たまりば

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2010年11月14日

胃痛と背中の痛みの鍼灸治療

40歳代女性。2週間くらい前から背中の中央(Th8)付近に鈍痛があり同時に胃の痛みが気になっていたそうだ。夕食が不規則だったり刺激物を少し食べ過ぎたりしたことが原因かと思いしばらく軽い食事にして様子を見ていたがよくならないので5日前に掛かりつけ医に行った。

この方の父親が数ヶ月前膵臓癌でお亡くなりになっているので、背中の痛みは気になり受診された。医者はCEAやCA19-9など消化器系の腫瘍マーカーも含めた血液検査をして特に異常はないのでタケプロンとセルベックスを処方ししばらく飲んでよくならないようなら胃内視鏡と腹部エコーの検査をしようとのことだった。

腹診をしてみると心窩部に圧痛がある。背部を触診するとTh8・9とその3cm外側に圧痛がある。その他自覚症状を聞くと胃が重く少し痛いそうだ。この圧痛と胃の不快感が鍼治療でどう変わるかを目安にした。胃の治療は胃の動きが悪くなっている場合と胃酸が出過ぎる様な場合とでは使用するツボが違う。

自律神経的には交感神経亢進、副交感神経亢進どちらでも胃の症状は起こる。この方は左胃経と左脾経の治療で胃の痛みが変わってきた。百会の刺絡をすると背中の痛みはほとんど取れた。治療終了の時点で胃の痛みは8割背中の痛みは9割改善した。この状態がどれくらい続くか、すぐに元に戻るのか様子をみていただくことにした。                                        
                                                
内視鏡検査をしても胃粘膜に何の異常もないが胃痛、膨満感、胃もたれ、などの自覚症状を感じる機能性ディスペプシアも増えている。これは鍼灸治療の対象と考える。

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  • Posted by へんせき at 14:08Comments(0)胃腸・消化器

    2010年09月15日

    急性胃腸炎の鍼灸治療

    腹痛と下痢で3日会社を休み昨日出勤し、医者に診てもらいその後来院された30歳代の女性。最初は食あたりと思ったが、同じものを食べた子供に何の症状もないので抵抗力が落ちたための胃腸症状と思ったそうだ。

    医者の見立ても同じようで薬は整腸剤と胃粘膜保護剤が処方された。今日は痛みと下痢はだいぶ落ち着いているが背中と肩の凝り感があり、抵抗力をつけるのに鍼灸を試してみようと思ったそうだ。

    ベットに寝ていただき腹診をすると鳩尾(みぞおち)付近に圧痛がある。まだ胃痛の影響が残っているようだ。左の胃経と脾経に鍼をしてもう一度みぞおちを押してみると8割くらい痛みが減っている。もし下痢が続いているようなら下腹部と陽明経に多壮灸が効く。その後背中に細い鍼で浅く数穴刺鍼し4ヶ所知熱灸をした。

    背中の凝りはよくなったがまだ肩こりを感じるそうだ。目の疲れからきているようなので眼精疲労のはりをして治療を終えた。

    発熱や腹痛で食べられない時、玄米の重湯を水分補給に少しずつ飲むと体力維持に役立つ。作り方は玄米30グラムを水800ccで約20~30分煎じてその上澄み液を飲む。さらっとした重湯を作るのがコツで、玄米は古い米ほど効果がある。また下痢が止まらないときは冷やした冷たいおかゆを食べると一時的に下痢は止まる。そのとき梅肉エキスを少し食べると効果的だ。  

  • Posted by へんせき at 09:20Comments(0)胃腸・消化器

    2010年07月16日

    潰瘍性大腸炎の相談

    調布市内でリラクゼーションルームを経営されている女性から潰瘍性大腸炎の治療について相談を受けた。身内の方が潰瘍性大腸炎で内科的治療を受けているが、なかなかよくならず薬を中断したら悪化してまた薬を飲みだしたが、他に治療法がないかとの相談だった。

    私はこの病気の治療経験はないが、所属する研究会で興味深い症例報告があったのでそれを基にアドバイスした。

    発表者は福岡で整形外科・内科医院を開業している30歳代のM医師で、ご自身の潰瘍性大腸炎の治験報告であった。専門医のもとでペンタサ・内服ステロイド・ステロネマ・漢方薬・ATM療法(抗生剤多剤併用療法)などで治療を続けたが、寛解増悪を繰り返し徐々に悪化する。一時手術も考えた。

    M医師は手術をすれば後遺症も残りQOLの低下が避けられないので、現代医学以外に何か治療法がないか調べているうちに私たちの研究会の治療法を知り、ご自身で治療を始められた。

    治療のツボと治療手順を幾つか試行錯誤して、効果が感じられるやり方を見つけ、2ヶ月間続けられた。その結果腹痛、水溶性血便も治まり症状が安定し薬も減薬できた。その結果食べられるようになり体力が回復したそうだ。

    治療が上手くいった要因はご自身が医学知識をお持ちで集中して治療されたことにあると思う。病気の原因は特定されていない難病だが、腸内細菌の関与や自己免疫反応の異常ではないかと言われている。自律神経的には副交感神経の異常だが、ステロイド剤の大量使用により腸内は交感神経興奮状態だと推測される。その両方をどのようなバランスで調整するかがポイントになろう。

      

