
急性膀胱炎と間質性膀胱炎の鍼灸治療
男性の膀胱炎はめったにいないが、女性にとっては身近な疾病だ。ふつう膀胱炎といえば急性単純性膀胱炎をいい、これは腎臓や膀胱になにも疾患がなく、主に大腸菌を原因とする細菌性の膀胱炎で抗生物質がよく効く。
症状は頻尿、排尿痛、尿の濁り、残尿感、下腹部の不快感などで、尿検査で白血球や細菌が検出されれば急性膀胱炎と診断される。発熱や全身のだるさがなく、血沈亢進や血液中の白血球増加、CRPの上昇などの炎症反応がないことで腎盂腎炎と区別できる。
それに比べ、間質性膀胱炎は原因が未だはっきりせず診断も簡単ではない。症状は患者さんにより様々だが、多いのは頻尿、尿意切迫、痛み(部位は膀胱、骨盤周囲、下腹部、会陰部の奥など)等で急性膀胱炎と似ているところもあるが、尿中に白血球や細菌は検出されない。過活動膀胱など泌尿器系の疾患との鑑別も必要だ。
30歳代主婦が下腹部(膀胱付近)の痛みが終日続き、鎮痛剤が効かず、トイレは10分から30分、長くて1時間しかもたずとても困っているとのことで来院された。初めて症状が出たのは7月初旬、内科、泌尿器科を受診の後、婦人科を受診したが血液、尿、超音波検査等で異常なく鎮痛剤と抗コリン薬を飲んでいた。
10月下旬症状がひどくなり大学病院泌尿器科を受診し、MRIと膀胱鏡検査を受けたが異常が認められず漢方薬を処方された。異常がないと言われても症状が取れないので藁をもすがる思いで鍼灸を試してみようと思われたそうだ。
詳しくお話をうかがうと少し心因的なものもありそうだが、間質性膀胱炎のように思われる。(専門医は否定されているが)ただ様々な検査で悪性の疾患は除外されているので、私は痛みと頻尿をどう軽減するかを体全体のバランスのうえで鍼灸をすればいい。
痛みがひどい時の方がポイントを見つけやすいが今日は軽いそうだ。今日は腎経、膀胱経、肝経、督脈のツボを使った。治療直後は痛みは意識しなければ感じないほどになり、治療中1時間30分はトイレに行かれなかった。数回治療を続け痛みと頻尿がどう変わるかもう少し経過を観察したい。
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症状は頻尿、排尿痛、尿の濁り、残尿感、下腹部の不快感などで、尿検査で白血球や細菌が検出されれば急性膀胱炎と診断される。発熱や全身のだるさがなく、血沈亢進や血液中の白血球増加、CRPの上昇などの炎症反応がないことで腎盂腎炎と区別できる。
それに比べ、間質性膀胱炎は原因が未だはっきりせず診断も簡単ではない。症状は患者さんにより様々だが、多いのは頻尿、尿意切迫、痛み(部位は膀胱、骨盤周囲、下腹部、会陰部の奥など)等で急性膀胱炎と似ているところもあるが、尿中に白血球や細菌は検出されない。過活動膀胱など泌尿器系の疾患との鑑別も必要だ。
30歳代主婦が下腹部(膀胱付近)の痛みが終日続き、鎮痛剤が効かず、トイレは10分から30分、長くて1時間しかもたずとても困っているとのことで来院された。初めて症状が出たのは7月初旬、内科、泌尿器科を受診の後、婦人科を受診したが血液、尿、超音波検査等で異常なく鎮痛剤と抗コリン薬を飲んでいた。
10月下旬症状がひどくなり大学病院泌尿器科を受診し、MRIと膀胱鏡検査を受けたが異常が認められず漢方薬を処方された。異常がないと言われても症状が取れないので藁をもすがる思いで鍼灸を試してみようと思われたそうだ。
詳しくお話をうかがうと少し心因的なものもありそうだが、間質性膀胱炎のように思われる。(専門医は否定されているが)ただ様々な検査で悪性の疾患は除外されているので、私は痛みと頻尿をどう軽減するかを体全体のバランスのうえで鍼灸をすればいい。
痛みがひどい時の方がポイントを見つけやすいが今日は軽いそうだ。今日は腎経、膀胱経、肝経、督脈のツボを使った。治療直後は痛みは意識しなければ感じないほどになり、治療中1時間30分はトイレに行かれなかった。数回治療を続け痛みと頻尿がどう変わるかもう少し経過を観察したい。
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Posted by へんせき at 23:31│Comments(0)
│泌尿・生殖器