  • Posted by へんせき at 23:49Comments(0)胃腸・消化器

    2010年06月19日

    便秘のはり治療

    便秘を主訴として来院される患者さんは少ない。ほとんど他の病気の治療中に便秘がちなので鍼で治す手はないかと相談される。そして上手くいくと今回もまたお願いしますということになる。きょうお見えになった40歳代女性もそのような患者さんだが昨日からお腹が張って苦しいそうだ。

    便秘の原因を大きく分けるとポリープ癌、炎症、癒着などで腸管自体が狭窄を起こしている器質性便秘とこうした病変はなく腸管の機能が亢進したり低下した機能性便秘がある。鍼灸治療が適するのは後者の機能性便秘で治療の効果も当日か翌日には結果がでる。

    器質性の便秘の裏には悪性の疾患が隠れていることがあるので消化器科の大腸専門医に相談されたい。港区赤坂でマリーゴールドクリニックを開業されている山口トキコ先生は日本最初の女性「痔医」であるが大腸の専門医でもあり便秘の治療にも詳しい。

    さて、今日の患者さんの腹診をすると左の下腹部にゴロリとした索状の塊りを触れる。はり治療が上手く行くと大腸が刺激されてこの塊りが少し動く。実際の治療は左足の胃経脾経のツボ各1ヶ所と腹部の脾経のツボ1ヶ所にはりをした。便通があったら連絡してもらうことにした。

    慢性便秘の方は市販の便秘薬で対応されている場合も多いと思われるが漢方薬も効果がある。便秘の種類や体質により何がいいか違ってくるが、江戸時代の名医吉益東洞が多用した応鐘散(芎黄散)は作用が穏やかで評判がいい。  

  • Posted by へんせき at 21:25Comments(0)胃腸・消化器

    2010年06月03日

    ピロリ菌除菌

    膝関節症で治療中の60歳代女性からこの1週間くらいほぼ毎日朝食の後と夕食前に胃に痛みを感じるが何が原因か尋ねられた。薬の副作用、胃炎、潰瘍など考えられるが確定できない。しかし自律神経が関与しているのは間違いない。

    この女性は元来胃腸は丈夫で食欲旺盛でお酒もいける口である。しかし2ヶ月前の胃内視鏡検査で表在性胃炎と診断されピロリ菌陽性であった。そこで除菌治療を受け1ヶ月後の検査では除菌失敗で、さらに二次除菌を終え一ヶ月後の検査待ちである。

    胃酸が関係しているようだが検査待ちの状態であるので勝手に薬を飲まず担当の医者を受診するようにお話した。ピロリ菌は胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃がんの原因と言われているが、検査した人の話を聞くと一概に胃の自覚症状と一致していないようだ。

    胃の症状がない人にも陽性があり、いつも胃の不調を訴えていても陰性の人もいる。除菌治療をしてすっかり症状が無くなる人もいればそうでない人もいる。陽性なら除菌が標準治療だが保険治療には制限がある。

    鍼灸治療では胃の動きが悪くて症状が出ているのか、胃が動きすぎての症状かにより治療方法を変える。この患者さんは胃酸が出過ぎていると想定して治療した。悪性のものを除外した上であるが足の三里の灸や背中のツボ6ヶ所にお灸をすえる胃の六つ灸は家庭でも出来る胃の健康法だ。  

  • Posted by へんせき at 01:17Comments(0)胃腸・消化器

    2010年03月08日

    お腹にくる風邪

    先週、下痢 腹痛 嘔吐 発熱を伴った患者さんを3名診た。3名とも呼吸器の症状はないので急性の胃腸炎と思われる。お二人は医師の診療を受けていた。お一人は今朝から症状が出て往診の依頼があった。

    行ってみると熱が38度5分と高く上記の症状を訴えられた。消化器の交感神経を抑制する治療と熱めのお灸を3ヶ所行い治療を終了した。脱水に気をつけ暖かくして1日様子を見て症状が治まらなければ医師の診療を受けるよう指示して帰る。

    翌朝連絡があり、熱は37度2分に下がり気分もいいのでそのまま様子をみるとのこと。その後2日してすっかり良くなったとの連絡をもらう。今回私がした治療は家族でも覚えればできるので是非マスターしていただきたい。  

  • Posted by へんせき at 13:03Comments(0)胃腸・消化器

    2010年03月04日

    お酒と肝機能障害

    昨年の12月中旬50歳代の男性が血液検査の結果を持参された。
    5年ぶりに健康診断を受けたら肝機能異常を指摘されたそうだ。

    結果を見るとAST300 ALT400 γーGT100である。
    20数年ほとんど毎日3合程度の飲酒を続けているので、おそらく
    アルコール性の肝機能障害ではないかと思った。

    禁酒を指示しさらにウィルス性肝炎の検査も必要なのですぐに専門医の
    受診を勧めた。2週間の間に2回鍼治療をして再検査を受けたらγーGT
    以外は正常値に戻っていた。

    その後禁酒と週1回の鍼治療を続けたところ1ヶ月後には全て正常値になる。
    お酒を止めたらよく眠れ体重が減り体調もよくなった。(現在も禁酒継続中)

    酒は百薬の長ともいうが悪い習慣になっている場合もある。好きな人は
    長く楽しめるよう節度ある自主管理が求められる。  

  • Posted by へんせき at 19:41Comments(0)胃腸・消化器